8月27日のブログでご紹介した楽伝合宿で、シンギュラリティ(技術的特異点)が実現するといわれる 近い将来に想いを馳せて以来、『好奇心』ということが気になっています。進化した人工知能で人間の能力を超越する学習能力を持つ機械が“働く”時代には、『好奇心』に触れる活動だけが人間の仕事になっていくのではないか。そんなことを想います。するとつい『好奇心』についてもっと探索したくなり・・・。
今回は『好奇心』に好奇心をもって集ったある場の模様です。
9月のある朝。関東在住の楽伝理事による主催で、『好奇心』をキーワードにしたトライアルミニセッションが始まりました。参加した伝版®ユーザー3名様がおもむろに取り出したのは1枚の伝版®「花」。そこには事前課題の3つのお題《ワクワクしたこと・会いたい人・行きたい場所》についてあれこれと書き込んでありました。花弁や余白を好きなように使って、以前から自覚していたこと、今回のお題を機に思いついたこと、日々のどのような時間に関わることについても、言葉やイラストで表現されています。
伝版®「花」で好奇心探索! |
事前課題の取り組み経過を伺ってみると、2週間前のお題発表後、一度まとまった時間をとって「花」に書き込んだものの、その後も伝版®を持ち歩いては幾度となく、ふと思いついて書き足したり、色鉛筆を手に「花」を眺めながら、「ワクワク」の種類や度合いを色分けしてみたり、「行きたい場所」と「会いたい人」との関わりを考えてつないでみたりしていたご様子。伝版®が提供する緩やかなフレームワークを活用し、自分の気持ちを自分にたずねるような「自分と会話する」時間を重ねておられました。こうしてだんだんと、自らの『好奇心』に触れると想定されるキーワードやキーフレーズの“仮説”が、自分にわかる言葉に表現(=言語化)されていきました。
◆「自分にわかる」と「伝える」ことができるようになる
それからのひとときは、事前課題の「花」をテーブルに置き、それぞれに現時点での『好奇心』の“仮説”を語ることに。発信したいことはすでに言語化されていて、伝える準備は整っていました(=自分について理解が深まった状態)。そのため、時折「花」にかきこんだ内容に目を遣ることもありますが、「見て話す」というよりは、「花」で確認済みの、自分のからだの中にあるものをポン、ポーンと外に出し、その響きを聴きながらご自分で確認していくような印象でした。いったん語ってみると(=発信)、受けとめてくれた他者から返ってくるもの(=フィードバック)があり、自分の感情と思考が刺激されて「花」にまた、書き足したくなるのでした(=さらなる言語化)。
◆さらなる探索へ
さて“楽しく”がモットーな楽伝。今回はさらに楽(ラク)に楽しく探索できるアプローチ模索の一環として、参加メンバーの1人社団法人アーツコミュニケーション・ラボ
代表理事・北尾真理子さんの協力を得て、お楽しみワークを用意していました。
3人の方が向き合ったのは、自分で色を選んだ大きな画用紙。テーブルの上のいろいろな色筆記具から好きなものを手にとって、気の向くまま、ぐるぐると描き始めます。ときどき色を替え、筆記具の種類を変え、もういいと思うまで存分に尽くしたところで次へ進みます。
描いた線たちがつくる模様を眺めながら、線と線の間に色を塗ってみたり、何かに見立ててカタチどってみたり。自分に見えたイメージのままに描き足していきます。「スクイグル」といわれるアートを使ったワークです。「スクイグル」には複数の人が交替で線を書き足したり、互いの線図をもとに見立て合ったりなど、実施目的と場に応じたいろいろな手法がありますが、今回のねらいは「自分と会話する」。そこで、ひとりで仕上げていくことにしました。またあえて“左脳の言うことに忠実な利き手”でない方の手を使っていただきました。“いつもとちがう手でかくのがとにかくきもちいい~!”“あたまのこのあたりの中をグルグルかきまぜているような気分です。”と反応はいろいろです。
ぐるぐる、スクイグル♪ |
さて、仕上がったものは?
思い入れのある場所や、好きな光景が表現されていたり、その方の注意がいま集中しているあるモノばかりがたくさん描かれていたり。語り合ってみると、出てくるのはまさに現在のご自身の『好奇心』の対象でした。先ほどの伝版®「花」を裏打ちするようでもあり、さらに「花」に言葉で書き足したいことも出てきて、自分について表現する言語がより3D化した印象です。
現時点での『好奇心』についての“仮説”に自信を深めた皆さんはそののち勝手に、この秋、ご自分の好奇心をさらに駆動する方法(=仮説検証のすべ)を考えるフェーズへと移っていったのでした。
「自分との会話」で想いを言語化することに始まって、仲間とのやりとりを通じて‟仮説”に自信をもち、今後はいざ行動してみながらの仮説検証へ入ります。いずれ、検証結果を振り返り、軌道修正やその先について考える機会を設け、「好奇心」を駆動させる“らせん状サイクル”をどんどん元気にしていきたいと感じた一日でした。
◆『好奇心』を駆動し、キャリアをひらく
楽伝は人生をひらくための4つの態度と2つのスキルとして『6C(powered
by Rakuden)』を提唱しています。『6C(powered by Rakuden)』は、Curiosity(好奇心)、Concern(関心)、Control(コントロール)、Confidence(自信)という4つの態度と、Cooperation(協働)、Conversion(転換)という 2つの行動のセットからなります。『好奇心』は、6Cのスタートに構える『C』です。午後のアイスブレーキング「マーブリング」 水面から上げる瞬間、意外な文様にワクワク! |
楽伝は、人の気持ちや考えをひきだし、ひもとき、くみたてることに役立つグラフィック
「伝版®」をはじめ、多様なツールと手法を束ねて活かし、キャリアをひらく力を養う『場』や『方法』をこれからも提供していきます。
「伝版®」をはじめ、多様なツールと手法を束ねて活かし、キャリアをひらく力を養う『場』や『方法』をこれからも提供していきます。
次回のブログでは引き続き「自分との会話」に焦点をあて、“孤独に自分と向き合う時間を豊かにすること”についてお届けします。
*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性と変化あふれる社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。