2018年2月8日

国際交流ってなんだろう

前編✦開催報告『えいごインプロで国際交流ワークショップ』 
   1/21/2018  大阪市阿倍野区市民学習センターにて

今回は2018年最初のらくでん式英語インプロワークショップの様子をお届けします!まず今号ではらくでんのファシリテータがワークショップ実施にあたり考えていることなどもおりまぜ、前半の模様をご紹介します。

1月下旬のある日曜。駅からアクセスのよい大阪市立阿倍野市民学習センターに集ったのは、定員満員12名のみなさん♬ 小3~高1の子どもたちとおとなの方々です。


◆まずは“準備体操”
お時間になったところで、まずはアイスブレーキング。カンタンなゲームでカラダを軽くほぐし、声を出しながら、自分のカラダとキモチの元気度をチェック。ファシリテータはやりとりしながら、つかれたら休んでいいことや休み方のバリエーションを案内し、気張らずリラックスしてOKな場であることを気持ちの上でみなさんと共有します。

こうしたオープニングはらくでん式の現場恒例、いわば準備体操の時間です。とりわけ多国籍のメンバーが集まる場合や、子どもからおとなまでと世代幅が広い場合、子どもたちの学年に幅がある場合などは、立場の異なる相手に気兼ねしたり、緊張して無意識に遠慮がでやすいことがあるかも。各現場の特徴をふまえて、ファシリテータは始まりのメニューをくんでいます。

◆国際交流って?
今回はアラブ首長国連邦(UAE)とインドネシアからの留学生も迎え、子どももおとなもご一緒に、即興英語ゲームやお国紹介を通して国際交流を楽しみます。

ところで国際交流って、なんでしょう?
「“自分って何?”を楽しく追いもとめられる手段♪」と即答したのは、らくでん式英語インプロファシリテータの辻野。

“おとなも子供も「わたしってこんなんでいいのかな?」「他の人からどう見えてるかな?」「わたしなんか・・・」と自分や自分の居場所について悩むときがあると思います。そんなときは世界が今の自分から見えるだけにだんだん小さくなってきて考えるのがつらくなったりするもの。私自身も経験があります。”と辻野の話は続きます。

外国の方の生活習慣や考えを知って「へぇ~、なんでそんなことするんだろう」「なんでそんな風に考えるの?!」とびっくりすることがありますね。自分と違うコト・モノにふれると、それとはちがう「自分のあり方」を発見や再発見できます。

相手と自分―どちらがよいでなく、お互いのすてきなところも、そうでもないところも、交流して知ることで初めてくっきりします。とくに自分の国や自分自身の「良さ」なんて、意外とふだん意識しないけれど、そこにもピントがあうようになります。

◆"仲間、再発見!”に刺激されて
もちろん、同じ日本に暮す知らない人と出会うことでもそうした発見はあります。またらくでんスタッフたちはワークショップの場で、「新しい出会い」ばかりでなく、よく知っていると思っていた相手からの新発見が実は多いことを実感しています。

たとえば、らくでんのワークショップにはお友だちやクラスメイトと一緒に参加してくれる子どもたちもいます。ワークをやるうちに、結構知っているはずの相手なのに、「えぇ、そんなこというんだ!」「あの子があんなこと思いつくの?!」と仲間の意外な面をおもしろがっていることがよくあります。そうして自分の先入観に気づいて相手への見方が変わったり、自分自身も次のワークでは内面の声に素直にさらに思い切ったチャレンジできるようになったり。

1つの正解に照らすことなく、自分の中から出したどのようなこたえもが祝福される場だからこそ促進される「自分探し」や「自分開拓」といえるかもしれません。同様に、同伴してくださった保護者の方々や先生方から後日、意外だった子どもたちの様子や、その後の変化についてお伺いすることがあります。

>>こどもたちの変化の様子はコチラ

◆つたえあえば、人生がひらく
日本に暮す人同士でもそうなわけですから、地形・気候・歴史から異なり、暮らし方や価値観が大きく異なる外国の人々と伝え合うと、次元のちがうびっくりがあります。同時に「そんなにも違う相手なのに、なんだ一緒だ!」とうれしくなる共通点をみつけ、何かを一緒にやってみたくなることも!辻野のいう“自分って何?”のこたえが自然に行動になっていきます。

頭で考えるとしんどい“自分探し”を、2段、3段とばしで助けてくれるもののひとつが国際交流。たとえいま、しんどい状態や場に身があったとしても、「まだ知らない世界が実はとっても広いかも」「そんなのもありだな」「失敗した方がかえっておもしろい」・・・体感できると心があたたかく、まあるくなる気がします。

さて、ファシリテータはそんな思いからこの朝、留学生も含めたメンバーがお互いをぐっと身近に感じる瞬間がたくさんあったらいいな!と、2つのワークを進行しました。

◆伝え合うために工夫できること
1つめのワークは「あいさつリレー」。カラダを動かしながら"How are you?”“What are you doing?”などのなじみやすい英語表現でおもいつきで発話し、相手にメッセージをよりよく届けるコミュニケーション作法を体感するゲームです。

あいさつするスピードをだんだん上げたり、ふだん友だちや家族との会話でふつうに使っている日本語表現を取り入れたり、言語をミックスしたりと、いろいろなアレンジが楽しめます。

まずは基本編"How are you?”―ちょっと様子をご紹介しましょうか。

メンバーで大きな輪になります。
Aさんは"How are you?”といいながら、心の中でひそかに決めた相手(Bさん)に向かって歩いていきます。Bさんがもし「Aさんが自分にあいさつしてくれているな!」と気づいたら、Aさんが自分のところに到着する前に、Aさんに思いつきで返答しつつ、今度は自分が、次のだれか(たとえばCさん)の方向へあいさつしながら歩いていきます。

こうしてどんどん場所を入れ替わりながら、あいさつをリレー!「リレー」というくらいですからね、長ばなしはしないのがお約束!テンポよくどんどん次の人へとまわしていきますよ♪

次がだれになるかは、あいさつする人しだい!最初は、「うーん、わたしのとこ?いや、となりかな?」「恥ずかしいから来んといてぇ(目をそらす)」「どっちやねん」・・・心の声がきこえるような探り合い。ふたり同時に「自分だ!」と歩き始めてしまったり、Aさんに答えながら、違う方向にいる次のCさんに向かって歩くのがむずかしくてぶつかったり。「当たりだ!わたしだ」とうれしくなっての長返事で流れが止まったり。い・ろ・い・ろ・あれどそんなどれもが楽しいですね(笑)

しばらくしてファシリテータはいったんワークをとめました。

「どうだった?」
「はずかしくて下向いたらわからんかった」
「目みたらええねん」
「大きな声にしたらわかりやすい」
「ジェスチャーあったら・・・」

振り返りをしてみると、自分がやってみてわかったこと・他の人を見て気づいたこと、いろいろ発見があります。くるくるあいさつリレーをするうちに、「伝え合うこと(コミュニケーション)」のコツとなる、相手に確実にメッセージを伝えるための工夫を体感しています。

もう一度ワークを再開すると、だんだんぶつかりっこもなしで、いいテンポ♪そこで次は、やり方をいろいろアレンジしてみることに。

その模様は近々!留学生がお国紹介をしてくれた2つめのワークとともにご紹介します。
お楽しみに!

>>これまでのワークショップの開催レポより
◆大阪市阿倍野区「英語ゲームで世代・国を超えて楽しく交流ワークショップ
◆大阪府泉南郡 「中学生とインドネシアからのみなさんと!
◆福島県白河市 「えいご、たのしかった!(前・後編)」
◆大阪市城東区 「生き抜くための“コミュニケーション能力の素地を養う”
◆大阪府貝塚市 「なりきり英語ゲームでハロウィン
◆大阪市天王寺区「まちがったら、おもしろくなる!(前・後編)」

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

 

Copyright © 2013 Rakuden. All rights reserved