残暑の厳しさの中にも、朝晩は秋の気配が感じられますね。今回と次回のブログでは、未来を見つめて楽伝が動いた今年の夏についてちょっと振り返ってみたいと思います。
まず今回は、福島と大阪をスカイプでつないだワークショップに想うあれこれをご報告します。
7月9日のブログで、黄色い家(大阪市天王寺区逢坂)で主催された「ふくしま福光(ふっこう)プロジェクト」のSOMATOワークショップの模様を取り上げましたが、この企画、その後さらにアツい展開を見せてくれました。
今回は現場を福島へ移し、7月27日福島県の白河にて、大堀相馬焼の体験イベント「SOMATO」が実施されました。
参加者は新卒1年目の社会人と大学4年生の 学生が中心のメンバー。
白河の会場で、まずは大堀相馬焼の窯元・松永窯4代目の松永武士さんから大堀相馬焼の現状と今後の展望についてのプレゼンテーション。続いて伝版®「花」を使い、大堀相馬焼の販売促進アイディア出しワークです。ちなみにこのセッション、ファシリテーション担当の楽伝理事長・西道は、逢阪の黄色い家にてスタンバイ。白河の会場と黄色い家をスカイプでつないで進みます。
参加した皆さんは、黄色い家での7月1日のワークショップに始まり、今回の福島訪問中に、白河にある窯元で作陶する職人の方と交流したり、作陶体験をしたりと、様々なアクティビティを共にしてきました。皆さんすでにすっかりフレンドリーな雰囲気!自己紹介をスキップし、いきなり‟大堀相馬焼をもっと皆さんに知って・使って・購入していただくにはどうすればいいか?”という本題で、アイディア出しに取り組みます。
花、いろいろ |
当初、スカイプでのファシリテーションでうまくいくのだろうかと多少の不安もありましたが、画面の向こうの皆さんの様子がなによりのこたえ。ワークショップは極めてスムーズに進行。伝版®「花」に書かれたアイディアも、スカイプの画像を活用して共有できました。スカイプを通したこの方法、新たなファシリテーションの形としてもっとチャレンジできそうです。
スカイプ画像を通して発表する皆さんを黄色い家で見ていた西道は、この状況自体が面白い取り合わせであることに気づき、心が動かされました。《紙の伝版®と伝統産業品である大堀相馬焼》といういわばクラッシックな在り様 ― それが、復興を盛り上げようとしている福島の地で《スカイプと若者たち》という未来に連なる存在と結び付けられ、化学変化を起こす不思議な時間と空間を生じているように感じたからです。
古いだけでもない。新しいだけでもない。人が生み出してきたさまざまな資産から「自分がこうありたい、自分はこうしたい」に関連する要素を取り出して結び付け、未来を創っていく。「復興」というチャレンジな場面で問われる、このような‟創発”志向は、自分の人生を自らが切り拓く際にも強力なアプローチです。自分はどのような世界で、対象とする要素として何を取り上げ、何を大事にして、誰とつながり、どんな“しごと”に携わるのか…今回参加されたような若い皆さんは、これから人生の中で幾度となく問われることでしょう。
《未来のキャリア開発》について考えさせるヒントが、そこここに埋め込まれているようだった今回のワークショップ。未来を想うこの夏、楽伝に深い余韻が残りました。
次回は、そうした余韻もかみしめながら、楽伝メンバーが未来に想いを馳せた、もうひとつの夏模様をお届けします。
*写真提供:ふくしま福光プロジェクト
*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性と変化あふれる社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。