2016年7月29日

ハンドベルがお寺にやってきた!

開催報告「ハンドベルとお寺の出会い」

ふだんは交わることのないモノ・ゴト・ヒト同士が出会うと、コミュニケーションには愉快な“化学反応”が生じるもの。「つたえあえば、人生がひらく」がモットーの楽伝は、そんな《化学反応おきる場》づくりが大好きです。今回は、楽伝が本拠地をおく地域コミュニティで先日開催したイベントよりご報告します。

◆お寺さんの本堂で
日曜日の昼下がり、お寺の一角から清らかに重なり合う音色が広がってきました。指揮者に向き合う13人のみなさんが奏でるイングリッシュハンドベルのコンサートの始まりです。
 
ここは大阪市天王寺区下寺町(したでらまち)。全国でも有数の仏教寺院が集まる一角にあるお寺・心光寺さんの本堂(国の有形文化財指定)です。梅雨の晴れ間に、小さいお子さま連れのお母さま、ご夫婦やお友達同士など様々なみなさんが、ハンドベルを聴いたことがある
方もない方もおでかけくださいました。
ご本尊にもお楽しみいただけたでしょうか

企画のきっかけは、ふだんはなかなか出会う機会のない『イギリスの教会発祥のハンドベル』と『お寺』が出会ったらどうなるのだろう?―そんな楽伝のふとした好奇心でした。関西で複数のハンドベルチームを指導していらっしゃる千守敦子さん(参照1)、千守さんの率いるハンドベルチーム「カンタービレ(参照2)」のみなさん、そして、下寺町でお寺を広くみなさんに身近に感じてもらうための活動「寺活(てらかつ)」を進めておられる丈徳さんにご協力をいただき実現と相成りました。

ところで、私たち法人の名前は「楽(らく)」で始まりますが、この字の「上半分」は以前にもご紹介したとおり、持ち手をもつ「手鈴」で、鈴の左右に糸飾りがついている形をしています。ちなみに、下半分の「木」という字はその鈴を掛ける台をあらわしているとのこと(白川静「字統」より)。今回は、手鈴もつ名の楽伝が、縁あってハンド“ベル”のコンサートを開催することになりました。

演奏いただいたのは、「日本の詩情」「さんぽ(となりのトトロ)」「夢を叶えてドラえもん」「故郷」「キラキラ星」「情熱大陸のテーマ」、そしてアンコールに「トリッチ・トラッチ・ポルカ」の7曲。「キラキラ星」では、お客さまにもハンドベル奏者の一員になっていただき、お寺のご厚意でなんと《木魚(もくぎょ)》もお借りしての一大コラボレーション曲となりました。

◆コラボ、聴きたい!
事前に会場の下見として本堂に伺った際、木魚がたくさん並んでいるのを拝見するうちに「ハンドベルと木魚がコラボしたらどうなるんだろう?!」と好奇心に駆られた楽伝!
指揮をしていただく千守さんにお伝えしたところ、本番当日、ほぼアドリブ状態で木魚を加えた演奏に挑戦してくださいました。
実はとても愛らしい音ながら、宗教儀式のためのお道具としてちょっとばかり距離のある木魚が、ハンドベルが奏でる「情熱大陸」をもり立てるパーカッションのよう!
その生き生きとした音は、お客さまに想定外のお楽しみとして喜んでいただけたようですが、千守さんにもこのコラボをお楽しみいただけたようです。

アンコール終了後は・・・
アンコール終了後は、ふだんは身近で見ることのないハンドベルを手に持たせていただいたり、ハンドベルの楽譜を見せていただいたり・・・。音色の刺激に続き、見て、触れて、交流して楽しむみなさんの歓声が本堂に響きました。

教会という建てものはそもそも音が響くことを狙って造られていますが、お寺は教会ほど音が響きません。音が響かないからこそ、直接、身体に訴えかけるハンドベルの音色は教会で聴くよりもぐっと生々しく、季節柄、本堂の入り口を開き、前庭の気配を感じられる開放的な空間で演奏を聴くことができたことも組み合わさって、ハンドベルの力強さを感じられる半日になりました。

楽伝は、コミュニケーションをサポートする「ツール」や「場」を提供することで、コミュニケーションの内容と関わる人のゆたかになることをミッションとしています。「地域」や「社会教育」を切り口に、さまざまなモノ・ゴトの新しく、思いがけない魅力を、見出し、発信する取り組みを、今後も続けてまいります。

◆御礼とご報告
今回お集まりいただいたお客さまには、熊本市主催の熊本地震で被災された方へのチャリティ2種類へのサポートをお願いしました。1つは、熊本市文化会館の音楽設備の復旧にあてられる「くまもとエンタメ支援金」、もう1つは、この日の会場となった心光寺さんのタージマハールを模した本堂(国の有形文化財に指定)に敬意を表し、熊本城の復旧にあてられる「熊本城支援金」です。それぞれ6,972円と、7,203円のご厚意を頂戴し、7月4日に振り込ませていただきました。
みなさまのご厚意とご協力のほど、本当にありがとうございました。

*ご参照
1.指揮・千守敦子氏
日本ハンドベル連盟認定講師。カンタービレ、同志社大学ハンドベルクワイア、同志社国際ハンドベルクワイア等、現在8チームの指揮指導を行う。
2010年、ハンドベル世界大会出場、全国ハンドベルフェスティバル、関西ハンドベルフェスティバルに自身が指揮するチームを率いて毎年出場。所属するベルエチュードでは学校、教会、ホテル、デパートなど多方面からの依頼で、幅広く演奏活動を行っている。

2.カンタービレ    
2003年に結成した交野市・枚方市在住メンバーからなるイングリッシュハンドベルのチーム。ハンドベル曲定番のクリスマス曲やクラッシックからポップスやジャズ、ハンドベルオリジナル曲など様々なジャンルに挑戦し、2012年・2014年にはソロコンサート開催。関西ハンドベル連盟主催の関西フェスティバル出演や、幼稚園や学校、介護施設、交野市の行事、セレモニーホールなどの様々な演奏依頼により演奏を行う。

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。 

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