2015年2月5日

実況ルポ:伝紋®づくりワークショップ

「伝紋Ⓡ」=今の自分を表し、「伝」えるためのパーソナルな「紋」

楽伝のモットーは “つたえあえば、人生がひらく”。子どもたちから様々な年代のおとなまで、だれもの「伝えあい、キャリアを自ら拓いていくこと」を応援したいと、独自のツールと手法で多様なプログラムを展開しています。
 
ところで、あなたは「ご自分の紋」をお持ちでしょうか?
「紋というと、家紋のこと?」「あっ、女紋のこと?」
いえ、家紋でも、女紋でもありません。だれかから引き継いだり、一生背負うものでなく“今のわたし”がデザイナーと「伝」えあいながら創りあげる「紋」
今の自分を表し「伝」えるためのパーソナルな「紋」、それが「伝紋Ⓡ」です。
 
「伝紋Ⓡ」を作る方法の一つがワークショップ形式。1月11日(日)東京・青山にて10名の若手デザイナーが参加し、メディアや教育の分野で社会・世界への発信を牽引されている女性の方々を中心とするコミュニティのメンバー15名さまをクライアント役に迎え「伝紋Ⓡ」創りの場=「伝紋Ⓡワークショップ」が開催されました。
ユニークな特徴として、「伝紋Ⓡワークショップ」は単に「伝紋Ⓡ」を作るだけでなく、その過程でキャリアの若いデザイナーのコミュニケーション力育成に貢献することも、目的の一つとしています。
早速、当日の様子をちょっとご紹介しましょう!
 
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ペアになった若手デザイナーとクライアント役の皆さん。まずは、伝版Ⓡ「木」に自ら表現した「自分についての3つの拠り所」をもとにお互いに自己紹介。そのまましばらく、デザイナーが3つの拠り所にそってヒアリングをさせていただきます。
 
  * 3つの拠り所 *
   ① 自分が大切にしていること  ② 自分が好きなこと  ③ これから挑戦したいこと。

限られた時間で伝紋®素案に取り組む
デザイナーさんたちは真剣そのもの
初めのうちこそ、人生の先輩でありコミュニケーションのエキスパートでもあるクライアントの皆さんが若いデザイナーを助ける空気もありましたが、時間の経過とともに、横並びに座るおふたりの距離がすっと近づいたり、どっと笑い声が起きたり・・・ともにリラックスして、共有するものがどんどん豊かになっていく様子が伝わってきます。

さて、デザイナーは別スペースに移動し、自分のパートナーの3つの拠り所をふまえ「伝紋Ⓡ」2案の素案作成にかかります。一方、交流を終えたクライアントの皆さんは様々なご感想で盛り上がっています。
 
『ふだん立ち止まる時間がないので、自分のあり方に関わる3要素を木の伝版Ⓡに書き出すこと自体がいい機会でした。』
 
『交流して3つの拠り所を“口にしてみる”ことで、“書く”だけとは違う深まりを感じて、自分の思いを確認できました。“書く”と“語る”はまたちがいますね。』

デザイナーが伝紋®の制作意図をプレゼンテーション。
ちょっとドキドキ♪
『きもちよく話させてもらって楽しかったです。 ヒアリングされる立場でしたが、年代も立場もまったく自分と異なるお相手に興味をひかれ、こちらこそインタビューしたくなりました。』
       
いよいよ再び集合、プレゼンテーションタイム!
緊張した面持ちのデザイナーさんが前に立ち伝紋Ⓡ2案を発表します。同じくらい張りつめたお顔で座っておられるのは、発表を受けるクライアントさん。発表の進むにつれて内側からあふれるように、感激の表情へと変わっていくご様子は、拝見する私たちスタッフにとってもなんとも感動的でした。


デザイナーによる伝紋®プレゼンテーションに
耳を傾けるクライアントの皆様。ちょっとワクワク♪
今日初めて会ったデザイナーの彼女・彼に映った自分のデザインには、クライアントさんがまるで予期していなかった、力を与えてくれる何かがあり、心が動くようでした。
 
『自分がもちたかったイメージがここにあります、ありがとう!』
 
私が語っていないことまで、受け取って、感じて、表現して「私に見えるように」してくれていることに本当に感謝したい。』
 
なかには「いますぐ持って帰りたい!」という方も。(スミマセン、まだ素案ですのでしばしお待ちを・・・笑)
今回クライアント役の皆さんは互いの志をよく知るお仲間でいらっしゃるため、お互いの伝紋Ⓡ案への共感も深いご様子でした。

さて、この日はこれにておしまい!今後デザイナーの皆さんは、プレゼンテーションでクライアントからいただいたフィードバックも参考に素案を仕上げます。クライアント役の皆さんには5月ごろ「伝紋Ⓡ」を手に取っていただける予定ですので、その模様など、またいつかご紹介できればと思います。

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デザイナーとしてキャリアを拓いていくには「コミュニケーション力に基づく提案力」が欠かせません。自らクライアントに働きかけ、双方向のコミュニケーションを実現し、“語られる想い(期待)”はもちろんのこと、直ちには表現されない“潜在的な想い(期待)”までを、「ひきだし、ひもとき、くみたてる」。その上で「カタチ」にしていくことが求められます。

現代のデザイナーは、「デザイン」と聞いて誰もがイメージしやすい「手に取ることのできるようなカタチ(たとえば文具や商品パッケージ、家具や家電など)」をデザインすることもあれば、空間や音響などのしつらえや思考・サービスのあり方をカタチ創っていく(=デザインする)機会も多くあります。クライアントから自発的に発信される内容の表面探索に留まらず、その奥底にあるものを「ひきだし、ひもとき、くみたてる」コミュニケーション能力が、これからの時代、さらに必須となるでしょう。

一方、デザインや美術を学ぶ学校教育などではそのような力を育むトレーニングの機会が案外と少なく、若いデザイナーの中には、実社会で業務に携わって初めてコミュニケーション力不足による「カベ」を実感するという人も少なくありません。「伝紋Ⓡワークショップ」には、「ひきだし、ひもとき、くみたてる」プロセスを無理なく豊かにする楽伝ならではのアプローチで、こうした若い世代を応援するねらいも込められています。

さて、できあがった「伝紋Ⓡ」はパーソナルな名刺にしたり、アイコンにしたりしてお手元に置いていただきますが、ずっと使い続けたり、家紋のように、受け継がれるものではありません。「伝紋Ⓡ」は「今の自分を表す」ものですから、「もうこの伝紋Ⓡはフィットしないな。」と自分が思った頃にそれを捨てて頂く。つまり、ご自身の「変化」を積極的に認める紋が「伝紋Ⓡ」なのです。人生の中で何回作って頂いてもかまいません。人生を振り返る時、そのときの自分にフィットしていた「伝紋Ⓡ」で振り返る、そんな使い方もできるのが「伝紋Ⓡ」の良いところでもあります。
 
楽伝は、今の自分を表し「伝」えることでキャリアを拓いていく様々な世代の方と、デザイナーとしてキャリアを拓きたい若い世代とをつなぐ「伝紋Ⓡワークショップ」を今後とも開催してまいります。

<伝紋Ⓡ>
人々の内なる声や潜在能力の理解を通じてマーケティングのサポートや人財開発を手がける株式会社伝耕が、人々の発信力を高めようという志に基づき、2008年にプログラム開発し、楽伝にて展開する。

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

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