2018年2月22日

訊きたいこと、伝えたいことがあると?!

後編開催報告『えいごインプロで国際交流ワークショップ』 
 1/21/2018 @ 大阪市阿倍野区市民学習センター

前編に続き、1月下旬に開催された小3~高1の子どもたちやおとな、留学生がまじっての2018年最初のらくでん式・英語インプロワークショップ後半の模様をご紹介します。

会場では引き続き、カラダをつかったワーク「あいさつリレー」が進んでいます。
前編でご紹介した"How are you?”の次は・・・
" What are you doing?(何してるの?)” をつかったやりとりです。

英語表現だけでなく日本語でもやってみます。
「“なにしてんの?”ってきかれたらふだんどういう?」子どもたちに友だちとの会話でつかっている言葉をたずねると「“ごはんたべてるんやしー”みたいな感じやな」と地元の言葉でおしえてくれる子どもたち。
すっかり先輩顔(笑)で、留学生のふたりに「これ、つこてみー(この表現、つかってみれば!)」と地元言葉でのスキットをオススメ。日本語を勉強中で、さまざまな地域の言葉にも興味津々の相手もノリノリです♪

しばらくすると子どもたちの方から質問が。

「アラビア語ではあいさつってどういうん?/How do you say ~ in アラビア語?」
急きょアラブ首長国連邦(UAE)出身の彼を先生に迎えてアラビア語講座となりました。

Alsalam!とよびかけAlaikum!とこたえるやりとり(右の写真)を紹介してもらいました。あいさつとして定着しているフレーズですが、「世界に平和を!」という意味をもつ言葉だそう。あなたにも平和を!”「へぇーっ」と心に響いたメンバーでした。

訊きたいこと・伝えたいことがあると、まるでカラダの中からおしだされてくるように自然とおしゃべりがでてきますね。「完璧な文章じゃないけど、話すことばが違っても気持ちが伝わる!」気持ちの入った生活言語としての母語と、外国語表現を一緒に使ううちに、異言語への垣根(ハードル)が低くなっていきます。

◆留学生にきいてみた!
さて次のワークでは、留学生のおふたりにそれぞれのお国についてお話をうかがいました。
今回参加してくれたのは、インドネシア出身のバンドゥンさんとUAE出身のアブドゥラさん。ふたりとも日本語を勉強するために留学中です。あらかじめお国紹介のプレゼンテーションを準備してきてくれました。

そもそも世界のどこにある国か?に始まり、「らくだ」がペット!食用「らくだ」もいる?!日本語で「YES」の意味をもつ言葉が、別の言語の「NO」の響きにそっくり?!結婚相手は●人?!などなど。食べ物のこと、暮らしのこと、言葉のことなど、知らなかったことがいっぱい♪

知らなかったことを知るって楽しいなぁ。おとなたちも、実際にその国の方がくわしく語ってくれると、知っていたことでもまだまだ奥の深いことに気づいたり、新しい発見があって興奮しました。
お国紹介のあとは質問タイムです。

「国旗の意味は?」「なにがきっかけで日本に興味をもったの?」「なぜ留学先に日本を選んだのか?」

アブドゥラさんとバンドゥンさんの思いをうかがうキャリアインタビューのような一幕も!また、ふたりに学ぶばかりでなく、留学生の皆さんが関心ある日本と日本語についてもどんどん質問してもらい、お互いにおみやげのある時間となりました。

◆もっと学びたくなる、もっと磨きたくなる、そのための素地を
外国に行くまでもなく異文化共生社会な時代です。それぞれの国・地域の文化を背景に、違う価値観をもつ人々と接する中、白黒はっきりした答えが初めからあるような場面はほぼありません。その前提で、自分と違うだれかと“つながって”みて、互いの違いを認識して活かし課題に取り組んでいくのが、生き抜いていくということなのでしょう。

英語はその“つながる”のためのひとつの道具。そして、極々近い将来AIによる外国語に関する補佐機能は急速に向上し、身近に利用できるものとなりますが、そのこと=“つながる”にはあらずですね。道具は使い手の意思とスキルあってこそ活きるもの。まずは“伝えたい”を持ち、伝えられる自分であってこそ!

◆“伝えたい”を持ち、伝えられる自分へ
学童期や青年期にある子どもたちが、コミュニケーションのひとつの道具として英語をまずは身近に感じ、もっと学びたくなる・磨きたくなる素地が育まれるといいですね。もちろん、子どもたちにかぎらず、いくつのおとなも!

今回参加したメンバーが感じた「完璧な文章じゃないけど、言葉が違っても気持ちが伝わるね」という感覚や、自分の国とは違うものに「へぇーっ」と互いに興味をもって「質問したくなる」「教えたくなる」体験は、「“伝えたい”を持ち、伝えられる自分」を耕すきっかけになるでしょう。

>>“こどもたちが英語を学ぶ意味”のお話はコチラ

らくでん* はこれからも、我々自身も含めた人間が「“伝えたい”を持ち、伝えられる自分を育むこと」を応援していきます。この春休みには大阪エリアで12日イングリッシュキャンプも開催します。英語インプロワークショップや留学生との国際交流でウォーミングアップをして、インタビューツアーにチャレンジする楽しい企画🎶 小学3年生~中学3年生までのお子様がご参加いただけます。
* らくでんは特定非営利活動法人楽しく伝える・キャリアをつくるネットワークの愛称(呼び名)です。   

◆遊んで身につく、英語即興ワークショップ
らくでん式・英語インプロは、即興演劇(インプロビゼーション)の手法を使って、英語とコミュニケーションが楽しくなる-“自ら学び続けたくなる気持ち”を養うプログラムです。

インプロとは、ある設定下で自分が伝えたい内容を即興的に言葉と体で表現すること。やってみたことのすべてが受容される空気感の中、リフレクションを交えながら、インプロの要素をむりなくとりいれたワークに取り組むうちに・・・ 
・自分とは“違う価値観をもつ人間”を知らず知らずに想定しながら、適切な表現を開拓していく
・多種多様な人々の中で生きるために必要な心身の“かまえ”を経験し、身に付ける
・自分に根差さない言語を借り、まるで「セリフ」のように使うことで、『思いきって』自分の感情を表現・発信する
など、アクティブラーニングが進みます。

◆文法項目に親しむプログラムも
これまでご紹介のとおり、ワークショップは企画の目的と対象メンバーに応じてさまざまなテーマ設定が可能です(☞下記「ご参考:らくでん式英語インプロ開催レポ」)。
また、現在の中学1年生の文法学習項目を目安に、子どもたちがつまずきやすい文法項目をとりあげたらくでん式・英語インプロ《楽しく慣れ親しむシリーズ》もあります。

《楽しく慣れ親しむシリーズ》は、子どもたちがつまずきやすい文法項目として「3人称」「過去形」「未来形」「疑問詞Who/When」「疑問詞What」「疑問詞How」を各回で取り上げる6回シリーズ!主に、小学3年生から中学1年生を対象にした英語インプロプログラムです。

らくでん、今年も様々な地域・コミュニティとつながって、子どもたちからおとなの皆さんまでご一緒してまいります!
 
>>ご参考:らくでん式英語インプロ開催レポ
◆大阪市阿倍野区「国際交流ってなんだろう?(前編)」
◆大阪市阿倍野区「英語ゲームで世代・国を超えて楽しく交流ワークショップ
◆大阪府泉南郡 「中学生とインドネシアからのみなさんと!
◆福島県白河市 「えいご、たのしかった!(前・後編)」
◆大阪市城東区 「生き抜くための“コミュニケーション能力の素地を養う”
◆大阪府貝塚市 「なりきり英語ゲームでハロウィン
◆大阪市天王寺区「まちがったら、おもしろくなる!(前・後編)」
◆大阪市天王寺区「カラダとココロを動かし、未知と向き合う力を養う
 
*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

 

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