2017年1月19日

まちがったら、おもしろくなる!

【前編】第2回らくでん式・英語インプロワークショップをご報告します

初日でみんな、この笑顔!
2016年もまもなく終わろうかという週末。
楽伝の<黄色い家>二階に集合したのは8人のコドモたち。正確には小学4年男子ひとり、6年男子ふたり、中学1年女子ひとり、大学女子ひとり、さらには「ココロは10代♪」の3人のオトナたち。

この日は、即興演劇(インプロビゼーション)にヒントを得て、英語コミュニケーションでの発信力を養う《らくでん式・英語インプロワークショップ》。 春に続き、2回目の開催です。
  
今回は午後3時間x2日間のプログラム。英語落語の先生をお招きした新しい趣向で、両日とも
【らくでん式・英語インプロ】と【英語でインプロ落語】の2部構成です。さてどんなことになりましたやら。これから≪前編≫≪後編≫に分けてご報告していきます。
本号は≪前編=第1日目(1226日)≫の模様です。

◆第1部 らくでん式・英語インプロ
まぁ、オトナもそうなんですが。。。初参加・初対面のこどもたちがぶつかる最初の難所はなんといっても「はずかしい」「どうするのが正解かな?」といった気まずさや探りあい。そこは私ども楽伝=「楽しく伝える」を助けるが生業でして、打破するはトクイなのです。

しかし、春の第1回ワークショップを振り返って「まだまだもったいないなぁ。みんな、始まってすぐ、もっとはやいこと脱皮せえへんかな。」と現状に飽き足りない辻野(楽伝 社会教育部)。今回は、オープニングにありがちなあの『もごもごタイム』を、さらにちゃっちゃと卒業できるよう、冒頭から前半いっぱいかけて、いくつものインプロゲームを用意していました。

インプロゲームといえば、某有名TV番組で知られた「あいうえお(あいうえお作文の要領でストーリー創作する)」ほか、いろいろありますが、今回の辻野、厳選ポイントは、口だけでなく「カラダを動かす」ゲーム。変化は「動く!」で起きますから。

その中のひとつが I am a tree.

参加者をチーム分けし、その場の一角を選び、舞台とします。今回は二階の和室の一角を「舞台」にすることに。これで準備完了、早速スタートです。

辻野がまぁ適当に(ウソ、真剣に考えてます!)チームごとにお題を出します。あるチームに最初に出されたのは「アメリカ」。

するとメンバーはひとりずつ「アメリカ」の「何か」になりきって、その舞台へと入っていきます。I am a ...」と自己紹介しながら舞台へ入り、ポーズをとって静止!
ひとりめ「自由の女神!」、ふたりめ=「ホワイトハウス」・・・メンバー全員が舞台に揃ったところで、はい、記念撮影しま~す。

これをできるだけ、こどもたちが知っている英語で行いました。正解はありません。そのチームの「アメリカ」ができたらよいのです。

お題を変え、各チームが何度かやっていきました。おとなしい子も、ハキハキした子も、だれがどんなものになっても受け入れる。そうこうくりかえすうちに、意外な発想があることに気づいたり、感心したり。初めは人前で話さなかったメンバーが、回を重ねるうちにアイデアをいちばん出す側になっていることもありました。

正解がないのでしぜんに失敗を恐れなくなる?
むしろ「まちがうと、かえっておもしろい!」を経験してどんどん楽しくなってきた、といった感じでしょうか。その結果が、冒頭の写真です。初日のアタマからみんな、この笑顔ですよ(笑)
このワークショップの大きな目的は「発信力向上」。そのための最初の耕しがたしかにできました。

◆第2部 英語でインプロ落語
落語は、座ったままでいながら、言葉だけでなくありとあらゆるものを使って表現し、実にいろいろな感情を人に伝えてくれます。声のトーンや大きさはもちろん、顔のたくさんのパーツを動員しての表情、指先から手首、腕までを使ったしぐさ、座ってはいますが足さばきだって!本日の師匠、笑人(Showto)先生の豊かな表情・しぐさ・声色の高座を前に、一同釣り込まれるように笑ってしまい、楽しんだのでした。
まずのフィードバック

思わず笑人(Showto)先生ってどんなキャリアを歩いてこられたのだろうとワクワクしちゃいます。おききすれば、公立の小学校教師として13年、中学校にて英語科教師として6年勤務ののち、再び小学校に戻り、英語活動の研究開発校で英語の指導にあたられたそうです。そうした過程で、落語の手法が「英語のわからない人に英語の内容を伝える」に奏功することに着目!現在は英語落語道場にぎわい堂を主宰し、落語英語を指導・普及されています。
 
笑い弾けて、へぇ~っと思っているうちに、おーっと!今度は自分が高座に上がる番です。

まずは師匠にフレーズを教わります。たとえば・・・
 
I love ice cream.  Ice cream loves me!

あとは「全身全霊で表現することに注力する」をめざし、先生の指導を受けながらくりかえす!ちょーっとずつ気恥ずかしさを脱いでいきます。
 
失敗したぁ、と一瞬は落ち込んでも、その場でただちに再チャレンジできて復活!
「なんだ、だいじょうぶなんだ、失敗でもなかった」。

くりかえすうち
のってきましたよ~
初めは「口パクか?!」と思うほど動かぬ顔だったのが、照れに崩れた顔になり、続いて手が前に出て、上半身も少しずつ前のめりに、果てには愛する相手=ice cream を宙にみつめ、抱き寄せる。
いやはや、変わるじゃございませんか!
 
ちなみに英語落語といいながら、ほかの国の言葉にもチャレンジ!イタリア語や韓国語もとびだす場で、みんなが感じたのは「言葉はわからなくても、相手に伝える方法っていくつもある。」

蚊の鳴くような声だったメンバーがだんだん進んで高座にのぼり、小噺にチャレンジするようになったり。母いわく「人前で話すなんて~と言うタイプですが・・・」なメンバーも、気づけばどんどん高座に座る。これには、辻野も期待超えでびっくりです。

春の第1回にも参加した経験をもつメンバーは、発信するときの気おくれや照れ、恥ずかしさとの付き合い方がさらにうまくなり、表現の工夫も進むなど、成長を感じさせてくれました。
 
そんな彼らも前回は「こうかなぁって思うけど自分、間違っているかも」と発話できなかったり、「やったことないし失敗するかも」と思うとカラダが動かなかったり、だったわけですから≪やってみる➡経験を重ねる≫が可能にすることの大きいこと!

そう、はずかしくない。
まちがったら、おもしろくなる!

さてさて、初日にしてすでに弾けきった感ありますが(笑)、この続き=後編(第2日目)は次の機会にご報告しましょう。どうぞお楽しみに! 

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性と変化あふれる社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

Copyright © 2013 Rakuden. All rights reserved