2016年8月10日

ひとふでんず、水防訓練の会場へ行く

岩手県一関市水防訓練にて「重機一筆書き体験」
by 岩手県建設業協会千厩支部さま

磐井川河川公園にて
7月3日(日)岩手県一関市(いちのせきし)水防訓練(主催:一関市)が、同市を流れる磐井川(いわいがわ)沿いの磐井川河川公園で実施されました。磐井川は北上川の支流にあたり、一関市を流れる大きな河川です。中流には美しい渓谷で知られる厳美渓があります。
 
流域は、古くは戦後間もない1947年(昭和22年)から2年続けて大きな台風(カスリン・カリオン)での洪水により、甚大な被害が生じた経験をもちます。
水防訓練には水防隊(市の消防団)をはじめとする関係機関や団体、市民の方々が参加し、今年度は約600人の皆さんが水防への「技術」
と「意識」を確認する場となりました。

◆ココロに残る体験を
楽伝がかねてよりご縁をいただいている岩手県建設業協会千厩(せんまや)支部さまも訓練に団体参加し、多くの市民がご家族そろって河川公園に足を運び、防災の意識をたかめていただけるよう、子どもたちのココロに残る体験プログラムを実施されました。

1つは災害の予防や万一被害が生じた場合の復旧に働く「重機の試乗」体験。
もう1つは、重機のふくざつな形を、自分の手をつかって描くことを通じて俯瞰できる「重機の一筆書き」の体験です。
「一筆書き体験」には、楽伝が提供するツールの1つで、いろいろなモノを“ひとふでで描くこと”
できるユニークなグラフィック『ひとふんず』を
活用いただきました。

◆ひとふでんず「重機シリーズ」
ひとふでんず』は季節のアイテムから人物や風景画・・・何でもデザイン可能!短くシンプルな線で出来上がるものから、「本当にこれを一筆で?」とチャレンジ精神をかきたてられる、とてもとても複雑なものまで、いろいろなデザインがあります。
今回お使いいただいている重機シリーズは、企画の目的と、対象となる子どもたちの興味や年齢をふまえてアイテムを選定し、難易度を調整してデザインされたものです。

ひとふでんずのスタート地点を表す「黒丸」に始まり、息を詰めてなぞることに集中していた子どもたちがついに終点にたどりつくと、つい先ほど動かした、大きくてふくざつなカタチの重機が、自分の描いた絵として目の前にあります。
ところで、子どもたちの手にかかると同じ重機でも、好きな色やかっこいいと思う色合い、おしゃれな色合わせなど、それぞれ思いつくままに姿が変わり、おとなは重機のファションショーでも見せてもらっているような気分です。

◆カラダ・アタマ・ココロを動かして
バックホー(油圧ショベルの一種)に
チャレンジ!
子どもたちは、見上げるような大きな重機について「よじのぼって乗りこみ、操作して動かし、自分のカラダだけではできない怪力を発揮すること」「その大きな造りを一本線でなぞり、自分の手で1枚の紙の上で把握すること」をひとときに体験します。
カラダ・アタマ・ココロがいっぱいワクワクして、子どもたちはその体験をとりこんでいたことでしょう。

つい夢中に! 気づいたら楽しい♪
そんなひとときの積み重ねが、これからの時代を生きていく子どもたちだからこそ、とても大事な意味をもつのでは?
おとなのファンも多い『ひとふでんず』ですが、もっともっと子どもたちとも出会いたいと思う楽伝です。

【ご参考】
 >>「ひとふでんず、小学校へ行く!(小学生のための『建設業ふれあい事業』)

 >> ひとふでんずってなに
 
*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

2016年7月29日

ハンドベルがお寺にやってきた!

開催報告「ハンドベルとお寺の出会い」

ふだんは交わることのないモノ・ゴト・ヒト同士が出会うと、コミュニケーションには愉快な“化学反応”が生じるもの。「つたえあえば、人生がひらく」がモットーの楽伝は、そんな《化学反応おきる場》づくりが大好きです。今回は、楽伝が本拠地をおく地域コミュニティで先日開催したイベントよりご報告します。

◆お寺さんの本堂で
日曜日の昼下がり、お寺の一角から清らかに重なり合う音色が広がってきました。指揮者に向き合う13人のみなさんが奏でるイングリッシュハンドベルのコンサートの始まりです。
 
ここは大阪市天王寺区下寺町(したでらまち)。全国でも有数の仏教寺院が集まる一角にあるお寺・心光寺さんの本堂(国の有形文化財指定)です。梅雨の晴れ間に、小さいお子さま連れのお母さま、ご夫婦やお友達同士など様々なみなさんが、ハンドベルを聴いたことがある
方もない方もおでかけくださいました。
ご本尊にもお楽しみいただけたでしょうか

企画のきっかけは、ふだんはなかなか出会う機会のない『イギリスの教会発祥のハンドベル』と『お寺』が出会ったらどうなるのだろう?―そんな楽伝のふとした好奇心でした。関西で複数のハンドベルチームを指導していらっしゃる千守敦子さん(参照1)、千守さんの率いるハンドベルチーム「カンタービレ(参照2)」のみなさん、そして、下寺町でお寺を広くみなさんに身近に感じてもらうための活動「寺活(てらかつ)」を進めておられる丈徳さんにご協力をいただき実現と相成りました。

ところで、私たち法人の名前は「楽(らく)」で始まりますが、この字の「上半分」は以前にもご紹介したとおり、持ち手をもつ「手鈴」で、鈴の左右に糸飾りがついている形をしています。ちなみに、下半分の「木」という字はその鈴を掛ける台をあらわしているとのこと(白川静「字統」より)。今回は、手鈴もつ名の楽伝が、縁あってハンド“ベル”のコンサートを開催することになりました。

演奏いただいたのは、「日本の詩情」「さんぽ(となりのトトロ)」「夢を叶えてドラえもん」「故郷」「キラキラ星」「情熱大陸のテーマ」、そしてアンコールに「トリッチ・トラッチ・ポルカ」の7曲。「キラキラ星」では、お客さまにもハンドベル奏者の一員になっていただき、お寺のご厚意でなんと《木魚(もくぎょ)》もお借りしての一大コラボレーション曲となりました。

◆コラボ、聴きたい!
事前に会場の下見として本堂に伺った際、木魚がたくさん並んでいるのを拝見するうちに「ハンドベルと木魚がコラボしたらどうなるんだろう?!」と好奇心に駆られた楽伝!
指揮をしていただく千守さんにお伝えしたところ、本番当日、ほぼアドリブ状態で木魚を加えた演奏に挑戦してくださいました。
実はとても愛らしい音ながら、宗教儀式のためのお道具としてちょっとばかり距離のある木魚が、ハンドベルが奏でる「情熱大陸」をもり立てるパーカッションのよう!
その生き生きとした音は、お客さまに想定外のお楽しみとして喜んでいただけたようですが、千守さんにもこのコラボをお楽しみいただけたようです。

アンコール終了後は・・・
アンコール終了後は、ふだんは身近で見ることのないハンドベルを手に持たせていただいたり、ハンドベルの楽譜を見せていただいたり・・・。音色の刺激に続き、見て、触れて、交流して楽しむみなさんの歓声が本堂に響きました。

教会という建てものはそもそも音が響くことを狙って造られていますが、お寺は教会ほど音が響きません。音が響かないからこそ、直接、身体に訴えかけるハンドベルの音色は教会で聴くよりもぐっと生々しく、季節柄、本堂の入り口を開き、前庭の気配を感じられる開放的な空間で演奏を聴くことができたことも組み合わさって、ハンドベルの力強さを感じられる半日になりました。

楽伝は、コミュニケーションをサポートする「ツール」や「場」を提供することで、コミュニケーションの内容と関わる人のゆたかになることをミッションとしています。「地域」や「社会教育」を切り口に、さまざまなモノ・ゴトの新しく、思いがけない魅力を、見出し、発信する取り組みを、今後も続けてまいります。

◆御礼とご報告
今回お集まりいただいたお客さまには、熊本市主催の熊本地震で被災された方へのチャリティ2種類へのサポートをお願いしました。1つは、熊本市文化会館の音楽設備の復旧にあてられる「くまもとエンタメ支援金」、もう1つは、この日の会場となった心光寺さんのタージマハールを模した本堂(国の有形文化財に指定)に敬意を表し、熊本城の復旧にあてられる「熊本城支援金」です。それぞれ6,972円と、7,203円のご厚意を頂戴し、7月4日に振り込ませていただきました。
みなさまのご厚意とご協力のほど、本当にありがとうございました。

*ご参照
1.指揮・千守敦子氏
日本ハンドベル連盟認定講師。カンタービレ、同志社大学ハンドベルクワイア、同志社国際ハンドベルクワイア等、現在8チームの指揮指導を行う。
2010年、ハンドベル世界大会出場、全国ハンドベルフェスティバル、関西ハンドベルフェスティバルに自身が指揮するチームを率いて毎年出場。所属するベルエチュードでは学校、教会、ホテル、デパートなど多方面からの依頼で、幅広く演奏活動を行っている。

2.カンタービレ    
2003年に結成した交野市・枚方市在住メンバーからなるイングリッシュハンドベルのチーム。ハンドベル曲定番のクリスマス曲やクラッシックからポップスやジャズ、ハンドベルオリジナル曲など様々なジャンルに挑戦し、2012年・2014年にはソロコンサート開催。関西ハンドベル連盟主催の関西フェスティバル出演や、幼稚園や学校、介護施設、交野市の行事、セレモニーホールなどの様々な演奏依頼により演奏を行う。

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。 

2016年5月25日

ご報告《らくでん式・英語インプロワークショップ》スタート!

カラダとココロを動かし、未知と向き合う力を養う

最終日の笑顔!
  4月某日、楽伝の黄色い家(大阪市天王寺区)2階に“わかもの”たちが集まってきました。小学校高学年から中学生の子どもたち4人と、気の若い社会人たち3人。インプロ指導者NAO(ナオ)さんを迎え 「英語インプロ(即興)・ワークショップ」のスタートです。

「インプロ(improvisation)」とは台本のない
即興演技。俳優など演技者のためのトレーニングとして長らく用いられている手法です。
「せりふ」の拠り所となる台本ナシで、各自が即興的にシーンを創っていくためには、自分がいま現在どのような状況にあるかを瞬時に考察・判断し、「話=筋を見出し」動く必要があります。未知な状況といかに向き合い対応するかが試される場です。

「インプロ」という手法に変化の時代にこその魅力を感じ、楽伝は「未知と向き合う力」を養う《らくでん式・英語インプロワークショップ》の展開をはじめました。

◆インプロ x 英語 x むかしばなし
今回は第1弾!まずは、おとなより「ずっと先=変化常套の時代」を生きていくことになる子どもたち優先の“わかもの”対象企画です。【3時間x3日間のワークショップ】でチャレンジしたのは「英語インプロ劇」です。メンバーは2チームにわかれ、自分たちで創り上げるオリジナル英語劇の「創り手」兼「パフォーマー」になります。
テーマにした作品は日本のむかしばなし「ももたろう」。ある程度の筋はありますが“与えられたセリフ”だけでなくそれぞれの配役になりきり「自分ならどう伝えたいか?」と作品をアレンジしていきます。

◆Day1「失敗を楽しむ」をめざして
英語に触れて間もないメンバーもいて、ボキャブラリーも限られ、他者が話すことをその通り理解している状態でもありません。でも、それこそ英語を母語とする子どもたちができるようになっていくプロセス!
“できるようになってから”話すんじゃあ、いつまでたっても“できる”ようにならないですよ~。
と本日の指導者・NAOさん。

Day1.まだ照れまくり(汗)

初日はとにもかくにもウォーミングアップ!
NAOさんの声がけでインプロでのゲームやワークに声を出し、カラダを動かします。
しかし、一体この3日間何をどうするのか、あえてくわしい「To Do」がない状況です。漠然とした不安満載な中、しかもお互いによく知らない相手とすでに共同作業のワークが始まっちゃった・・・もう、緊張するやら恥ずかしいやら。
 
「こういうことかなぁって思うけど自分、間違っているかも」と発話できなかったり、「やったことないし失敗するかも」と思うとカラダが動かなかったり。でもそんなレディネスない状態にお構いなくどんどんワークに巻き込まれていきます。
 
当然、上手くいかないことが、いやはやたくさんでてきました。ペアワークでカラダを動かすも「あれっ、こんなはずじゃ・・・」「またダメだ・・・」と小さな失敗、いやいや結構な失敗が続きます。
上手くいかないと、恥ずかしかったり当惑したり。しかし失敗もこれほどに回数を重ねると、だんだん少しずつ怖くなくなってくる!失敗を通じた体験で得た小さな自信が、彼女・彼を、少しずつ前に押し出しているようでした。
さて「やってみる=アウトプット」に興味がわいてきたところで、次は「ちゃんと見る&聴く」にアンテナをたてる練習です。周りの他者とコミュニケーションをはかって、自分のいる【いま、ここ】を瞬時につかむ必要のあるインプロでは、このアンテナはどちらもとても重要です。
さいごに明日から始まるグループワークに向けて、チーム分けをして初日終了!
カラダもアタマも温まって、ココロも開いてきたかな?! 
Day2.本日も
真剣にあったまり中♪

◆Day2「情報を引き出す」を知る
昨日の山ほどの失敗体験でだいぶゆるんだものの「まだまだ“間違い=ペナルティ”の思考の構造が健在!」とNAOさん。“失敗を楽しむ”までには道半ばです。とはいえ初日に比べればだいぶ自由な空気が流れています。  
しっかりウォーミングアップののち、今日はインプロでは必須のスキル―その場の状況を見極めるべく質問を投げかけ情報を得る―《質問力》をきたえます。どのような状況におかれているかを瞬時に考察・判断して「話=筋を見出し」進行するインプロでは、いかに少ない質問で自分の次の一手を決めるに役立つ情報を引き出せるかが肝心です。高い会話力=相手とコミュニケーションをはかる力が求められます。
 
さて本日のラストは、最終日の発表に向けたグループワーク。
さる?おに?ももたろう? 自分以外のキャラになることがそろそろ楽しくなってきたメンバーたちでした。

◆Day3「いま、ここ」を楽しむ
最終日ももちろん、ウォーミングアップにインプロゲームにと最初から動いていきます。日を追うごとにお互いに徐々に打ち解け、仲間への信頼があたり前のものになり、ミスも「あるある=OKの感覚に!どうでしょう、写真からもメンバーの変化を感じていただけるのでは?

Day3.熱、入りまくってます!
いよいよ発表タイムです!
「子どもたちのやっていることを見てみたい!」という保護者のみなさんを迎えて、この2日間にチャレンジしてきたあれこれを混ぜこんでの発表です。
不思議なもので、初日に“インプロ”にはシナリオもパターンもないことで緊張していたメンバーだったはずですが、いざショータイムとなりインプロに加え、「(こうしようと)予め決めたことを演じる」部分も生じると、もはやそちらの方が「(決めたとおり)上手くいくか緊張!」な様子。“インプロな”パートではむしろホッ(!)として、昨日までよりいきいきと自由な表現ができていました。

楽伝メンバー・辻野恵美子(社会教育事業担当)は振り返ります。
“この3日間で、どうしたら自分の気持ちを相手に伝えられるか 相手の気持ちを読み取れるか、たくさん考え、学んでいただきました。私自身も、インプロでもとめられる、過去に習得した既知のことにとらわれず【いま、ここ】を見ようとする態度と行動はいまの時代を生きる力になる、とあらためて感じました。
人生、つまりキャリアはつたえあえば、ひらくもの。らくでん式・英語インプロは、子どもたちだけでなく、アタマの固まりがちなおとなにもぜひ体験していただきたいプログラムです!”

ところで閉講してしばらくのちのこと。「あの日から子どもの様子が変わった・・・」とのご連絡をいただきました。これまでの「一方通行の押しきり型コミュニケーション」に「相手の間合いをみての行動」が加わったひと、何か発表するとなると「ミスを気にして、日頃の元気がどこへやら」だったのが「とにかくチャレンジする」ようになったひと・・・。いろいろとうれしい後日談でした。
 
《らくでん式・英語インプロ》は、今後も開催していきます。
“次回、子どもたちのためのワークショップは夏休みです!
 えっ、早くオトナ向けを? はい、プランいたします(笑)”by 辻野。
開催予定は決定しだい、
Facebook楽伝本ブログにてご案内していきます。

>>第2回《らくでん式・英語インプロワークショップ》はコチラ

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

2016年4月25日

【公開講座】スケジュール決定                 「中堅女性社員のための実践キャリア研修」

2016年度ダイバーシティ・マネージメント・カレッジ
『変化の時代のキャリアデザイン』を体感する1Dayワークショップ

昨年の模様を先般、本ブログでご紹介したところたいへん多くの方にお読みいただいた「中堅女性社員のための実践キャリア研修」。本企画の今年度スケジュールが発表されましたのでご案内します。

◆2016年度開催スケジュール
公益財団法人日本生産性本部主催
2016年度ダイバーシティ・マネージメント・カレッジ
『中堅女性社員のための実践キャリア研修』
《ワークショップ》 
 2016年11月29日(火)10:00~16:00
《個別面談候補日》 
 2016年11月30日(水)・12月1日(木)

*本研修はワークショップ型の1日研修と、ワークショップ
 担当講師との個別面談(30分間)から構成されます。
*1日研修・個別面談とも、東京・渋谷、公益財団法人日本生産性本部にて開催。


>>本年度企画の詳細はコチラの12ページへどうぞ。

◆『変化の時代のキャリアデザイン』と向き合う
従来の「キャリア観」とは別の視点を要する、「これから(=変化の激しい)の時代」のキャリア形成支援に重きをおいた本研修プログラムは、一日職場を離れ、「変化に対応する人材の持つべき態度と行動(=6C)」を知り、様々なライフイベントの選択とキャリア形成上の選択を自ら束ねて力を発揮し続けていくきっかけとなる機会を提供します。

楽伝理事・柴山純(株式会社伝耕・人財開発ファシリテータ)が水先案内人を務めます。

遠方からの参加や、時間短縮勤務を利用する方にも配慮した10時~16時のプログラム。当事者である中堅社員の方々から、ダイバーシティ推進・女性活躍推進・両立支援等の職責でキャリア開発支援のあり方に関心ある方々まで、多様な組織の様々なお立場から参加いただいています。

◆◇◆◇ ご参加者の声 ◇◆◇◆

日本生産性本部様は様々な
情報提供にも関わっておられます
「ひとりでモヤモヤしていた課題について話し合う中で見えた答えをもとに“まずは行動してみよう”と思えました。やってみたら違っているかもしれませんが“そのときはまた考え、相談し、解決していこう”とポジティブに考えるようになりました。」

「漠然としていた“ありたい姿”を具体的に表現でき、自分の目標のために「今、何から行動すべきか」明確になりました。今日キャリアビジョン実現に向けて立てた行動計画を必ず実行し、夢を叶えます。自分が今日感じることができたことを職場の女性社員たちにも共有したいです。」

「ワークを重ねていくことで、自分をむりなく見つめられました。今まで難しいと感じていたキャリアプランの作成が、今日はとても楽しくでき、自分の課題が明確になりました。」

「ポジティブ・アクションの推進担当ですが、今日は自身をみつめる機会にもなりました。これからのキャリア開発には、ワークだけでなくライフの視点を組み込んでキャリアビジョンを描く仕組みが必須ですね。」

**************************************************

◆『伝版®』を使った人財開発支援プログラム
本研修プログラムでは、「自らのキャリアと向き合う」という、ともすると重たいテーマゆえに意識変容やその結果としての行動変容が進みづらいことを1Dayで促進するために、思考・整理・伝達のコミュニケーション力をむりなく促進するグラフィックシート『伝版®』をふんだんに使用していきます。

楽伝のプログラムでお馴染みの伝版®』は、株式会社伝耕(参考:ワード解説の項)が開発し、その価値を営利企業のみならず社会貢献活動で利用できるようNPOである楽伝に、伝耕から貸与されております。現在、『伝版®』を活用した教育研修プログラム=通称『伝版®プログラムは、楽伝を通じてこども・学生の教育や地域振興等の社会事業に、また、株式会社伝耕を通じて営利企業・団体における社会人の人財開発や商品・サービス開発のために提供されています。

NPO楽伝と株式会社伝耕の双方を通じた活動により、『伝版®』はのべ3,000人(2015年12月末時点)を超える皆さまに利用いただきました。年々ますますその活用場面が広がっており、両法人の積極的連携により、いっそう多様な皆さまのお役に立つことを実感しています。

本研修プログラムは、こうした『伝版®』を使ってのキャリア形成支援プログラムにご関心をいただいております、NPO楽伝・株式会社伝耕のいずれのご縁の皆さまにも、『伝版®プログラムを体感いただける公開講座の機会でもあります。ぜひご活用ください。 


>>本年度企画の詳細はコチラの12ページへどうぞ。 

《ワード解説:株式会社伝耕》
2009年、マーケティングを軸に創業(代表:西道広美/楽伝・理事長)。のちにマーケティング視点での人財開発を通じての価値創造のサポートも開始する。伝耕のミッションは「ひきだし、ひもとき、組み立てるためのツールとノウハウを提供する」こと。「人」や「モノ」「サービス」の気づかれていない利点をぐぐっとひきだし、新たな視点で見直した要素を整理し世に問うことをお手伝いする会社として、人財開発、商品・サービス開発のサポートを行う。

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

2016年4月1日

シフトを楽しむ~新年度の始まりに寄せて

柳沢公民館(東京都 西東京市)プログラム、受講者募集スタート!
 
4月1日 一心寺参道 しっとりの桜だより
黄色い家 屋上からのお届けです
「未だ知らないこと(未知)」の領域が急速に広がっています。IT技術の指数的進化でそのスピードは増す一方です。
前回のブログでは、広大な未知と暮らす時代を想いながら「知識の位置づけが大きく変わっている」ことにふれました。人間の歴史で長らく重用されてきた「知っているということ」やその「知識の量」そして「既知のことを基に考えようとする、長年知らずと訓練され(あるいは自ら意図して磨いた)習慣化した力」
それらよりも「未知への無防備な好奇心」や「自分が知らないことを認め、多様な他者と
協働する意欲」を駆動する=《未知と向き合う力》の方が、個人にとって確かな『お宝』となる
時代に移りつつあります。

◆未知と向き合う力
そうした環境でも私たちは、長らく重用されてきた「知識の蓄積ありきの力(=従来型のお宝)」をまだ習慣的に優先稼働させているかもしれません。しかし、だれしも振り返れば、今ほどに変化が
激しくないあの頃(いま何歳のあなたにもあった「今よりもむかし」)にすでに、未知への好奇心からのアクションや多様性のなせるによって、それまでのカベを突破したり、心がぐっと動いた体験をもっているもの。もしその体験を内省し、次の未知へのチャレンジに活かす用意があるとすれば、その人の“宝箱”にはすでに《未知と向き合う力》が在るわけです。

変化がさらに加速する中「駆動させる力=お宝」を従来型からシフトしたいところですが、前回のブログにある「脳の“知識へのすがり機能”」の話からすると、シフトはあまり簡単ではないようです。長年の習慣を鑑みればやはり、「知らない」ということ自体が人間には大きなプレッシャーなのでしょう。個人差はあれど、一定努めて、意識的にシフトに取り組むことが必要です。

◆シフトを楽しむ
もし「知らない」「わからない」と向きあうことを、楽(ラク)に楽しめるスキルやツールを自分が持っていて、運用した経験があるとしたらどうでしょうか。意外と大きな安心感につながり、
「知らない」をより楽しむ自分へ、シフトしやすいかも!

自然をモチーフにした
伝版®の例
そうした楽(ラク)に楽しめるをサポートするツールが楽伝の提供するもののひとつ、伝版®です。
折しも新年度が始まる本日。東京都西東京市の柳沢公民館で開催される、伝版®を使いながらライフステージの節目にキャリアの再構築を楽しむ企画の【受講者募集】がスタートしています。連続講座全11回のうち、ライフキャリアデザインに関わる計5回のワークショップを楽伝のファシリテータが担当します。

ワークショップでは、今だから標準装備したい《キャリアデザイン》の考え方にふれ、人生をデザインする力”を楽しく育んでいきます。おとなたちが毎週楽しむひととき、こどもたちも柳沢公民館の保育室でのびのびと“自分時間”を重ねます。約3か月の間、講座での仲間とのひとときと日常生活を交互に重ね、おとなもこどももシフトしていきます。
 
 ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◆◇

《東京都西東京市・柳沢公民館主催 子育てを始めた女性のための連続講座》
 期間:2016年4月27日(水)~7月13日(水)
      10時~12時(全11回)
 場所:東京都西東京市 柳沢公民館
 対象:西東京市 市内在住の第1子が6ヶ月以上4歳未満の女性
 定員:18名(申込み多数の場合は抽選)
 申込:2016年4/13(水)正午まで、柳沢公民館にて【電話にて受付
 *詳細はコチラ(西東京市ホームページ)
 (注)本企画は、上記「対象」に該当する方のみ申込み可能です。

 ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◆◇

この柳沢公民館さんの企画では毎年講座終了後も、参加した皆さんが公民館を拠点に自主的に集って活動されるなど、講座期間中にとどまらない拡がりがうまれています。以前のブログでご紹介したように、ときには楽伝のファシリテータが、OGの皆さんの集いに招かれライフキャリアデザインをお手伝いさせていただくことも!

本ブログならびにFacebook楽伝では、教育の場やコミュニティでの楽伝のさまざまな活動を、今後も随時ご紹介していきます。

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

2016年3月17日

楽しむことの価値

創造的活動が生まれる磁場づくりへ

「知識」の位置づけが大きく変わろうとしています。
知識は「蓄える」という動詞とセットで語られ、その主語は「人間」であり、長らくそれが個人の
価値を決める重要な基準。だからこそ人々は知識を貪欲に求め、蓄え、知識があることで称賛され、尊敬され、或いは早く昇進し、商売すれば成功し、自信もつく・・・「知識を司る」は人間の特権。
ーこうしたことも過去の話となるでしょう。

仁王(一心寺)と向き合い
人間らしい行(生)き方を想う
知識は「蓄える」ものから、絶えず「更新」するものへ。そんな時代の到来です。莫大なデータ、ノウハウ、分析、マクロな対象からミクロな対象までの適用等々についてのあらゆる知識。そしてその巨大な「蓄積」と同時に始まるすさまじいスピードでの「更新」。人間ではもう手に負えません。
AI(Artificial Intelligence)が知識を
司る主体となる時代がすぐそこまで来ています。

◆「人間の仕事」とは何か?
人々のキャリア開発支援を軸に展開してきた我ら楽伝は、昨夏のブログエントリーで
「人間の仕事」とは何か?という問いかけを行い、その問いを意識した活動をも展開していくことをお知らせしました。AIの進化により、「人間の仕事」の種類・中身が変わることは必至。その時、人間は知識ではない何を司るのでしょうか?

AIArtificial Intelligence)の“I=Intelligenceの出現を前提とした未来予想の多くの記述では、人間が司るものは「創造的活動」であるとされていました。
折しも、「囲碁界の魔王」とまで呼ばれたイ・セドル九段が、グーグル系列会社が開発したAlphaGoというプログラムとの5番勝負で負け越したことが話題になっています。AlphaGoは、「過去の棋譜の膨大な分析による判断」を身につけ、その「判断」を身につけたプログラム同士が戦うことによってさらに「実戦経験」を積み、「新たな判断の形を見つけていく」という形で強くなったと言われています。ここでのポイントはAlphaGoが「新たな判断の形を見つけていく」能力を有することであり、それはもう人間固有の能力であると「信じたかった」創造力という領域に踏み込んでいることを意味します。
つまり、AIはすでにある種の「創造的活動」を実践する存在なのです。

◆楽伝の考える「人間の創造的活動」
AIがある種の創造的活動を実践する存在ならば、「人間の創造的活動」とは何か?
AlphaGoの勝利により、この新たな問いが生まれました。(今のところは人間によってもたらされている)全世界の「知」がこの問いにチャレンジすべく議論が沸き起こるでしょう。
問いに対する直接の解ではないものの、関わる答えの一つは「人が《遊ぶ》こと」の中にある、と
楽伝は考えます。
「人は一生涯、遊び続ける態度を持ち、行動することで、AIとの存在を分かつ」と。

AIは《遊ぶ》?
いえ、AIはミッションを前提とした試行錯誤までが限界でその先はないでしょう(もしくは「今のところは人類の幸せのために」そうあるべきと信じましょう)。
しかし人間は、ミッションを越えて《遊ぶ》。《遊び》はミッションにではなく、人間の内発的な動機に紐づいているので、決まったルールや枠組みをやすやすと越える。この《遊び》の存在が「AIが想定する領域内では不可能な何か新しいことをAIよりも早く生み出す」素地、つまり「人間らしい創造性」を耕すことにつながると考えています。

《遊ぶ》ことは言い換えれば、試行錯誤を「楽しみながら続ける」プロセスです。あるルールの下にあってスコープが明確な範囲で何かを続けるのではなく、内発的に動機付けられ、直感に支えられ、あれはどうか、これをしたらどうなるか、予期されない展開を次々と呼び込み、新しい何かを生み出していきます。

子どもは遊びながら、試行錯誤を経て、さまざまなことを楽しんで学び、生きていく術を身に着けていきます。いきいきと遊ぶ子どもは疲れを知らず、実にはつらつとしています。
ところが大人になると「あまり遊ばなくなる」。つまり、生きていく術が「“知識”のセット」として「蓄積」されたまま更新されない。世の中は変わり、下手をすればこれまでの知識が己の足かせになりかねない場合でも、「知識にすがり」遊びを忘れた存在は、楽しんで試行錯誤することをせず、新たな学びと成長の機会を失います。

◆「知識にすがる」をコントロールする
この「知識にすがる」という行動は、どうやら人間の脳の機能と関連しているようです。最近の神経科学研究によれば、人間の脳が最適な機能を果たすには「確信」が必要であり、対して「不確実性」は負荷となります。つまり、人間の脳は常に答えを求めており、「知識にすがるようにできている」のです。
 
カリフォルニア大学の心理科学者マイケル・ガザニカはこの理論の裏付けとして、左脳・右脳の接続を分断する手術を受けた患者を調査し、各半球に同じ実験をしたところ、左脳に「インタープリター(通訳)」と呼ばれる神経ネットワークが存在することを見出しました。左脳は常に解釈を行っており、望むと望まざるにかかわらず、「いつでも秩序と理屈を探している。(たとえそれが存在しない場合でも)」という状態を保持しています。
 
知識を司る存在がAI。そして(AIを作り出した存在である)人間が知識にすがってしまう機能を有しているとしたら、この「すがり機能」をコントロールしないかぎり、「人間の仕事」は消えていくのみです。「知識を標榜し、その組み合わせの中に留まる創造性」である限りにおいては、囲碁の勝負で明らかになったように、AIの方が人間よりも優秀なのですから。

「知識にすがる」のではなく、人間は「ある目的のために」活用する「何か」を、AIよりも早く見つけ続ける存在であるべきです。そのためには、AIが司る知識ではカバーしえない「未知のこと」「不確実なこと」にも取り組む「動機」を保ちつづける=つまり《遊ぶ》ことが、人間存在の根幹に関わるだろうと想定しています。
 
いかがでしょう。「人は一生涯、遊び続ける態度を持ち、行動することで、AIとの存在を分かつ」などと楽伝が大真面目に答えた意味はもうおわかりでしょう。内発的に動機付けられた状態「楽しく取り組む」という《遊び》の要素が、人間らしく生きる「何か」の発見につながっている。その「何か」が、「人間の仕事=人間らしい仕事」の創出を招く、と我らは考えているわけです。

こうして、名前の最初の一文字にの字をもつ我ら楽伝は、ビジネスや教育の場におけるキャリア開発を軸としたの訴求に留まらず、さらに「楽しさ」の要素を強く訴求する活動へと領域を広げ始めています。 手始めとして、人間が生まれ、育まれる「家庭や地域」といったコミュニティに関わる「遊びの場」を作り、その遊びの場を「創造的活動の磁場」と位置づけ、皆さんと一緒に楽しさを見出し、その体験を発信していく活動を開始しました。
「人間らしい生き方」と、「人間の仕事」とは、従来のビジネスの場で生まれるのではなく、人が育まれ生きていくリアルな場にそもそもあるのではないかという直観を軸に試行錯誤を楽しみます。
今後そんなチャレンジの模様についてもブログでご紹介していきたいと思っております。

理事長 西道 広美 拝

 

2016年2月17日

開催報告「中堅女性のための実践キャリア研修(12月7~9日)」

『変化の時代のキャリアデザイン』を体感するワークショップ&個別面談

冬のある朝10時、東京・渋谷。公益財団法人日本生産性本部の研修ルームです。
福島、富山、東京、愛知、広島・・・
各地から集ったのは、食品・化学・IT・医療・重工業・流通・不動産など、異業種10社で働く18名の女性たち。ライフステージやキャリアの変遷・専門性もさまざまな皆さんと、楽伝理事・柴山純がファシリテータとしてご一緒する「中堅女性のための実践キャリア研修」が始まりました。

◆「個人」も変わりゆく
初開催から4年。本研修の模様も、この間の時代の変化を映し、年々変容してきました。
たとえば当初は、育児休業や転職・再就職の経験をもつご参加者はごく少数でした。「初めての異動を控えています」「ライフイベントを考え始めている」「仕事に専念して充実感あるが先のことは漠然としている」「行ってこいと人事にいわれました」など、よくおききしました。

今はどうでしょう?
育児休業からの復帰、転職や再就職、遠隔の上司や在宅ワーク者との協働など、多様な働き方を多くの方が経験済み。時短、職種転換、転勤、希望しての専門性の垣根を越えた異動、契約形態や配置転換への呼応など、キャリア継続のために柔軟な働き方を、自ら働きかけて実現している方々も。研修への参加経緯も、自分から多くの選択肢を吟味して選び、上司・人事部等の承認をとりつけて申し込んだという方が増えつつあります。

先日2月10日に公表された「第7回コア人材としての女性社員育成に関する調査(注)」の結果概要によれば、企業の《女性活躍推進の取り組みで進展しているもの(3年前と比較)》の上位2番目として「出産・育児明けに就業する女性社員が増えること」が挙がりました。《女性社員の行動に変化が表れているもの(3年前と比較)》としての上位回答は、「仕事のレベルが上がったり、仕事の範囲が広がった女性が増えた」「自分のキャリアアップのため、社内外の研修等への参加が増えた」「責任の重い仕事・リスクのある仕事を受け入れる女性が増えた」と続きます。また、《女性社員の意識を高めるための取り組み》として「チャレンジャブルな仕事機会を与えている」「仕事の幅を広げるような異動や転勤等の機会を与えている」とした企業は4割を超えました。
(注)「コア人材としての女性社員育成に関する調査」:公益財団法人日本生産性本部が2009年から毎年実施。第7回は上場・非上場企業587社が回答。
「女性社員の意識」はなお「管理職の理解・関心」などとともに引き続き課題とされるものながら、この「中堅女性のための実践キャリア研修」での4年間を通じては、キャリアを自ら拓く時代にふさわしく、個人の意欲と組織の働きかけがかみあって、キャリアと向き合う「態度」と「行動」が磨かれつつある場がたしかに増えていることを感じます。

◆まずは『好奇心』を駆動!
本プログラムは、『伝版®(参照:ワード解説)』を活用した「1Dayワークショップ」+「個別相談」の構成です。
ワークショップは、プログラムが変化に応じ、場に応じ、徹底カスタマイズされる楽伝ならではのキャリアデザインプログラム。「従来のキャリア観」とは別の視点を要する「これから=変化の激しい時代」にキャリアを拓く上で大切な要素を、その現場に応じたキーワードでハイライトします。

今回取り上げたキーワードの1つは『好奇心』。楽伝が「変化に対応する人財の持つべき態度行動」として提唱する【6C:①Curiosity(好奇心)、②Concern(関心)、③Control(コントロール)、④Confidence(自信)という4つの態度と、Cooperation(協働)、⑥Conversion(転換)という2つの行動のセット】の筆頭に挙げる要素です。『好奇心』のもつパワーを理解し、自らのそれを自覚して内なる資源とする、そうしたワークから今回はスタートしました。
 
◆実践、キャリアデザイン
ワークショップでは、所属組織・専門・キャリアの長さなど、あえてシャッフルした多様なメンバーからなるグループで、一日コミュニケーションを深め、自分と異なる視点・価値観を体感しながら、自分ならではのキャリア観(働き続けることへの内発的動機)を再発見いただきました。ライフとワークを積極的に統合してキャリアデザインを実践してみる工程では、《思考・整理・伝達のコミュニケーション力》をむりなく引き出すグラフィックシート『伝版®』を使い、自他(自分自身と自分をとりまく環境)の探索と、グループメンバーとの刺激交換を重ねます。
 
この公開講座ならではの魅力ですが、参加メンバーが内包する多様性がたいへん大きいことから学びの質が高まります。面識のない《他人》であるご参加者同士ですが、楽伝ファシリテータの水先案内により、互いの「多様性」へ安全に触れ、時に感動するうちに尊重の想いを高め、助けあうチームへとなっていきます。グループ交流を重ねるなかで、メンバーの多様な知識・経験・考え方に基づいて提供されるヒントが、一人ひとりの「明日からの行動」のための決意とプランニングに役立ちます。ご参加者自身が《主役》となり、キャリア形成への「意欲」を醸成しながら、現在地から次の地点へと「行動」をおこすことを促進する場、それが「1Dayワークショップ」です。

◆「アクション」を確かなものに
さて、ワークショプ後にはおひとり30分間の「個別相談」です。
「あなたの時間ですよ~」とのファシリテータの声掛けで始まるとおり、主役は参加者ご自身!
研修をその日限りにとどめず、明日からの「アクション」を確かなものにすべく、各自トピックを提示いただいてのキャリアカウンセリングとなりました。
 
とえば、ワークショップでの疑問を解決する、ファシリテータから情報収集してプランを具体化する、対処法が見つからなかった課題を検討する、ワークショップでは話しづらかった問題を相談する、社外リソースについて情報収集するなど、どれも歓迎です。
最近は「今回学んで気づいたことを他の社員や経営層、人事等に共有し、変化をおこしていきたい!」という決意宣言とともにのご相談も増えています。数週間後に、行動計画を実行しての手ごたえや、ネットワーク立ち上げをめざして働きかけを始めたという経過報告など、うれしいお知らせをいただくこともあります。”  --- by 楽伝理事・柴山

◇◆◇ これまでのご参加者の声 ◆◇
「書き出し、発言し、今後3年間でどんな役割を果たしたいか、実は自分に想いがあったと気づきびっくりしました」

「先のことを考えることが楽しい作業だと、初めて思いました。皆さんとの交流と、伝版で楽しくワークを重ねるうちに、モチベーションがわいてきました」

「皆さんに承認いただいて、短所だと思っていた側面をとらえなおすことができました。これからは課題克服にチャレンジするための、むしろ強みとして活かします」

「身近にロールモデルがなく、異業種、異年代で職責・環境の異なる皆さんとの交流が宝のような経験!共感と発見がいっぱいでした」

「職責がらキャリアデザインは経験済みですが、今回取り組んで、まだ具体化できていなかったと自覚しました」

「自分が今日感じたようなモチベーションを、後輩女性社員たちが感じる機会をつくりたいです。まずは上司にレポートとともにしっかり報告し、後輩たちに共有する機会を実現します」

「毎日目の前の業務で必死でしたが、弊社で女性社員がもっと活躍できるよう、前の会社での経験も活かして私が働きかけられることがある、と今日一日でいくつも書き出しました」
◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◆◇ ◆◇

◆2016年度に向けて
本研修の場でご参加者が取り組まれたように、たとえば「ライフとワークを従来以上に積極統合し、個人の内発的動機をひきだす」ものへ、そして「多様性に学び、柔軟に軌道修正して行動できるしなやかな自分を養う」ものへ、と。『キャリアデザイン』のめざすあり様は、変化の時代にあっての必然として、変わってきました。《個人=人財》がこの時代に自らの力を発揮しキャリアを拓く上で必須となる『キャリアデザイン力=自分のキャリアをプロデュースする力』を標準装備することにより、個々人のかけがえのない人生を輝かせることのできる未来の実現に向け、楽伝は2016年度もさまざまな社会教育の現場で活動してまいります。

2016年度ダイバーシティ・マネージメント・カレッジ 『中堅女性社員のための実践キャリア研修』(主催:公益財団法人日本生産性本部)は11月に開催予定です。新年度を迎えましたら、当ブログでもあらためて日程などご案内してまいります。
なお、本研修企画は、《思考・整理・伝達のコミュニケーション力》を育むグラフィックシート『伝版®』を活用したプログラムを、キャリアデザイン・ワークショップを通じて体感いただける「公開講座」でもあります。『伝版®』を活用したプログラムにご関心がおありの方は、ぜひこの機会をご活用ください。
【ご参考】2015年度の本研修(開催済み)概要はコチラ

*ワード解説:『伝版®
『伝版®』とは「伝えるための版」を表す造語で、楽(ラク)に
楽しく、気持ちや考えをひきだし、ひもとき、くみたてることができる「コミュニケーションの型紙」を意味します。商品開発、人財開発、ビジネス構築をはじめ、多様な目的のセミナーや会議等のテーマに沿って、カスタマイズされたプログラムの中でツールとして提供され、自然をモチーフにしたユニバーサルなグラフィックが《思考・整理・伝達》を促進してくれます。
『伝版®は、その価値を営利企業のみならず社会教育と地域振興の領域においても積極利用できるよう、NPO法人である楽伝に、
開発者である株式会社伝耕から貸与されております。
楽伝と伝耕の双方を通じたプログラム開発と実践により、『伝版®はのべ3,000人(2015年12月末時点)を超える皆さまに利用いただきました。

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

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