2019年4月19日

始まりの季節に寄せて

拠点のある大阪・天王寺区
満開桜の一日の始まり(今月7日)
今年度もよきご縁を賜りますよう

4月も半分を過ぎました。
この春に新しい職場、新しい学校、新しいコミュニティなど、新鮮な環境に身を置かれた方も多いことでしょう。
そして、新しい生徒たち、新しい先生、新しい同僚や上司、新しい得意先、新しいおとなりさんなど、肩書きはなじみ深くとも今までとはちがう、新たな相手とのたくさんのコミュニケーションが始まる時期ですね。

息子の通う小学校では毎年クラス替えがあり「さて今回は?」と、子どもたちもおとなも興味津々!それでも学年を重ねるにつれ、各科目が初回授業を迎え、新年度の持ち物もそろってくると、親の方はなんとなく日常を感じ始めますが、さて先生方はどうでしょうか。おききするまでもないお忙しさでしょう。

英語インプロの活動に深く関わるようになって以来、中学校や小学校の先生方に、これまでの「1保護者」とはちがう立場でおめにかかる機会が増えました。

7年ぶりに異動しました」「久しぶりの3年生担当です」「初めての市に異動になりまして」「昨年度までとはかなり環境のちがう学校なんですよ」「今回はこんなツールを導入してみるつもりで準備しています」

各地で先生方が迎えられた変化や、学習指導要領改訂も背景に、早速カリキュラムの創意工夫に熱心に取り組まれるご近況を伺い、心に響くことが多い今月。そのせいか、保護者会で聴いた息子の担任の先生のお話も、その発言の裏にある先生の創意工夫を想像するせいでしょうか?以前より深く共感したり感動したり。おかげさまで年々楽しみが増えます。

◆《コミュニケーション》へのこだわりからスタートして丸7
さて、日ごろ『らくでん(楽伝)』と呼んでいただいている我々、先週10日に節目を迎え、8年目に入りました。

問題意識を持ち「取り組む」と決めたことを、そのままお伝えしたく『楽しく伝える・キャリアをつくるネットワーク』という長い名前のこの特定非営利活動法人の始まりは、今から11年と3か月前のことでした。

子どもからおとなまで、コミュニケーションをもっと楽しく楽(ラク)にするに役立つグラフィックコミュニケーションツール『伝版®』を囲んだ《伝版®の会》が起こりです。

こどもも、自分たちおとなも “伝えあうことが もっと楽(ラク)に楽しくなったら!”
という期待を共有するメンバーたちは、マーケティング・経営・人間の心理・個人や組織のキャリア開発・コミュニケーションなどの多様な領域に関心と専門性をもつ、いろいろな垣根を超えた顔ぶれでした。
*活動の軌跡のお話はコチラ 楽伝 ことはじめ
 
伝版®を活用しての大学での模様
外資系企業で経験を積んだり、アジアに暮らし現地企業で働くなど、社会に出て比較的早い段階から“外国語x異文化間コミュニケーション”に直面したメンバーたちであったことから、コミュニケーションツールである『伝版®』に対する期待も、初めからユニバーサルでした。 言語・文化を問わず、さらには識字するかどうかも問わず役立てていただけるよう、「木」「花」といった自然物がていねいに選ばれ『伝版®』のモチーフとなっています。

実際、2011年度からは1年を通じて伝版®を活用できる手帳「伝版®ダイアリー」もユーザーの方々に愛用いただいていますが、海外からご連絡をいただいてお送りすることも。また、2016年度からは韓国の蔚山大学で、日本語を専攻する学生さんたちが講義の中で将来のキャリアをみつめる場面で、その一助として活用いただいています。
【ご参考】共同研究:韓国の大学における日本語専攻者のライフキャリア支援と伝版®ワークショップの可能性(言語文化教育研究学会第三回年次大会)  

活用いただくときには、メタファーによって起動する整理統合のパタンに着目し、いくつもの種類の伝版®のなかから、「使い手(伝版®を記入する人)」のありようと「その場の案内人(先生方やファシリテータ)」のねらいに照らし、場面に応じて適切な伝版®の種類や組み合わせを選び、効果を促進するプログラムとなるようサポートしています。

◆だれかになにかを「伝えたい!」気持ち
そんな始まりのらくでんでしたから、2012年に外国語でのコミュニケーション力を育む《らくでん式英語インプロ》の活動を始めたことは自然な流れでした。学びを最大化しチャレンジを可能にする“楽しい”手法=『らくでん式』を、英語でのコミュニケーションに展開したわけです。

なにより、コミュニケーション能力の素地となる「だれかになにかを伝えたい!」という気持ちを養い、コミュニケーションそれ自体が楽しくなること。その結果として「英語をもっとやりたくなる!」「英語をもっと使いたくなる!」ことをめざし、“伝え合い力”を育む『らくでん式英語インプロ』がうまれました。以来、多様な学齢・年齢の方々に向けてプログラムの開発と実践を少しずつ重ねて今日にいたります。

◆今年度は?
さて、2019年度はメンバー一同、さらに多くの機会に身をはこび、学校そして地域コミュニティにおいて子どもたちの教育環境を支えておられる先生方におめにかかり、おひとりおひとりの問題意識に学ばせていただくとともに、我々の具体的な取り組みと知見を内に留めず、広く共有することに努めてまいります。
岡山県奈義町でのらくでん式英語インプロ
終えて 地域の先生方と国際交流員の方と


同時に、引き続きワークショップ実践の場を通じて、各地の保護者のみなさまや、その地域で外国語教育の指導にあたりながら、長年にわたり子どもたちの成長を見守っておられる先生方と、これまで以上に連携し、子どもたちが楽しく、思わずうっかり(笑)真剣に学び、気づけば「もっと英語をやりたい!」「もっと英語を使いたい!」きもちがうまれる2時間の体験をお届けしてまいります。 

ちょうど先月の末には、地域の子どもたちの英語教育にあたられる先生方と、オーストラリアご出身でその町で国際交流員として子どもたちに関わる方と、そのような連携あってこそのワークショップが、岡山県奈義町で実現しました。
連携の様子や、関わってくださった指導者のみなさまのお声など、ご了解のもと後日みなさまに共有させていただく予定です。

そのほか、今年度上半期に開催予定のワークショップ、ならびに知見共有の機会につきましては、今後順次お知らせしてまいります。

今年度もどうぞよきご縁を賜りますよう どうぞよろしくお願いいたします。

                    らくでん 理事 柴山 純


*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

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