2020年1月31日

プロフェッショナルの集まりを有機的チームへ

パーソナルスタイリングのSOÉJU チーム/モデラート株式会社

SOÉJU チームのみなさん
右から3番目代表の市原さん
師走の朝、らくでんのファシリテータが伺ったのは代官山(東京都渋谷区)の通りをほんの少し入った2階。

ガラス張りの解放感ある入り口を一歩入ると、居心地よい隠れ家のよう。初めて訪れる人も、不思議と自分のパーソナルスペースのように感じられます。

ここSOÉJU代官山サロンは、市原明日香さんが2014年に起業、設立したモデラート株式会社が運営。

パーソナルスタイリングサービスのブランドSOÉJU personal(ソージュ パーソナル)と、大人の女性のシルエットを美しく演出する洋服のオリジナルブランドSOÉJU(ソージュ)を展開しています。

スタッフのみなさんは柔軟な働き方でシフトを組み合わせており、ふだんは必ずしも一所で顔をあわせません。この日は予定を調整し、チーム力の土台をつくるコミュニケーションワークショップに集いました。

◆転機を生きる をサポート
SOÉJU personal のサービス と SOÉJUのアイテムは、お客さまが人生の“転機に直面するいくつかのお悩みに応え、応援したいと開発されています。実はスタッフのみなさんも、ライフイベントや仕事上の大きな“転機を経て活躍中!

お客さまとスタッフ ー どちらの“転機も応援する組織 ― それこそが、代表取締役の市原さんが、今はすっかり元気な息子さんが長期闘病した頃のご自身の体験を原点に、実現してこられたものです。

今号は起業から丸5年のモデラートさんが、チームのための集合研修を行った背景をご紹介します。


◆今の自分を表し、伝える「装い」
プロのスタイリストがサポート
ところで、パーソナルスタイリングをご存じですか?
あなたの好みや悩み、のぞむ自分のイメージをふまえ、本当に似合う「装い」と出会うことを、プロのスタイリストがサポートしてくれるサービスです。

「装い」とは肌身にまとい、自分を“表し、伝える”もの。非言語/ノンバーバル・コミュニケーションのひとつですね。言語/バーバル・コミュニケーションと支えあい、あなたがだれかと“伝え合う”ことを応援してくれます。

◆「装い」のシフトを支える
人生/ライフキャリアの道中、私たちは大小無数の“転機を迎えます。
そのたびに異なる環境と出会い、そこで生きていく自分のありようをみつめることに! 

そんな転機に、あなたは「装い」について変化を感じることがありますか?
・新たなトーンの装いを自分が欲している、環境で今までと違う違うトーンが求められた
・業務・家族構成・健康状態などの変化で、カラダの動かしやすさへの期待が変わった
・人生進むにつれ、体型もだんだん変化。どうする?どうつきあう?
・では、どのように「装い」をシフトしたらいい?
・装いのシフトに、どう時間・予算・エネルギーをつかう?つかえる?

楽しみもあれば、悩ましいことも ー そこを、プロのスタイリストがサポートしてくれる!
それがパーソナルスタイリングです。

市原さん*:“SOÉJU personalは転機を迎えてのお悩みに応える提案を大切にしています。
ご相談が多いのは、体型やお肌といった見た目の変化や、ライフスタイルの変化です。
育児などの活動が加わって、従来より時間を効率的に使いたいというお気持ちの方も多いですね。管理職に就いたなど、立場が変化してのご相談も増えています。”

手持ちのアイテムも活かし、対面やLINE等オンラインでスタイリストに相談できる!
30代、40代の働く女性を中心に幅広い世代が、SOÉJU personalのサービスや、きちんとした印象ながら型にはまらず自分らしい装いを楽しめるSOÉJUのお洋服を利用されているそうです。

*市原明日香さんプロフィール:1976年福島県生まれ。東京大学教養学部卒。ふたりの男子の母。アクセンチュア株式会社で3年間経営コンサルティングに従事、ルイ・ヴィトンジャパン株式会社にて4年間CRM(カスタマーリレーションシップマーケティング)に従事。息子さんの長期闘病に伴う看病、フリーランスの期間を経て、201412月モデラート株式会社を設立。自身がキャリアの折々の転機に、新たな環境や生活にあう自分らしい装いを探索する難しさを実感したことがモデラートの事業アイディアになった。

◆人生を糧とするSOÉJUスタッフ
お客さまの価値観や背景は実にさまざま。
喜ばれるサービスの提供には、組織自体が十分な多様性を内包していることが欠かせません。

今回のワークショップもサロンにて
ハイブランドでのバイヤーやマーチャンダイザーとして力を発揮してきた方々、スタイリストとして、テレビ・雑誌等メディアを通したスタイリングの提案や、個々のお客さまへのスタイリングサポート経験が豊富な方々・・・

スタッフのみなさんは、それぞれに異なるご自身の価値観を映して専門性を発揮する唯一無二の存在です。

多くは、ライフイベント等をきっかけに仕事を離れていたところ、市原さんと出会って再開!
10年ぶりにお仕事を再開した方もいます。

市原さん:“私自身、凸凹のキャリアを歩んできました。
プライベートの事情はだれにでもありうるもの。柔軟なワークスタイルで連携することで、専門性を発揮いただいています。”

“転機に育んだスキルや抱えたジレンマをふくめ、これまでのすべてあっての「いまの自分」。

「装い」のシフトをサポートし、お客さまの今ならではのありようを応援できるプロのみなさんです。 

◆有機的チームへ、まずの耕しを
設立から丸5年。率いる市原さんにとって、とにかく他者に働きかけ続けてきた創業期でした。

○ 起業家として、つねに将来の事業展開を描き、社外の方々にアクセスし、信頼と根拠に基づく支援をいただくこと
組織の代表として、現場のスタッフたちに働きかけ、目下の事業を次へと動かしていくこと 

そうした視界の異なる両方の立場で走る日常。組織内の仕事の進め方は、少数精鋭のスタッフに自ら個別にはたらきかけることが多かったといいます。市原さんから放射状に、スタッフ一人ひとりとのコミュニケーションの小径が通うイメージです。

では、これからはどうでしょう?

お客様の期待、そして投資家の期待を受け、たゆみなく次の価値創出・提供へと、さらに加速して挑戦の続くステージです。スタッフも10名を超えました。

心地よいパーソナルスペース
市原さん:“ここからはスタッフ同士の協働です。自分の強みを発揮し、他者の強みも味方に“チームの協働”でプロジェクトを推進していけるように。
その体験を重ねることは、一人ひとりの新たな可能性をひらく刺激にもなりますし、事業にとっては、持続的発展を支える不可欠な創造力につながります。”

そこで今回、日ごろ一堂に会することの稀なスタッフのみなさんが研修に集いました。

異なる素地を活かしあうための“まずの耕し”となるワークショップ。12月に加わったばかりという新メンバーもさっそく参加です!

その模様は来週金曜日✦次号でご紹介します。どうぞお楽しみに!

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。


2020年1月6日

年始のごあいさつ

新年あけましておめでとうございます。

十二支ではトップバッターの「子」の年、令和最初のお正月となりました。
皆さまはいかがお過ごしでしたでしょうか。

昨年、ふとしたきっかけで北アメリカ先住民に関する本を読む機会があり、その中にこんな一説がありました。


 すべてのものが円を描いています。
 私たちは自分自身の行いに、それぞれ責任をもっています。
 それが円を描いて戻ってくるからです。
     ベティ・レイヴァデュー(オジブワ族) 1993


「円を描いて戻ってくる」
まさに十干十二支に通じる考えです。

戻ってくるまでの時間は文字通り、十干は10年、十二支は12年。
そして両者がそろい踏みになる「還暦」は、最小公倍数の60年。
十干の円と十二支の円がそれぞれの円を描きつつ、60年後に両者そろって大きな円を描く。

10年前、12年前というと、これをお読みの皆さんなら個人史で振り返ることができる時間でしょう。10年前、12年前の出来事がどのような円を描いて自分に戻ってきたか?ちょっと時間はかかるかもしれませんがじっくり考えてみると、それは素晴らしい振り返りになります。


2020年の干支は「庚子」ですが、そのひとまわり前の「庚子」の年である1960年はどんな年でしたでしょうか?ぎりぎり私も生まれていません(笑)。
世界ではアフリカ大陸で多くの国々が宗主国から独立を果たした故に「アフリカの年」と称され、日本では新安保条約をめぐる「60年安保」で激しく国が動きました。

それから60年後の現在。
アフリカ大陸は世界のラストフロンティアと呼ばれ、新たな覇権争いが起こっており、地球温暖化と絡んで問題は複雑化しています。
そして日本では今年、将来を左右する自国の在り方について大きな判断が問われることになるかもしれません。

このブログではこれまで「変化に適応する」、「自ら変化を起こす」というスタンスで語ることが多かったのですが、今年はあえて「変化」ということを声高に言わないことにします。

「変化に目を奪われすぎると変化に対応できない。」

流れに投げ込まれたとき、円を描きながら戻ってくるその激しい流れに目を奪われたままでいると、泡で視界がふさがれ、呼吸のタイミングをとらえることができず、結果的に生きるためのアクションが限られてしまいます。

こんな時、我々は表面の大きな波や、次々に生じる渦に気持ちが惑わされないように、あえて「変化を見すぎずに」、最初から深めに潜伏して「波や渦の影響が少ないゾーン」で進むことを提案します。

言い換えれば、変化にまつわるリスクをリスクと認めながら、むやみに怖がらず、「ラクに」取り扱えることができるよう工夫する。そしてその「工夫自体を楽しむ」。

ランダムに見える波や渦が、大きな美しい円の軌道の一部であると信じて、それらを見極めることのできる場所を見つけて身を置き、あれやこれやと試しながら活路を見出すのです。
提案する我々自身も、このアプローチで地道に活動を続け、そこで得られたこと・学んだこと・次へのチャレンジのあれこれを、この場で皆さまに発信していきます。

こどもたちと彼らを支えるおとなたち
そしておとなたち自身のチャレンジを
「コミュニケーション」という切り口で応援するために。

さっそく次号では、ある社会起業家の女性が率いるチームのみなさんとのチームコミュニケーションをテーマにした現場からのご報告を予定しています。
また、日本心理学会第83回大会で発表した「開発的ネットワークに関する探索的研究」についても、さらに皆さまにお役立ていただけるであろう進展がありました。こちらもぜひ、続いてお伝えしてまいります。どうぞお楽しみください。

聖徳太子建立の四天王寺とハルカスが同居する地域。
亀池の上に連なるおみくじが白い垣根のよう

そして一年後、皆さまとともに振り返ってみれば、円の軌道の一部が見えていて、進むべき方向の手がかりをつかめていることを願いつつ。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

  理事長 西道 広美 拝

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