2018年4月6日

【中編】出生率日本トップクラスのまちでのワークショップ

奈義町(岡山県)xらくでん式英語インプロ

Walk, walk, walk, Stop!
“Walk!” “Jump!” “Walk!” “Walk!”

こどもからおとなまで24人が動きまわっているのは、まちの文化センター大ホール。舞台がせまく感じられるほどです!

ここは岡山県北東部に位置する奈義町。1月さいごの土曜日の午後、奈義町で初めての開催となる『らくでん式英語インプロワークショップ』 が始まりました。メンバーは小学生7人、中学生6人、いろいろな世代の11人のおとなのみなさんです。

それにしてもご覧の通り(写真)、本当に多世代にわたるみなさんです!

そうそう、「ところで奈義町って?」「どうして奈義町でらくでん式英語インプロ?」と思われた方はぜひこちら☛先号【前編】をご覧くださいね。

◆奈義弁(=生活言語) x 英語
ワークショップのタイトルは『Have fun!英語って楽しんじゃけん(^^)』。
命名してくださったのは奈義町内で学習支援や子育て支援にたずさわっておられる方々をはじめ、企画に参画してくださった主催チームのみなさんです。

「英語ときくと、興味や必要性を感じつつも、なんだか自分から遠い気がする。」・・・そうした、世代を問わない(そして奈義にかぎらない)英語に対するよそよそしさの存在を熟知しておられるからこそ、生活言語である「奈義のことば」と「外国語」の橋渡しを、企画の入口から大切にしてくださったのです。

この「生活言語」という要素はらくでん式英語インプロが、英語とコミュニケーション能力の素地をスキル・意欲・学年や世代を問わず育む仕組みのかなめの1つです。
 
「日本語」の中でも、私たちが暮らしのなかで日々使う「生活言語(地元コミュニティのことば・方言やその世代の言葉)」は、その人にとって自分の感情や生活のありよう、人間関係を包摂した言葉です。
 
友だちや家族や先生と、毎日の暮らしでつかう「生活言語」を通じて英語をとらえるから、「英語=学ばないといけないよそのもの」という感覚が緩み、「コミュニケーションの道具」として身近に、自分が取り組む意味を見出しやすくなります。
 
◆生活言語 x 英語 x 「インプロ」
ところでらくでん式は「生活言語」x「英語」に加え、「インプロ(improvisation)」という要素を取り入れています。台本のないパフォーマンスとして元々は演劇に由来するインプロは、学びあいを創造する学習方法となりえます。ふだんより過剰な表現がむしろ推奨される「インプロゲーム」で、いつもなら拭いづらい不安感(羞恥心、評価への恐れ)と自分を切り離し、安心して体験学習をすることができます。また、そもそも「人との対話=コミュニケーション」とは即興性伴うもの!自分の意思を多様な人々に伝えるために不可欠な即興性を伴う表現”を楽しく実践し、コミュニケーション能力の素地を育むことをめざしています。

◆何をするんじゃろうか?
さて、舞台に上がったもののちょっと不安げな表情の小学生と中学生たち。おとなはというと、多少の緊張もおありのようながら、みなさんからは子どもたちをケアするような温かさが伝わってきます。
 

まずは「おなまえリレー」や、以前のブログでもご紹介した「あいさつリレー」でアイスブレーキング。

続いて応用編として、“Whatre you doing?” を使いながらの奈義弁バージョンも!

「自分がいつもいうてるまんまのことばでええよ~」そういうらくでんのファシリテータも、いつもの関西弁のまんまです♪

まずはみなさんに「なにしょん?」の正しいイントネーションを教わると、さっそく例示がてら中学生に突撃質問です!

「なおや!いま、なにしょん?」
「そげなこと どうしていまきく?・・・ん~、えいごの勉強しょん!」

なるほど!と、やり方を心得たみなさんも加わり、ジェスチャーもそえての「なにしょん」リレーが始まります。

「なにしよん?」
「ごはんたべよん。」「こたつにはいってねころんどるん♪」「みかんたべよん」「スケートしょーるん」「ソリやっとるけん!」

初対面のおとなにきかれた最年少の子どもたちだって、自分が思いついた好きなこたえを投げています。ぐるり一周したら、さいごは日英ミックス!“Whatre you doing?”やら「なにしょん?」やら、入り混じりながらのあいさつリレーで笑いました。

◆もっとやりたいひと~♪
らくでん式で人気の「なりきり写真ゲーム」ももちろん登場しましたよ。
今回は時期的にちょうど盛り上がっていた《オリンピック》など、まずは4つのお題でチームごとのなりきりゲームです。

その1つ《オーストラリア》では、おとなの方がカラダ全体をつかってステージにねそべってDesert(砂漠)!」のファインプレー!
誰もの心に少なからずある枠をとっぱらい、「何にでもなっていい」「どんな動きをしてもいい」ことを共有してくれました。

4つのお題を終えたところで、ファシリテータが声をかけてみました。
「もっとやりたいと思ったひと、募集するよ~!見ときたいひとは見てていいよ!」
すると、半数を超える12人のみなさんが立候補してくれました!お題は《奈義》です。

Mt. Nagi (那岐山)!」
Mt. Taki (滝山)」
Nagi Beaf (名産の奈義牛)」
Ginkgo tree (名所の大いちょう(900歳の大樹)」
Mie (見得をきったこども歌舞伎の演者、奈義の伝統文化「横仙歌舞伎」)」
NARUTO -ナルト- (漫画の作者・岸本斉史さんは奈義町出身)」
Sato-maru (横仙さと丸:奈義の名産「さといも」をモチーフにしたゆるきゃら)」
Kuro-Mame (名産の黒豆」  などなど。

「なるほど、そうきたか。なら次はこれでいくか!」と奈義をテーマに勝負の気配さえ漂う熱い舞台のおかげで、らくでん*スタッフもますます奈義町にくわしくなりました♪
*らくでんは特定非営利活動法人楽しく伝える・キャリアをつくるネットワークの愛称(呼び名)です。

◆次回の『Have fun!英語って楽しんじゃけん(^^)』に向けて
「奈義」のお題で!
そのあともいろいろなワークにチャレンジ!
身体表現と英単語の意味とをあえて他の単語と交換して行う脳トレ的なワークも!うまくいってもいかなくても楽しいですね(笑)

いっぱい笑って、いっぱい真剣になった2時間ワークショップでの後半のことです。子どもたちが、その場ではご紹介していなかった英単語(別の学習場面で知識として身につけておられたのでしょう!)を自然に発話したり。どこか脱皮したかのように、英語との距離が少し近くなっているかなぁという場面があらわれ、おとなのみなさんもびっくり!

さいごのリフレクション(振り返り)では「なりきり写真、おもしろかったー!」と子どもたちもおとなの皆さんも。「コミュニケーションがうまくできてよかった!スタッフの人がよかった!」とは中学生。うれしいコメント、ありがとうございます(笑)

奈義の主催チームのみなさんからは「だんだん自然と、みんなが動けるようなプログラムになってたね。」「英語を知らない子はどうなるじゃろう、と心配してたけど、だいじょうぶだったね。」などの全体感想とともに、具体的なワークについての感想も共有いただきました。

らくでんスタッフがとくに印象的でしたのは、相手と知り合いかどうかや世代に関わらず、奈義のみなさんが自然と周りに声がけして応援したり、ときに助け船をだしあっておられたこと。独特の温かさとにぎやかさある現場でした。実はこのことを、次回ワークショップで私たちはもっと強く感じることになるのですが、それはまたのちの話!

奈義の朝
雪景色の向うに雲海が
「ところで来月、次回はどのくらいの規模でいきましょうか?」
「目標50人でいこう!」

主催チームのコールにより一瞬で決まった次回ワークショップのスケールでした(笑)

その次回らくでん式英語インプロ『Have fun!英語って楽しんじゃけん(^^)』の模様は、次号【後編】でお届けします。
どうぞお楽しみに!

《ご参考》
◆奈義町いろいろ
 観どころ訪ねどころ暮らしどころはコチラ

◆らくでん式英語インプロ開催レポ
 ・岡山県奈義町「前編:出生率日本トップクラスのまちでのワークショップ
 ・大阪市阿倍野区「訊きたいこと、伝えたいことがあると?!
 ・大阪市阿倍野区「国際交流ってなんだろう?
 ・大阪市阿倍野区「英語ゲームで世代・国を超えて楽しく交流ワークショップ
 ・大阪府泉南郡 「中学生とインドネシアからのみなさんと!
 ・福島県白河市 「えいご、たのしかった!(前・後編)」
 ・大阪市城東区 「生き抜くための“コミュニケーション能力の素地を養う”
 ・大阪府貝塚市 「なりきり英語ゲームでハロウィン
 ・大阪市天王寺区「まちがったら、おもしろくなる!(前・後編)」


*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

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