2018年4月13日

【後編】出生率日本トップクラスのまちでのワークショップ

奈義町(岡山県) x らくでん式英語インプロ

1月に続いてご一緒した奈義のみなさんとの時間は本当に楽しかったです。たくさんの笑顔、斬新な意見、スーパーなアクション、それに“見事なチームワーク”をたくさん見せていただきました!みんな“でーれーかっこええがん!”  
 
うれしそうに話したのは、桃の節句に「ぷりん」の呼び名でワークショップの進行役を務めたらくでん式英語インプロファシリテータ・辻野でした。

1カ月ぶりの奈義町は、前回の銀世界から一変。空の色、木々の枝先にも春の兆しが感じられました。いよいよ、1月のワークショップ以上に広くまちのみなさんにご案内してのらくでん式英語インプロワークショップHave fun!英語って楽しんじゃけん(^^)開催です。
*らくでんは特定非営利活動法人楽しく伝える・キャリアをつくるネットワークの愛称(呼び名)です。

会場は前回と同じ、まちの中心部にある奈義町文化センターですが、たくさんのご参加にあわせて大ホール舞台から、2階の広々とした集会室へ場所を移しました。

スタートの13:30が近づくにつれ、子どもたち連れファミリーや中学生たち、幅広い世代のおとなのみなさんが続々と。その数、4歳~60代まであわせて56名さま!

前回お会いしたお顔ぶれに加え、主催チームや参加したメンバーから話をきいて興味をもった方々がたくさん申込んでくださったそうです。そんなわけで始まる前から、なんだかみなさん準備万端!やる気満々!覚悟はできてる!といった勢いを感じました(笑)

子どもたちは、就学前のお子さん8名、小学生9名、中学生18名。
おとなのみなさんは20代~60代まで21名。
子どもたちの英語教育に関心ある子育て世代の方はもちろんのこと、教育委員の方や英語学習指導に携わる方、子育てや多世代の連携を支援されている方々、オーストラリアの学校と奈義中学校のコミュニケーション活動の実現をはじめ、子どもたちやまちのみなさんの国際交流促進につながる活動をされている国際交流員の方も参加いただきました。

奈義の主催チームのみなさんとらくでんスタッフたちが一緒になってご案内。まずはみなさん、名ふだづくりからのスタートです。遠くからでもお互いに見えやすいよう大きな名ふだをご用意しました!

◆あいさつさんぽ
まずは軽くからだを動かしていきます!
WalkStopといったカンタンな動作表現に始まり、いろいろなものに変身したり、ふだんづかいの奈義弁を英語におきかえながら感情を表す英語表現にポーズ付きで挑戦してみたり・・・50人を超えるみなさんにらくでんメンバーも加わり、ところせましと会場を動き回りました。

英語でお互いにあいさつもしてみます。
Hello! I'm. Nice to meet you!

シンプルな表現と握手を使いながら、どんどん新しいペアと出会っていきます。
初めこそ一緒に来場した友だちや親子でペアになった人も、なにしろ幅広い年代のみなさんが参加していますので、どんどん相手がかわって数分の間にごちゃごちゃです(笑)
中学生が小さい子にかがんで手をつないだり、1か所にかたまっていた中学生軍団におとなのみなさんが突入したり、英語が大トクイという小学生がうつくしい発音を自信たっぷりに披露したり。
 
◆ちょっとひといき
率先して例示してくださる主催チームのみなさん
スタートから15分そこそこですが、会場は声いっぱい、動きいっぱい、笑いいっぱい!
 
さて興奮したあとは、少し静かに楽しめるペアワーク「パペット」です。人形と人形遣いに扮し「自分の働きかけが相手にどのように伝わるか」を感じます。小さいお子さんもむりなくでき、「お人形の、またやりたい!」と、のちのアンケートに書いてくれた就学前のお子さんもいました。
それにしても奈義のみなさん、なかなかの演技派が多く、周りのペアを見るのも楽しいひとときでした(笑)
 
Say Cheese!
前半最後のワークは、経験者はお待ちかねの「なりきり写真ゲーム」です。まずの例示では主催チームのみなさんが快く舞台に上がってくれました。
それにしても、これだけの参加人数ですと、ダイナミックなシーンがつくれます!1グループに7人演者がいますし、全8グループ!観客も多い舞台となりました。

なりきり写真ゲームより
動きの感じられる「運動会」
いろいろな名シーンがありましたが、印象深かったのは、奈義の伝統文化「横仙歌舞伎」の《こども歌舞伎》がお題だったときのこと。
横仙歌舞伎には伝統芸能の保存伝承を目的としたこども歌舞伎教室があり、大変活発に活動されています。この日の参加者にもこども歌舞伎の演者さんたちがおり、それはそれは堂々としたポーズで凛と、自分ならではのなりきりを披露してくれました。「表現すること」に馴染む機会をもつ子どもたちは、「伝える力」を発揮する素地が育っていることを、英語インプロワークの1シーンを通じて実感しました。
 
ひとふでんずであそぼ!
休憩をはさみ、さて後半です。まずは、らくでんのグラフィックツールのひとつで、いろいろなモノを“ひとふでで描くこと”ができるユニークなグラフィック『ひとふでんず』を使ったワークから!
今回は奈義の名産「奈義牛」と「アスパラガス」のひとふでんずシートをご用意。
 
Go!」「Return!」「Raise your hands!など、いろいろな英語の指示に応じてアクションを変えながら一筆書きに挑戦です。耳と手に意識を集中し、会場は一気に静かに(笑)

とはいえ、2時間のワークショップも後半に差し掛かり、とりわけ小さな子どもたちには疲れもみえます。すると、お父さんやお母さんだけでなく、近くにいたママさんや、主催チームメンバーであり子育て等支援施設の子育てアドバイザーの方や、そのネットワークのみなさんが自然に声をかけ、子どもたちが過ごしやすいようにサポート。ちょっと動きが緩慢になってきた中学生諸君にはおとなたちが声をかけます。なんとも自然なやりとりで、まるで“参加者全員がひとつのチーム”のようです。
 
◆全員がひとつのチーム
【前編】でご紹介したように、奈義では多世代がつながりあって協働できるコミュニティならではのイベントや拠点活動、奈義に住むからこその宝を活かした体験や活動が年間を通じてあるといいます。
会場で感じた“参加者全員からなるひとつのチーム”な空気はまさに、日ごろから世代をこえてチームとして生活する奈義のコミュニティならではの温かさ・心地よさでした。出生率トップクラスのまちの秘密、ココにあり!と強く感じたらくでんスタッフ一同でした。

◆今度はこうしたい!
いろいろなワークののち、さいごはほぼ全員が“私のお気に入り”を発表し、すべてのワークが終了しました。
リフレクションタイムやアンケートを通じて、どんな風に楽しまれたかはもとより、今度はどんなことをやってみたいかといったアイディアまで、みなさんからいろいろなお声が届きました。それもそのはず、7割以上のみなさんが「また参加したい」とのお声!参加者が一緒につくりあげるワークショップですね。
おひとりおひとりがコミュニティでともに楽しむ体験を通じて、英語とコミュニケーションを今までより身近で楽しいものと感じてくださったことに、らくでんスタッフもとてもうれしい思いでした♪
 
《アンケートより》
・たくさんの人が参加して前回よりもっと楽しかったです。(中学生)
・いろんな英語を知れた。英語がたのしいとおもえた。(小学生)
・前回とちがう新しいワークもよかった!
ほかのもまた今度やってみたい。(中学生)
・積極的とはなかなかいかないのですが“やっていてたのしかった”です!(おとな)
・I didn't think I would enjoy it today but I had so much fun today!!!(おとな)
・小さい子連れだったのでどっぷりとは参加できませんでしたが、子どもが小学生くらいになったら、ぜひまたやってみたいです!(おとな)
・時間が経つにつれ、どんどん楽しくなりました。みんな一緒でやるのに加えて、対象別にしてレベルアップしておもしろさを上げていくのもやってみたいです。(おとな)
・言葉に出して英語を言うのははずかしかったけど、このような機会が学生時代にあったら英語が好きになれていたかも。(おとな)
 
《ご参考》 
岡山県奈義町 らくでん式英語インプロ開催レポ
 
◆文法項目に親しむプログラムも
現在の中学1年生の文法学習項目を目安に、子どもたちがつまずきやすい文法項目をとりあげたらくでん式・英語インプロ《楽しく慣れ親しむシリーズ》についてはコチラ

 

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。
 

2018年4月6日

【中編】出生率日本トップクラスのまちでのワークショップ

奈義町(岡山県)xらくでん式英語インプロ

Walk, walk, walk, Stop!
“Walk!” “Jump!” “Walk!” “Walk!”

こどもからおとなまで24人が動きまわっているのは、まちの文化センター大ホール。舞台がせまく感じられるほどです!

ここは岡山県北東部に位置する奈義町。1月さいごの土曜日の午後、奈義町で初めての開催となる『らくでん式英語インプロワークショップ』 が始まりました。メンバーは小学生7人、中学生6人、いろいろな世代の11人のおとなのみなさんです。

それにしてもご覧の通り(写真)、本当に多世代にわたるみなさんです!

そうそう、「ところで奈義町って?」「どうして奈義町でらくでん式英語インプロ?」と思われた方はぜひこちら☛先号【前編】をご覧くださいね。

◆奈義弁(=生活言語) x 英語
ワークショップのタイトルは『Have fun!英語って楽しんじゃけん(^^)』。
命名してくださったのは奈義町内で学習支援や子育て支援にたずさわっておられる方々をはじめ、企画に参画してくださった主催チームのみなさんです。

「英語ときくと、興味や必要性を感じつつも、なんだか自分から遠い気がする。」・・・そうした、世代を問わない(そして奈義にかぎらない)英語に対するよそよそしさの存在を熟知しておられるからこそ、生活言語である「奈義のことば」と「外国語」の橋渡しを、企画の入口から大切にしてくださったのです。

この「生活言語」という要素はらくでん式英語インプロが、英語とコミュニケーション能力の素地をスキル・意欲・学年や世代を問わず育む仕組みのかなめの1つです。
 
「日本語」の中でも、私たちが暮らしのなかで日々使う「生活言語(地元コミュニティのことば・方言やその世代の言葉)」は、その人にとって自分の感情や生活のありよう、人間関係を包摂した言葉です。
 
友だちや家族や先生と、毎日の暮らしでつかう「生活言語」を通じて英語をとらえるから、「英語=学ばないといけないよそのもの」という感覚が緩み、「コミュニケーションの道具」として身近に、自分が取り組む意味を見出しやすくなります。
 
◆生活言語 x 英語 x 「インプロ」
ところでらくでん式は「生活言語」x「英語」に加え、「インプロ(improvisation)」という要素を取り入れています。台本のないパフォーマンスとして元々は演劇に由来するインプロは、学びあいを創造する学習方法となりえます。ふだんより過剰な表現がむしろ推奨される「インプロゲーム」で、いつもなら拭いづらい不安感(羞恥心、評価への恐れ)と自分を切り離し、安心して体験学習をすることができます。また、そもそも「人との対話=コミュニケーション」とは即興性伴うもの!自分の意思を多様な人々に伝えるために不可欠な即興性を伴う表現”を楽しく実践し、コミュニケーション能力の素地を育むことをめざしています。

◆何をするんじゃろうか?
さて、舞台に上がったもののちょっと不安げな表情の小学生と中学生たち。おとなはというと、多少の緊張もおありのようながら、みなさんからは子どもたちをケアするような温かさが伝わってきます。
 

まずは「おなまえリレー」や、以前のブログでもご紹介した「あいさつリレー」でアイスブレーキング。

続いて応用編として、“Whatre you doing?” を使いながらの奈義弁バージョンも!

「自分がいつもいうてるまんまのことばでええよ~」そういうらくでんのファシリテータも、いつもの関西弁のまんまです♪

まずはみなさんに「なにしょん?」の正しいイントネーションを教わると、さっそく例示がてら中学生に突撃質問です!

「なおや!いま、なにしょん?」
「そげなこと どうしていまきく?・・・ん~、えいごの勉強しょん!」

なるほど!と、やり方を心得たみなさんも加わり、ジェスチャーもそえての「なにしょん」リレーが始まります。

「なにしよん?」
「ごはんたべよん。」「こたつにはいってねころんどるん♪」「みかんたべよん」「スケートしょーるん」「ソリやっとるけん!」

初対面のおとなにきかれた最年少の子どもたちだって、自分が思いついた好きなこたえを投げています。ぐるり一周したら、さいごは日英ミックス!“Whatre you doing?”やら「なにしょん?」やら、入り混じりながらのあいさつリレーで笑いました。

◆もっとやりたいひと~♪
らくでん式で人気の「なりきり写真ゲーム」ももちろん登場しましたよ。
今回は時期的にちょうど盛り上がっていた《オリンピック》など、まずは4つのお題でチームごとのなりきりゲームです。

その1つ《オーストラリア》では、おとなの方がカラダ全体をつかってステージにねそべってDesert(砂漠)!」のファインプレー!
誰もの心に少なからずある枠をとっぱらい、「何にでもなっていい」「どんな動きをしてもいい」ことを共有してくれました。

4つのお題を終えたところで、ファシリテータが声をかけてみました。
「もっとやりたいと思ったひと、募集するよ~!見ときたいひとは見てていいよ!」
すると、半数を超える12人のみなさんが立候補してくれました!お題は《奈義》です。

Mt. Nagi (那岐山)!」
Mt. Taki (滝山)」
Nagi Beaf (名産の奈義牛)」
Ginkgo tree (名所の大いちょう(900歳の大樹)」
Mie (見得をきったこども歌舞伎の演者、奈義の伝統文化「横仙歌舞伎」)」
NARUTO -ナルト- (漫画の作者・岸本斉史さんは奈義町出身)」
Sato-maru (横仙さと丸:奈義の名産「さといも」をモチーフにしたゆるきゃら)」
Kuro-Mame (名産の黒豆」  などなど。

「なるほど、そうきたか。なら次はこれでいくか!」と奈義をテーマに勝負の気配さえ漂う熱い舞台のおかげで、らくでん*スタッフもますます奈義町にくわしくなりました♪
*らくでんは特定非営利活動法人楽しく伝える・キャリアをつくるネットワークの愛称(呼び名)です。

◆次回の『Have fun!英語って楽しんじゃけん(^^)』に向けて
「奈義」のお題で!
そのあともいろいろなワークにチャレンジ!
身体表現と英単語の意味とをあえて他の単語と交換して行う脳トレ的なワークも!うまくいってもいかなくても楽しいですね(笑)

いっぱい笑って、いっぱい真剣になった2時間ワークショップでの後半のことです。子どもたちが、その場ではご紹介していなかった英単語(別の学習場面で知識として身につけておられたのでしょう!)を自然に発話したり。どこか脱皮したかのように、英語との距離が少し近くなっているかなぁという場面があらわれ、おとなのみなさんもびっくり!

さいごのリフレクション(振り返り)では「なりきり写真、おもしろかったー!」と子どもたちもおとなの皆さんも。「コミュニケーションがうまくできてよかった!スタッフの人がよかった!」とは中学生。うれしいコメント、ありがとうございます(笑)

奈義の主催チームのみなさんからは「だんだん自然と、みんなが動けるようなプログラムになってたね。」「英語を知らない子はどうなるじゃろう、と心配してたけど、だいじょうぶだったね。」などの全体感想とともに、具体的なワークについての感想も共有いただきました。

らくでんスタッフがとくに印象的でしたのは、相手と知り合いかどうかや世代に関わらず、奈義のみなさんが自然と周りに声がけして応援したり、ときに助け船をだしあっておられたこと。独特の温かさとにぎやかさある現場でした。実はこのことを、次回ワークショップで私たちはもっと強く感じることになるのですが、それはまたのちの話!

奈義の朝
雪景色の向うに雲海が
「ところで来月、次回はどのくらいの規模でいきましょうか?」
「目標50人でいこう!」

主催チームのコールにより一瞬で決まった次回ワークショップのスケールでした(笑)

その次回らくでん式英語インプロ『Have fun!英語って楽しんじゃけん(^^)』の模様は、次号【後編】でお届けします。
どうぞお楽しみに!

《ご参考》
◆奈義町いろいろ
 観どころ訪ねどころ暮らしどころはコチラ

◆らくでん式英語インプロ開催レポ
 ・岡山県奈義町「前編:出生率日本トップクラスのまちでのワークショップ
 ・大阪市阿倍野区「訊きたいこと、伝えたいことがあると?!
 ・大阪市阿倍野区「国際交流ってなんだろう?
 ・大阪市阿倍野区「英語ゲームで世代・国を超えて楽しく交流ワークショップ
 ・大阪府泉南郡 「中学生とインドネシアからのみなさんと!
 ・福島県白河市 「えいご、たのしかった!(前・後編)」
 ・大阪市城東区 「生き抜くための“コミュニケーション能力の素地を養う”
 ・大阪府貝塚市 「なりきり英語ゲームでハロウィン
 ・大阪市天王寺区「まちがったら、おもしろくなる!(前・後編)」


*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

2018年4月1日

【前編】出生率日本トップクラスのまちでのワークショップ

奈義町(岡山県)xらくでん式英語インプロ
 
英語インプロゲームの1シーン
みなさんが思い思いのポーズをとっている写真(右)は、らくでん式英語インプロ「なりきり写真ゲーム」の1シーン。1月に奈義町で開かれ、就学前のお子さんから3世代にわたる老若男女のみなさんが参加したワークショップの模様です。

らくでん*は今年度下半期、岡山県の奈義町と奈義町教育委員会が主催する英語インプロワークショップを2回(1月28日・3月3日開催)にわたりご一緒してきました。

*らくでんは特定非営利活動法人楽しく伝える・キャリアをつくるネットワークの愛称(呼び名)です。

多世代のみなさんが集ったサイコーにユニバーサルな現場の模様♪
今号から3回シリーズで、主催者様ご了解のもとご披露します!
まずは、らくでん式英語インプロが奈義におじゃますることになった背景をご紹介しましょう。

◆合計特殊出生率2.81のまち
900歳という大イチョウ(菩提寺)
奈義町(なぎちょう)は中国地方・岡山県の北東部、2400世帯6,000人が住み暮らすまち。JR岡山駅からは車で2h、北に面する県の鳥取駅からは車で1hほどに位置します。国定公園「那岐山」を仰ぎ見る自然豊かな地です。

まちには1つの保育園、2つの幼稚園と小学校・中学校がそれぞれひとつあり、高校生になると子どもたちは町外の学校へいきます。

この奈義町。岡山県に地縁がなくとも、子育て世代の方は耳にされているかもしれませんね。また全国の自治体関係のみなさまにはすっかり有名でしょう。

日本トップクラスの「合計特殊出生率2.812014年)」を記録したことを2015年に発表(参考:2013年の日本全体は1.43)。10年間で約2倍に達したという奈義のこの発表以来、NHKスペシャル「私たちのこれから #超少子化~安心子育ての処方せん~」、共働き家庭を応援する「日経DUAL201612月掲載)」をはじめ多くのメディアでも、奈義町の子どもを産み育てることへの包括的支援のあり方が取り上げられています。 

◆地道な積み重ねは止まることなく
アスパラも、奈義の名産のひとつ
2002年に住民投票で「合併しない」選択をした奈義町は、翌年より子育て支援を本格化し、2012年にはまちとして「子育て応援宣言」を。
 
合計特殊出生率は、2.81を記録した2014年の後も日本全体の数値を上回って推移し、2017年度速報値は2.4強とのこと。
子育てするなら奈義町で!” は今や、奈義のありようを表す名実ともにのキャッチフレーズです。

2015年には、50年・100年先の将来を見据え、人口6,000人を維持するために「奈義町まち・ひと・しごと創生総合戦略」として、魅力を感じられる「多世代共生型」のまちをめざした方針・施策を具体化し、取り組みを進めています。
                      
◆「産み育て始める」のその先=奈義にいるからできること
「産んでもいいかも」と思え、産むこと・育てることを始められ、望むなら“働きながら子育てしながら”を自然体でできる~多世代からなるコミュニティ全体が子育てを応援するまちづくり。それは6,000人の人口維持のために必須の取り組みのひとつでした。 

冬の那岐山も 山の愛好家に人気
らくでんスタッフも登頂!
同時に、活気と魅力ある「住み続けたいまち」「住んでみたいまち」であるには、子どもたちと、それぞれのライフステージを生きる多世代のおとなたちがともに、その地に住みながらにして豊かで文化的な、また独自で先進的な体験や活動を通じて成長できることがのぞまれます。

その点、奈義はまちのありたい姿をきわめて明確にしており、多世代が共生する様々な仕掛けがあります。

多世代がつながり協働する機会となるイベントや拠点活動、豊かな自然や江戸時代後期より伝わる横仙歌舞伎(よこせんかぶき)、公共施設として世界初の試みをも実現する奈義町現代美術館をはじめ、奈義に住むからこその宝を活かした体験や活動が年間を通じて実現しています。どこに住んでいようと世界とつながりうる今の時代に、こどもたちに留まらず多世代のみなさんが、奈義に住みながらにして国際交流できる環境づくりも! 

◆なぜ、らくでん式英語インプロワークショップを?
こうしたまちですから、今回《英語インプロ》という、自分自身と他者の尊重を前提とし、異文化理解を深め、英語活用力を育む手法をとりいれた『英語を活用して楽しく交流を図る場(ワークショップ)』を実現なさったのは自然なことだったかもしれません。

2017年の終わりがみえてきたころ。まずは年が改まった128日(日)に試みとして開催すべく、準備が始まりました。
 
まちのどんな人たちに興味をもってほしいか?
英語に対してどんな気持ちをもっているか?
 
奈義町と奈義町教育委員会主催企画として、学習支援や子育て支援を通じて地域の多世代のみなさんの英語教育に対する想いに精通する方々、国際交流支援に関わる方、海外で在住し子育ての経験を持つ方など、さまざまな立場のみなさま(以下「主催チームのみなさん」と呼ばせていただきます)が集い、まちのみなさんにとってよいプログラムのありようを検討しました。 

◆第1回ワークショップ開催に向けて
主催チーム&らくでんチーム 打合せ中
奈義で初開催となる英語インプロワークショップ。日ごろから多世代とのつながりを密にされている主催チームの裏付けあるおみたてと、らくでんスタッフのこれまでの各地でのワークショップの経験からの学びが、よりよい仮説づくりに役立ちました。 

らくでんは主催チームのみなさんの想いやお考えを刺激に、奈義のみなさんが思わず楽しく交流していただけるよう、2時間のプログラムを策定していきます。そうした準備の上で当日生じる意外性はこの上ないスパイスになるもの!らくでんのファシリテータはみなさんとご一緒に、想定外のいろいろをも楽しい体験に転換していきますから。

こうしてあっという間に迎えた128日(土)、会場は奈義町文化センター 大ホール。
広い舞台に上がってこられたのは、小学校低学年から中学生までのこどもたち、その保護者世代のみなさん、そして祖父母世代のみなさんまで。24名さまでのワークショップのスタートです。

さてこの続き、ワークショップの模様は次号【中編】でお届けしましょう。どうぞお楽しみに!

<ご参考>
◆奈義町の子育て支援メニュー
各種メディアのほか、さまざまな媒体で知ることができます。
 ・奈義町「定住ガイドブック」でもわかりやすく紹介♪
 ・ポプラ社「超少子化 異次元の処方箋」(ポプラ新書)

◆らくでん式英語インプロ開催レポ
 ・大阪市阿倍野区「訊きたいこと、伝えたいことがあると?!
 ・大阪市阿倍野区「国際交流ってなんだろう?
 ・大阪市阿倍野区「英語ゲームで世代・国を超えて楽しく交流ワークショップ
 ・大阪府泉南郡 「中学生とインドネシアからのみなさんと!
 ・福島県白河市 「えいご、たのしかった!(前・後編)」
 ・大阪市城東区 「生き抜くための“コミュニケーション能力の素地を養う”
 ・大阪府貝塚市 「なりきり英語ゲームでハロウィン
 ・大阪市天王寺区「まちがったら、おもしろくなる!(前・後編)」
 ・大阪市天王寺区「カラダとココロを動かし、未知と向き合う力を養う
 

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

 

2018年2月22日

訊きたいこと、伝えたいことがあると?!

後編開催報告『えいごインプロで国際交流ワークショップ』 
 1/21/2018 @ 大阪市阿倍野区市民学習センター

前編に続き、1月下旬に開催された小3~高1の子どもたちやおとな、留学生がまじっての2018年最初のらくでん式・英語インプロワークショップ後半の模様をご紹介します。

会場では引き続き、カラダをつかったワーク「あいさつリレー」が進んでいます。
前編でご紹介した"How are you?”の次は・・・
" What are you doing?(何してるの?)” をつかったやりとりです。

英語表現だけでなく日本語でもやってみます。
「“なにしてんの?”ってきかれたらふだんどういう?」子どもたちに友だちとの会話でつかっている言葉をたずねると「“ごはんたべてるんやしー”みたいな感じやな」と地元の言葉でおしえてくれる子どもたち。
すっかり先輩顔(笑)で、留学生のふたりに「これ、つこてみー(この表現、つかってみれば!)」と地元言葉でのスキットをオススメ。日本語を勉強中で、さまざまな地域の言葉にも興味津々の相手もノリノリです♪

しばらくすると子どもたちの方から質問が。

「アラビア語ではあいさつってどういうん?/How do you say ~ in アラビア語?」
急きょアラブ首長国連邦(UAE)出身の彼を先生に迎えてアラビア語講座となりました。

Alsalam!とよびかけAlaikum!とこたえるやりとり(右の写真)を紹介してもらいました。あいさつとして定着しているフレーズですが、「世界に平和を!」という意味をもつ言葉だそう。あなたにも平和を!”「へぇーっ」と心に響いたメンバーでした。

訊きたいこと・伝えたいことがあると、まるでカラダの中からおしだされてくるように自然とおしゃべりがでてきますね。「完璧な文章じゃないけど、話すことばが違っても気持ちが伝わる!」気持ちの入った生活言語としての母語と、外国語表現を一緒に使ううちに、異言語への垣根(ハードル)が低くなっていきます。

◆留学生にきいてみた!
さて次のワークでは、留学生のおふたりにそれぞれのお国についてお話をうかがいました。
今回参加してくれたのは、インドネシア出身のバンドゥンさんとUAE出身のアブドゥラさん。ふたりとも日本語を勉強するために留学中です。あらかじめお国紹介のプレゼンテーションを準備してきてくれました。

そもそも世界のどこにある国か?に始まり、「らくだ」がペット!食用「らくだ」もいる?!日本語で「YES」の意味をもつ言葉が、別の言語の「NO」の響きにそっくり?!結婚相手は●人?!などなど。食べ物のこと、暮らしのこと、言葉のことなど、知らなかったことがいっぱい♪

知らなかったことを知るって楽しいなぁ。おとなたちも、実際にその国の方がくわしく語ってくれると、知っていたことでもまだまだ奥の深いことに気づいたり、新しい発見があって興奮しました。
お国紹介のあとは質問タイムです。

「国旗の意味は?」「なにがきっかけで日本に興味をもったの?」「なぜ留学先に日本を選んだのか?」

アブドゥラさんとバンドゥンさんの思いをうかがうキャリアインタビューのような一幕も!また、ふたりに学ぶばかりでなく、留学生の皆さんが関心ある日本と日本語についてもどんどん質問してもらい、お互いにおみやげのある時間となりました。

◆もっと学びたくなる、もっと磨きたくなる、そのための素地を
外国に行くまでもなく異文化共生社会な時代です。それぞれの国・地域の文化を背景に、違う価値観をもつ人々と接する中、白黒はっきりした答えが初めからあるような場面はほぼありません。その前提で、自分と違うだれかと“つながって”みて、互いの違いを認識して活かし課題に取り組んでいくのが、生き抜いていくということなのでしょう。

英語はその“つながる”のためのひとつの道具。そして、極々近い将来AIによる外国語に関する補佐機能は急速に向上し、身近に利用できるものとなりますが、そのこと=“つながる”にはあらずですね。道具は使い手の意思とスキルあってこそ活きるもの。まずは“伝えたい”を持ち、伝えられる自分であってこそ!

◆“伝えたい”を持ち、伝えられる自分へ
学童期や青年期にある子どもたちが、コミュニケーションのひとつの道具として英語をまずは身近に感じ、もっと学びたくなる・磨きたくなる素地が育まれるといいですね。もちろん、子どもたちにかぎらず、いくつのおとなも!

今回参加したメンバーが感じた「完璧な文章じゃないけど、言葉が違っても気持ちが伝わるね」という感覚や、自分の国とは違うものに「へぇーっ」と互いに興味をもって「質問したくなる」「教えたくなる」体験は、「“伝えたい”を持ち、伝えられる自分」を耕すきっかけになるでしょう。

>>“こどもたちが英語を学ぶ意味”のお話はコチラ

らくでん* はこれからも、我々自身も含めた人間が「“伝えたい”を持ち、伝えられる自分を育むこと」を応援していきます。この春休みには大阪エリアで12日イングリッシュキャンプも開催します。英語インプロワークショップや留学生との国際交流でウォーミングアップをして、インタビューツアーにチャレンジする楽しい企画🎶 小学3年生~中学3年生までのお子様がご参加いただけます。
* らくでんは特定非営利活動法人楽しく伝える・キャリアをつくるネットワークの愛称(呼び名)です。   

◆遊んで身につく、英語即興ワークショップ
らくでん式・英語インプロは、即興演劇(インプロビゼーション)の手法を使って、英語とコミュニケーションが楽しくなる-“自ら学び続けたくなる気持ち”を養うプログラムです。

インプロとは、ある設定下で自分が伝えたい内容を即興的に言葉と体で表現すること。やってみたことのすべてが受容される空気感の中、リフレクションを交えながら、インプロの要素をむりなくとりいれたワークに取り組むうちに・・・ 
・自分とは“違う価値観をもつ人間”を知らず知らずに想定しながら、適切な表現を開拓していく
・多種多様な人々の中で生きるために必要な心身の“かまえ”を経験し、身に付ける
・自分に根差さない言語を借り、まるで「セリフ」のように使うことで、『思いきって』自分の感情を表現・発信する
など、アクティブラーニングが進みます。

◆文法項目に親しむプログラムも
これまでご紹介のとおり、ワークショップは企画の目的と対象メンバーに応じてさまざまなテーマ設定が可能です(☞下記「ご参考:らくでん式英語インプロ開催レポ」)。
また、現在の中学1年生の文法学習項目を目安に、子どもたちがつまずきやすい文法項目をとりあげたらくでん式・英語インプロ《楽しく慣れ親しむシリーズ》もあります。

《楽しく慣れ親しむシリーズ》は、子どもたちがつまずきやすい文法項目として「3人称」「過去形」「未来形」「疑問詞Who/When」「疑問詞What」「疑問詞How」を各回で取り上げる6回シリーズ!主に、小学3年生から中学1年生を対象にした英語インプロプログラムです。

らくでん、今年も様々な地域・コミュニティとつながって、子どもたちからおとなの皆さんまでご一緒してまいります!
 
>>ご参考:らくでん式英語インプロ開催レポ
◆大阪市阿倍野区「国際交流ってなんだろう?(前編)」
◆大阪市阿倍野区「英語ゲームで世代・国を超えて楽しく交流ワークショップ
◆大阪府泉南郡 「中学生とインドネシアからのみなさんと!
◆福島県白河市 「えいご、たのしかった!(前・後編)」
◆大阪市城東区 「生き抜くための“コミュニケーション能力の素地を養う”
◆大阪府貝塚市 「なりきり英語ゲームでハロウィン
◆大阪市天王寺区「まちがったら、おもしろくなる!(前・後編)」
◆大阪市天王寺区「カラダとココロを動かし、未知と向き合う力を養う
 
*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

 

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