2016年4月25日

【公開講座】スケジュール決定                 「中堅女性社員のための実践キャリア研修」

2016年度ダイバーシティ・マネージメント・カレッジ
『変化の時代のキャリアデザイン』を体感する1Dayワークショップ

昨年の模様を先般、本ブログでご紹介したところたいへん多くの方にお読みいただいた「中堅女性社員のための実践キャリア研修」。本企画の今年度スケジュールが発表されましたのでご案内します。

◆2016年度開催スケジュール
公益財団法人日本生産性本部主催
2016年度ダイバーシティ・マネージメント・カレッジ
『中堅女性社員のための実践キャリア研修』
《ワークショップ》 
 2016年11月29日(火)10:00~16:00
《個別面談候補日》 
 2016年11月30日(水)・12月1日(木)

*本研修はワークショップ型の1日研修と、ワークショップ
 担当講師との個別面談(30分間)から構成されます。
*1日研修・個別面談とも、東京・渋谷、公益財団法人日本生産性本部にて開催。


>>本年度企画の詳細はコチラの12ページへどうぞ。

◆『変化の時代のキャリアデザイン』と向き合う
従来の「キャリア観」とは別の視点を要する、「これから(=変化の激しい)の時代」のキャリア形成支援に重きをおいた本研修プログラムは、一日職場を離れ、「変化に対応する人材の持つべき態度と行動(=6C)」を知り、様々なライフイベントの選択とキャリア形成上の選択を自ら束ねて力を発揮し続けていくきっかけとなる機会を提供します。

楽伝理事・柴山純(株式会社伝耕・人財開発ファシリテータ)が水先案内人を務めます。

遠方からの参加や、時間短縮勤務を利用する方にも配慮した10時~16時のプログラム。当事者である中堅社員の方々から、ダイバーシティ推進・女性活躍推進・両立支援等の職責でキャリア開発支援のあり方に関心ある方々まで、多様な組織の様々なお立場から参加いただいています。

◆◇◆◇ ご参加者の声 ◇◆◇◆

日本生産性本部様は様々な
情報提供にも関わっておられます
「ひとりでモヤモヤしていた課題について話し合う中で見えた答えをもとに“まずは行動してみよう”と思えました。やってみたら違っているかもしれませんが“そのときはまた考え、相談し、解決していこう”とポジティブに考えるようになりました。」

「漠然としていた“ありたい姿”を具体的に表現でき、自分の目標のために「今、何から行動すべきか」明確になりました。今日キャリアビジョン実現に向けて立てた行動計画を必ず実行し、夢を叶えます。自分が今日感じることができたことを職場の女性社員たちにも共有したいです。」

「ワークを重ねていくことで、自分をむりなく見つめられました。今まで難しいと感じていたキャリアプランの作成が、今日はとても楽しくでき、自分の課題が明確になりました。」

「ポジティブ・アクションの推進担当ですが、今日は自身をみつめる機会にもなりました。これからのキャリア開発には、ワークだけでなくライフの視点を組み込んでキャリアビジョンを描く仕組みが必須ですね。」

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◆『伝版®』を使った人財開発支援プログラム
本研修プログラムでは、「自らのキャリアと向き合う」という、ともすると重たいテーマゆえに意識変容やその結果としての行動変容が進みづらいことを1Dayで促進するために、思考・整理・伝達のコミュニケーション力をむりなく促進するグラフィックシート『伝版®』をふんだんに使用していきます。

楽伝のプログラムでお馴染みの伝版®』は、株式会社伝耕(参考:ワード解説の項)が開発し、その価値を営利企業のみならず社会貢献活動で利用できるようNPOである楽伝に、伝耕から貸与されております。現在、『伝版®』を活用した教育研修プログラム=通称『伝版®プログラムは、楽伝を通じてこども・学生の教育や地域振興等の社会事業に、また、株式会社伝耕を通じて営利企業・団体における社会人の人財開発や商品・サービス開発のために提供されています。

NPO楽伝と株式会社伝耕の双方を通じた活動により、『伝版®』はのべ3,000人(2015年12月末時点)を超える皆さまに利用いただきました。年々ますますその活用場面が広がっており、両法人の積極的連携により、いっそう多様な皆さまのお役に立つことを実感しています。

本研修プログラムは、こうした『伝版®』を使ってのキャリア形成支援プログラムにご関心をいただいております、NPO楽伝・株式会社伝耕のいずれのご縁の皆さまにも、『伝版®プログラムを体感いただける公開講座の機会でもあります。ぜひご活用ください。 


>>本年度企画の詳細はコチラの12ページへどうぞ。 

《ワード解説:株式会社伝耕》
2009年、マーケティングを軸に創業(代表:西道広美/楽伝・理事長)。のちにマーケティング視点での人財開発を通じての価値創造のサポートも開始する。伝耕のミッションは「ひきだし、ひもとき、組み立てるためのツールとノウハウを提供する」こと。「人」や「モノ」「サービス」の気づかれていない利点をぐぐっとひきだし、新たな視点で見直した要素を整理し世に問うことをお手伝いする会社として、人財開発、商品・サービス開発のサポートを行う。

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

2016年4月1日

シフトを楽しむ~新年度の始まりに寄せて

柳沢公民館(東京都 西東京市)プログラム、受講者募集スタート!
 
4月1日 一心寺参道 しっとりの桜だより
黄色い家 屋上からのお届けです
「未だ知らないこと(未知)」の領域が急速に広がっています。IT技術の指数的進化でそのスピードは増す一方です。
前回のブログでは、広大な未知と暮らす時代を想いながら「知識の位置づけが大きく変わっている」ことにふれました。人間の歴史で長らく重用されてきた「知っているということ」やその「知識の量」そして「既知のことを基に考えようとする、長年知らずと訓練され(あるいは自ら意図して磨いた)習慣化した力」
それらよりも「未知への無防備な好奇心」や「自分が知らないことを認め、多様な他者と
協働する意欲」を駆動する=《未知と向き合う力》の方が、個人にとって確かな『お宝』となる
時代に移りつつあります。

◆未知と向き合う力
そうした環境でも私たちは、長らく重用されてきた「知識の蓄積ありきの力(=従来型のお宝)」をまだ習慣的に優先稼働させているかもしれません。しかし、だれしも振り返れば、今ほどに変化が
激しくないあの頃(いま何歳のあなたにもあった「今よりもむかし」)にすでに、未知への好奇心からのアクションや多様性のなせるによって、それまでのカベを突破したり、心がぐっと動いた体験をもっているもの。もしその体験を内省し、次の未知へのチャレンジに活かす用意があるとすれば、その人の“宝箱”にはすでに《未知と向き合う力》が在るわけです。

変化がさらに加速する中「駆動させる力=お宝」を従来型からシフトしたいところですが、前回のブログにある「脳の“知識へのすがり機能”」の話からすると、シフトはあまり簡単ではないようです。長年の習慣を鑑みればやはり、「知らない」ということ自体が人間には大きなプレッシャーなのでしょう。個人差はあれど、一定努めて、意識的にシフトに取り組むことが必要です。

◆シフトを楽しむ
もし「知らない」「わからない」と向きあうことを、楽(ラク)に楽しめるスキルやツールを自分が持っていて、運用した経験があるとしたらどうでしょうか。意外と大きな安心感につながり、
「知らない」をより楽しむ自分へ、シフトしやすいかも!

自然をモチーフにした
伝版®の例
そうした楽(ラク)に楽しめるをサポートするツールが楽伝の提供するもののひとつ、伝版®です。
折しも新年度が始まる本日。東京都西東京市の柳沢公民館で開催される、伝版®を使いながらライフステージの節目にキャリアの再構築を楽しむ企画の【受講者募集】がスタートしています。連続講座全11回のうち、ライフキャリアデザインに関わる計5回のワークショップを楽伝のファシリテータが担当します。

ワークショップでは、今だから標準装備したい《キャリアデザイン》の考え方にふれ、人生をデザインする力”を楽しく育んでいきます。おとなたちが毎週楽しむひととき、こどもたちも柳沢公民館の保育室でのびのびと“自分時間”を重ねます。約3か月の間、講座での仲間とのひとときと日常生活を交互に重ね、おとなもこどももシフトしていきます。
 
 ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◆◇

《東京都西東京市・柳沢公民館主催 子育てを始めた女性のための連続講座》
 期間:2016年4月27日(水)~7月13日(水)
      10時~12時(全11回)
 場所:東京都西東京市 柳沢公民館
 対象:西東京市 市内在住の第1子が6ヶ月以上4歳未満の女性
 定員:18名(申込み多数の場合は抽選)
 申込:2016年4/13(水)正午まで、柳沢公民館にて【電話にて受付
 *詳細はコチラ(西東京市ホームページ)
 (注)本企画は、上記「対象」に該当する方のみ申込み可能です。

 ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◆◇

この柳沢公民館さんの企画では毎年講座終了後も、参加した皆さんが公民館を拠点に自主的に集って活動されるなど、講座期間中にとどまらない拡がりがうまれています。以前のブログでご紹介したように、ときには楽伝のファシリテータが、OGの皆さんの集いに招かれライフキャリアデザインをお手伝いさせていただくことも!

本ブログならびにFacebook楽伝では、教育の場やコミュニティでの楽伝のさまざまな活動を、今後も随時ご紹介していきます。

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

2016年3月17日

楽しむことの価値

創造的活動が生まれる磁場づくりへ

「知識」の位置づけが大きく変わろうとしています。
知識は「蓄える」という動詞とセットで語られ、その主語は「人間」であり、長らくそれが個人の
価値を決める重要な基準。だからこそ人々は知識を貪欲に求め、蓄え、知識があることで称賛され、尊敬され、或いは早く昇進し、商売すれば成功し、自信もつく・・・「知識を司る」は人間の特権。
ーこうしたことも過去の話となるでしょう。

仁王(一心寺)と向き合い
人間らしい行(生)き方を想う
知識は「蓄える」ものから、絶えず「更新」するものへ。そんな時代の到来です。莫大なデータ、ノウハウ、分析、マクロな対象からミクロな対象までの適用等々についてのあらゆる知識。そしてその巨大な「蓄積」と同時に始まるすさまじいスピードでの「更新」。人間ではもう手に負えません。
AI(Artificial Intelligence)が知識を
司る主体となる時代がすぐそこまで来ています。

◆「人間の仕事」とは何か?
人々のキャリア開発支援を軸に展開してきた我ら楽伝は、昨夏のブログエントリーで
「人間の仕事」とは何か?という問いかけを行い、その問いを意識した活動をも展開していくことをお知らせしました。AIの進化により、「人間の仕事」の種類・中身が変わることは必至。その時、人間は知識ではない何を司るのでしょうか?

AIArtificial Intelligence)の“I=Intelligenceの出現を前提とした未来予想の多くの記述では、人間が司るものは「創造的活動」であるとされていました。
折しも、「囲碁界の魔王」とまで呼ばれたイ・セドル九段が、グーグル系列会社が開発したAlphaGoというプログラムとの5番勝負で負け越したことが話題になっています。AlphaGoは、「過去の棋譜の膨大な分析による判断」を身につけ、その「判断」を身につけたプログラム同士が戦うことによってさらに「実戦経験」を積み、「新たな判断の形を見つけていく」という形で強くなったと言われています。ここでのポイントはAlphaGoが「新たな判断の形を見つけていく」能力を有することであり、それはもう人間固有の能力であると「信じたかった」創造力という領域に踏み込んでいることを意味します。
つまり、AIはすでにある種の「創造的活動」を実践する存在なのです。

◆楽伝の考える「人間の創造的活動」
AIがある種の創造的活動を実践する存在ならば、「人間の創造的活動」とは何か?
AlphaGoの勝利により、この新たな問いが生まれました。(今のところは人間によってもたらされている)全世界の「知」がこの問いにチャレンジすべく議論が沸き起こるでしょう。
問いに対する直接の解ではないものの、関わる答えの一つは「人が《遊ぶ》こと」の中にある、と
楽伝は考えます。
「人は一生涯、遊び続ける態度を持ち、行動することで、AIとの存在を分かつ」と。

AIは《遊ぶ》?
いえ、AIはミッションを前提とした試行錯誤までが限界でその先はないでしょう(もしくは「今のところは人類の幸せのために」そうあるべきと信じましょう)。
しかし人間は、ミッションを越えて《遊ぶ》。《遊び》はミッションにではなく、人間の内発的な動機に紐づいているので、決まったルールや枠組みをやすやすと越える。この《遊び》の存在が「AIが想定する領域内では不可能な何か新しいことをAIよりも早く生み出す」素地、つまり「人間らしい創造性」を耕すことにつながると考えています。

《遊ぶ》ことは言い換えれば、試行錯誤を「楽しみながら続ける」プロセスです。あるルールの下にあってスコープが明確な範囲で何かを続けるのではなく、内発的に動機付けられ、直感に支えられ、あれはどうか、これをしたらどうなるか、予期されない展開を次々と呼び込み、新しい何かを生み出していきます。

子どもは遊びながら、試行錯誤を経て、さまざまなことを楽しんで学び、生きていく術を身に着けていきます。いきいきと遊ぶ子どもは疲れを知らず、実にはつらつとしています。
ところが大人になると「あまり遊ばなくなる」。つまり、生きていく術が「“知識”のセット」として「蓄積」されたまま更新されない。世の中は変わり、下手をすればこれまでの知識が己の足かせになりかねない場合でも、「知識にすがり」遊びを忘れた存在は、楽しんで試行錯誤することをせず、新たな学びと成長の機会を失います。

◆「知識にすがる」をコントロールする
この「知識にすがる」という行動は、どうやら人間の脳の機能と関連しているようです。最近の神経科学研究によれば、人間の脳が最適な機能を果たすには「確信」が必要であり、対して「不確実性」は負荷となります。つまり、人間の脳は常に答えを求めており、「知識にすがるようにできている」のです。
 
カリフォルニア大学の心理科学者マイケル・ガザニカはこの理論の裏付けとして、左脳・右脳の接続を分断する手術を受けた患者を調査し、各半球に同じ実験をしたところ、左脳に「インタープリター(通訳)」と呼ばれる神経ネットワークが存在することを見出しました。左脳は常に解釈を行っており、望むと望まざるにかかわらず、「いつでも秩序と理屈を探している。(たとえそれが存在しない場合でも)」という状態を保持しています。
 
知識を司る存在がAI。そして(AIを作り出した存在である)人間が知識にすがってしまう機能を有しているとしたら、この「すがり機能」をコントロールしないかぎり、「人間の仕事」は消えていくのみです。「知識を標榜し、その組み合わせの中に留まる創造性」である限りにおいては、囲碁の勝負で明らかになったように、AIの方が人間よりも優秀なのですから。

「知識にすがる」のではなく、人間は「ある目的のために」活用する「何か」を、AIよりも早く見つけ続ける存在であるべきです。そのためには、AIが司る知識ではカバーしえない「未知のこと」「不確実なこと」にも取り組む「動機」を保ちつづける=つまり《遊ぶ》ことが、人間存在の根幹に関わるだろうと想定しています。
 
いかがでしょう。「人は一生涯、遊び続ける態度を持ち、行動することで、AIとの存在を分かつ」などと楽伝が大真面目に答えた意味はもうおわかりでしょう。内発的に動機付けられた状態「楽しく取り組む」という《遊び》の要素が、人間らしく生きる「何か」の発見につながっている。その「何か」が、「人間の仕事=人間らしい仕事」の創出を招く、と我らは考えているわけです。

こうして、名前の最初の一文字にの字をもつ我ら楽伝は、ビジネスや教育の場におけるキャリア開発を軸としたの訴求に留まらず、さらに「楽しさ」の要素を強く訴求する活動へと領域を広げ始めています。 手始めとして、人間が生まれ、育まれる「家庭や地域」といったコミュニティに関わる「遊びの場」を作り、その遊びの場を「創造的活動の磁場」と位置づけ、皆さんと一緒に楽しさを見出し、その体験を発信していく活動を開始しました。
「人間らしい生き方」と、「人間の仕事」とは、従来のビジネスの場で生まれるのではなく、人が育まれ生きていくリアルな場にそもそもあるのではないかという直観を軸に試行錯誤を楽しみます。
今後そんなチャレンジの模様についてもブログでご紹介していきたいと思っております。

理事長 西道 広美 拝

 

2016年2月17日

開催報告「中堅女性のための実践キャリア研修(12月7~9日)」

『変化の時代のキャリアデザイン』を体感するワークショップ&個別面談

冬のある朝10時、東京・渋谷。公益財団法人日本生産性本部の研修ルームです。
福島、富山、東京、愛知、広島・・・
各地から集ったのは、食品・化学・IT・医療・重工業・流通・不動産など、異業種10社で働く18名の女性たち。ライフステージやキャリアの変遷・専門性もさまざまな皆さんと、楽伝理事・柴山純がファシリテータとしてご一緒する「中堅女性のための実践キャリア研修」が始まりました。

◆「個人」も変わりゆく
初開催から4年。本研修の模様も、この間の時代の変化を映し、年々変容してきました。
たとえば当初は、育児休業や転職・再就職の経験をもつご参加者はごく少数でした。「初めての異動を控えています」「ライフイベントを考え始めている」「仕事に専念して充実感あるが先のことは漠然としている」「行ってこいと人事にいわれました」など、よくおききしました。

今はどうでしょう?
育児休業からの復帰、転職や再就職、遠隔の上司や在宅ワーク者との協働など、多様な働き方を多くの方が経験済み。時短、職種転換、転勤、希望しての専門性の垣根を越えた異動、契約形態や配置転換への呼応など、キャリア継続のために柔軟な働き方を、自ら働きかけて実現している方々も。研修への参加経緯も、自分から多くの選択肢を吟味して選び、上司・人事部等の承認をとりつけて申し込んだという方が増えつつあります。

先日2月10日に公表された「第7回コア人材としての女性社員育成に関する調査(注)」の結果概要によれば、企業の《女性活躍推進の取り組みで進展しているもの(3年前と比較)》の上位2番目として「出産・育児明けに就業する女性社員が増えること」が挙がりました。《女性社員の行動に変化が表れているもの(3年前と比較)》としての上位回答は、「仕事のレベルが上がったり、仕事の範囲が広がった女性が増えた」「自分のキャリアアップのため、社内外の研修等への参加が増えた」「責任の重い仕事・リスクのある仕事を受け入れる女性が増えた」と続きます。また、《女性社員の意識を高めるための取り組み》として「チャレンジャブルな仕事機会を与えている」「仕事の幅を広げるような異動や転勤等の機会を与えている」とした企業は4割を超えました。
(注)「コア人材としての女性社員育成に関する調査」:公益財団法人日本生産性本部が2009年から毎年実施。第7回は上場・非上場企業587社が回答。
「女性社員の意識」はなお「管理職の理解・関心」などとともに引き続き課題とされるものながら、この「中堅女性のための実践キャリア研修」での4年間を通じては、キャリアを自ら拓く時代にふさわしく、個人の意欲と組織の働きかけがかみあって、キャリアと向き合う「態度」と「行動」が磨かれつつある場がたしかに増えていることを感じます。

◆まずは『好奇心』を駆動!
本プログラムは、『伝版®(参照:ワード解説)』を活用した「1Dayワークショップ」+「個別相談」の構成です。
ワークショップは、プログラムが変化に応じ、場に応じ、徹底カスタマイズされる楽伝ならではのキャリアデザインプログラム。「従来のキャリア観」とは別の視点を要する「これから=変化の激しい時代」にキャリアを拓く上で大切な要素を、その現場に応じたキーワードでハイライトします。

今回取り上げたキーワードの1つは『好奇心』。楽伝が「変化に対応する人財の持つべき態度行動」として提唱する【6C:①Curiosity(好奇心)、②Concern(関心)、③Control(コントロール)、④Confidence(自信)という4つの態度と、Cooperation(協働)、⑥Conversion(転換)という2つの行動のセット】の筆頭に挙げる要素です。『好奇心』のもつパワーを理解し、自らのそれを自覚して内なる資源とする、そうしたワークから今回はスタートしました。
 
◆実践、キャリアデザイン
ワークショップでは、所属組織・専門・キャリアの長さなど、あえてシャッフルした多様なメンバーからなるグループで、一日コミュニケーションを深め、自分と異なる視点・価値観を体感しながら、自分ならではのキャリア観(働き続けることへの内発的動機)を再発見いただきました。ライフとワークを積極的に統合してキャリアデザインを実践してみる工程では、《思考・整理・伝達のコミュニケーション力》をむりなく引き出すグラフィックシート『伝版®』を使い、自他(自分自身と自分をとりまく環境)の探索と、グループメンバーとの刺激交換を重ねます。
 
この公開講座ならではの魅力ですが、参加メンバーが内包する多様性がたいへん大きいことから学びの質が高まります。面識のない《他人》であるご参加者同士ですが、楽伝ファシリテータの水先案内により、互いの「多様性」へ安全に触れ、時に感動するうちに尊重の想いを高め、助けあうチームへとなっていきます。グループ交流を重ねるなかで、メンバーの多様な知識・経験・考え方に基づいて提供されるヒントが、一人ひとりの「明日からの行動」のための決意とプランニングに役立ちます。ご参加者自身が《主役》となり、キャリア形成への「意欲」を醸成しながら、現在地から次の地点へと「行動」をおこすことを促進する場、それが「1Dayワークショップ」です。

◆「アクション」を確かなものに
さて、ワークショプ後にはおひとり30分間の「個別相談」です。
「あなたの時間ですよ~」とのファシリテータの声掛けで始まるとおり、主役は参加者ご自身!
研修をその日限りにとどめず、明日からの「アクション」を確かなものにすべく、各自トピックを提示いただいてのキャリアカウンセリングとなりました。
 
とえば、ワークショップでの疑問を解決する、ファシリテータから情報収集してプランを具体化する、対処法が見つからなかった課題を検討する、ワークショップでは話しづらかった問題を相談する、社外リソースについて情報収集するなど、どれも歓迎です。
最近は「今回学んで気づいたことを他の社員や経営層、人事等に共有し、変化をおこしていきたい!」という決意宣言とともにのご相談も増えています。数週間後に、行動計画を実行しての手ごたえや、ネットワーク立ち上げをめざして働きかけを始めたという経過報告など、うれしいお知らせをいただくこともあります。”  --- by 楽伝理事・柴山

◇◆◇ これまでのご参加者の声 ◆◇
「書き出し、発言し、今後3年間でどんな役割を果たしたいか、実は自分に想いがあったと気づきびっくりしました」

「先のことを考えることが楽しい作業だと、初めて思いました。皆さんとの交流と、伝版で楽しくワークを重ねるうちに、モチベーションがわいてきました」

「皆さんに承認いただいて、短所だと思っていた側面をとらえなおすことができました。これからは課題克服にチャレンジするための、むしろ強みとして活かします」

「身近にロールモデルがなく、異業種、異年代で職責・環境の異なる皆さんとの交流が宝のような経験!共感と発見がいっぱいでした」

「職責がらキャリアデザインは経験済みですが、今回取り組んで、まだ具体化できていなかったと自覚しました」

「自分が今日感じたようなモチベーションを、後輩女性社員たちが感じる機会をつくりたいです。まずは上司にレポートとともにしっかり報告し、後輩たちに共有する機会を実現します」

「毎日目の前の業務で必死でしたが、弊社で女性社員がもっと活躍できるよう、前の会社での経験も活かして私が働きかけられることがある、と今日一日でいくつも書き出しました」
◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◆◇ ◆◇

◆2016年度に向けて
本研修の場でご参加者が取り組まれたように、たとえば「ライフとワークを従来以上に積極統合し、個人の内発的動機をひきだす」ものへ、そして「多様性に学び、柔軟に軌道修正して行動できるしなやかな自分を養う」ものへ、と。『キャリアデザイン』のめざすあり様は、変化の時代にあっての必然として、変わってきました。《個人=人財》がこの時代に自らの力を発揮しキャリアを拓く上で必須となる『キャリアデザイン力=自分のキャリアをプロデュースする力』を標準装備することにより、個々人のかけがえのない人生を輝かせることのできる未来の実現に向け、楽伝は2016年度もさまざまな社会教育の現場で活動してまいります。

2016年度ダイバーシティ・マネージメント・カレッジ 『中堅女性社員のための実践キャリア研修』(主催:公益財団法人日本生産性本部)は11月に開催予定です。新年度を迎えましたら、当ブログでもあらためて日程などご案内してまいります。
なお、本研修企画は、《思考・整理・伝達のコミュニケーション力》を育むグラフィックシート『伝版®』を活用したプログラムを、キャリアデザイン・ワークショップを通じて体感いただける「公開講座」でもあります。『伝版®』を活用したプログラムにご関心がおありの方は、ぜひこの機会をご活用ください。
【ご参考】2015年度の本研修(開催済み)概要はコチラ

*ワード解説:『伝版®
『伝版®』とは「伝えるための版」を表す造語で、楽(ラク)に
楽しく、気持ちや考えをひきだし、ひもとき、くみたてることができる「コミュニケーションの型紙」を意味します。商品開発、人財開発、ビジネス構築をはじめ、多様な目的のセミナーや会議等のテーマに沿って、カスタマイズされたプログラムの中でツールとして提供され、自然をモチーフにしたユニバーサルなグラフィックが《思考・整理・伝達》を促進してくれます。
『伝版®は、その価値を営利企業のみならず社会教育と地域振興の領域においても積極利用できるよう、NPO法人である楽伝に、
開発者である株式会社伝耕から貸与されております。
楽伝と伝耕の双方を通じたプログラム開発と実践により、『伝版®はのべ3,000人(2015年12月末時点)を超える皆さまに利用いただきました。

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

2016年1月7日

年始のごあいさつ

新年あけましておめでとうございます。

今年は申年。
猿のモチーフを面白くアレンジした年賀状をたくさんいただきました。ありがとうございます!
お猿さんの絵ってなんだか楽しくなりますね。
本来は関係のない《十二支》と《十二獣》をくっつけてしまったのは、民衆に十二支をなじみ深くするため・・・など諸説あるようですが、「申年」の「申」は「猿」とのセット、確かによく浸透しています。

明けて二日、茂山千五郎家一門の「新春天空狂言」に行ってまいりました。

狂言は‟猿楽”ともいわれ、猿が出てくる演目があります。狂言師の修行の道は「猿に始まり狐に終わる」とか。修業期間の初期に演じるのが、「靭猿(うつぼざる)」の「猿」役。

茂山千五郎家一門では、茂山正邦氏の三男・茂山鳳仁クン(初舞台からすでに約3年のキャリア!)が、大名の命で皮を剥がれる運命を愛嬌でかわす猿の役を堂々と演じ、拍手喝采の寿ぎ。現在7歳の鳳仁クンは、さあこれから「釣狐(つりぎつね)」の「狐」役を立派に演じ、師匠に一人前と認められるまでの約十数年間、心身ともに大きく‟成長”し、次々に芸の習得をするめまぐるしい‟変化の時期”を迎えます。

2016年、十干十二支(じっかんじゅうにし)でいえば「丙申(ひのえさる)」にあたる今年は、‟種まきをしてチャレンジしてきた物事が、新芽を経て形を成し、成熟に向かう”の意があるそうです。設立から5年目を迎え「楽伝(らくでん):楽しく伝える・キャリアをつくるネットワーク」は、まさにこの狂言の「猿に始まり~」という時期。
2つの新たなチャレンジを通し、成長という変化を遂げようとしております。

チャレンジのひとつめは、地域(コミュニティ)振興に関わる活動の拡充です。
人が育まれる場所(=コミュニティ)では、‟コミュニケーション”と‟キャリア”を育むが肝心との視点に立ち、これまでのキャリア教育の現場に加え、コミュニティの振興に関わっていきます。まずは、1400年の歴史をたたえる四天王寺界隈(大阪府大阪市四天王寺区)の活性化に関する活動を本格的に開始します。

ふたつめのチャレンジは、西道が代表取締役を務める「株式会社伝耕」との目に見える連携と協働のスタートです。お陰様で皆さまに支えられ、伝耕は今年設立9期目を迎えます。‟「伝える」を「耕す」”という社名の通り、伝耕のミッションは「ひきだし、ひもとき、組み立てるためのツールとノウハウを提供する」こと。「人」や「モノ」「サービス」の気づかれていない利点をぐぐっとひきだし、新たな視点で見直した要素を整理し世に問うことをお手伝いする会社として、人財開発、商品・サービス開発のサポートをさせていただいております。

楽伝でお馴染みの伝版®は、その価値を営利企業のみならず社会貢献活動で利用できるよう、NPOである楽伝に、伝耕から貸与されておりますが、伝耕とNPO楽伝の双方を通じた活動により、伝版®はのべ3,000人(2015年12月末時点)を超える皆さまに利用いただきました。年を追ってますますその活用場面が広がっており、両法人の積極的連携により、いっそう多くの皆さまのお役に立つことを痛感しております。

今年私たちは、「NPOにおける社会貢献を通じての学び」と「伝耕における営利企業での経験」を従来以上に意識的につなげ、まさに私たち自身の経験をひきだし、ひもとき、くみたてることによって、皆さまのお役に立てる情報の発信と新たなツールとノウハウづくりを手掛けることに着手いたします。
 
閑話休題・・・。

年末年始にかけていろいろな読み物を漁っていましたら、「ヨーロッパ最高の知性」と称される経済学者、ジャック・アタリ氏が語る未来予想に出会いました。アタリ氏曰く、「これから数十年先にかけて、21世紀の世界は希望とリスクに満ちている」。

彼が語る2050年の世界とは・・・(一部抜粋)

・人口の増加と高齢化
  世界的な大災害が起こらない限り、世界人口は95億人に達する見通し。先進国を中心に高齢化
  がさらに進む。
・都市化
  人類の3分の2は都市部で生活。各都市の人口は2倍に。
・人の移動
  現在、世界人口のうち2億人が自分と生まれた国とは異なる国に居住しているが、気候変動等
  の影響で大きな人口移動が起き、10億人は自分が生まれた国とは異なる国に居住。
 
10億人とは!
つまりその頃の世界全人口の約10%は、自分が生まれた国とは異なる国に居住することになるという予想。正直これには驚きました。人はそのような時、何を携えて国を渡り、何を発信して生きていくことになるのだろうか・・・としばし思考逡巡。

しかしたどり着いたのはいつもの結論です。どのような状況にあっても、自らの思考をひきだし、ひもとき、くみたてる。そして、それを新たに出会った人々に楽しく伝え、お互いに伝えあうことができれば、人の未来は拓けるのではないかと。
 
申年の「申」とは、もともとは鋭く光る稲妻を描いた甲骨文字とのこと。稲妻の光が地上に向かって伸びることから「相手に何かを伝える」の意で使われるようになったようです(「申す」→「申請・申告」など)。
 
「猿」のような身軽さで、変化に対応し、変化を愉しみ、「申」の字のごとく、周囲の人々と伝えあい、1年後の大きな成長をさらに楽しみにいたしましょう。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

理事長 西道広美 拝


 

2015年12月22日

2015年の終わりに

楽伝は、12月26日(土)より2016年1月3日(日)まで、
年末年始のお休みをいただきます。 

2015年、楽伝は2つの領域において
活動を重ねてまいりました。
 
つは、大学等教育機関におけるキャリア教育から、社会人の多様なキャリア開発の支援まで、変化の時代に自らの人生のオーナーとなりキャリアをひらく力を育む『社会教育』に関わる活動です。

いま1つは『地域貢献』に関わるものです。
1400年の歴史ある地域コミュニティのもつ資産を見つめなおし、世界に再発信する“地域の再生”や、1つの土地で300年培われた伝統工芸品のあり様を持続可能な発展に向け、若い力で捉えなおす“伝統の再生”の支援を進めてまいりました。

この一年もそれぞれの領域で、幅広い世代の多様な皆さまと出会い、ご一緒させていただきましたことに楽伝一同、心より感謝申し上げます。いただいた刺激を学びに、来る年も励んでまいります。

写真にある“左を向く馬(ひだりうま)”は「右に出るものがない」ことから縁起ものであるとか。皆さま、どうぞよい新年をお迎えください。

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

2015年12月11日

『伝版®ダイアリー』予約受付スタート!(完全受注生産)

2016年度版の予約〆切は1月29日(金)です。

『伝版®ダイアリー』写真は昨年度版
 お待たせしました!
“夢を叶えるダイアリー”とも呼ばれる楽伝の『伝版®ダイアリー』。

4月始まりの2016年度版は《完全受注生産》にて一つひとつ、心をこめてお作りします!
予約注文いただいた方だけが手にしていただける『伝版®ダイアリー』。ご注文〆切は2016年1月29日(金)です。

◆予定は、やるべきことから埋めるのでなく
「やりたいと願うことからくみたてる」もの
そう考える楽伝が開発した『伝版®ダイアリー』。誕生から6年目を迎え、長年のユーザーさんたちに加え、ますます広く楽しんでいただいています。

◆『伝版®』からなる『ダイアリー』
伝版®』は「伝えるための版」を表す造語です。楽(ラク)に楽しく、気落ちや考えをひきだし、ひもとき、くみたてることができる「コミュニケーションの型紙」です。自然をモチーフにした楽しくきれいなグラフィックが《思考・整理・伝達》を促進してくれます。
まずは紙を吟味して

そんな『伝版®』で構成されているのが『伝版®ダイアリー』。
やることたくさんの複雑な状況を整理したり、仕事のもろもろ&生活のあれこれをいっぺんに考えることも助けてくれます。
スケジュール管理ツールとノート・日記とで分断しがちな“予定や情報の管理”と“アイデアやきもちの整理”をひとところで進められるのもユーザーさんのお気に入りのひとつ。ありたい姿(ビジョン)に照らしたプランニングも、終えたできごとの内省をふまえた軌道修正も、自在です。使ううちに振り返りが習慣化した」というお声もいただいています。

ひとつひとつ
心を込めて作ります
巻頭には伝版®「木」、月毎のページには伝版®「花」。
他にどんなモチーフが登場するかは、開いてのお楽しみ!
ダイアリーのさいごには、特別なテーマについてアイデアを整理したり、次の一年に向けた振り返りに便利なモチーフたちも待っています。

ところでこの『伝版®ダイアリー』はご注文いただいた数だけ生産する《完全受注生産》です。ただいまご注文受付中!受付〆切は2016年1月29日(金)です。

◆2016年度『伝版®ダイアリー』仕様
 ・4月始まりの年度版ダイアリー
  (2016年4月~2017年4月)
 ・A4サイズ

いよいよ、裁断して完成!
 ・綴じ込み式の半透明カバー
 ・素材一部に和紙を使用
 ・予定価格:3,000円+消費税+送料(360円)
  *5冊まで1個口送料でお送りできます。

◆お申し込み方法
  ご入り用の方は下記までお知らせください。
   Mail:   info@rakuden.or.jp
   Facebook https://www.facebook.com/nporakuden


  お申込み〆切:2016年1月29日(金)
  お届け: 2016年2月末発送予定
  販売主体:特定非営利活動法人 楽しく伝える・キャリアをつくるネットワーク 
  お問い合わせ先: info@rakuden.or.jp


スケジュール帳兼日記帳として、あるいはカレンダーにも!お好きなように使っていただける『伝版®ダイアリー』。ご自身で使うだけでなく「ライフイベントをひかえる大切な人に贈りました」「パートナーと1冊ずつもって、コミュニケーションツールにしています」「社会人になったこどもに薦めて親子で使っています」というご報告もいただいています。

2016年度も『伝版®ダイアリー』がみなさまの1年のよきお伴になりますように。
あなたの『伝版®ダイアリー』とのエピソードもお待ちしています!


*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

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