2015年5月28日

実況ルポ:大学生、『転換力を磨く』にチャレンジ!

培ってきたものを、社会で活きる力として自己表現することをめざす

インタビューパートナーの力をかりて
自分の力の芽を探索中!
「へ~、貯金するのが好きなんだ、
  ところで貯金のどんなところが好きなの?」
「う~ん、なんだろう。
  お金が貯まっていくのが嬉しいって言うか・・・」
「それって、どんな場面で嬉しいって感じるの?」
「通帳の桁が増えたのを見たとき!」
「あ、もしかして数字が並んでる書類とか見ることに
  抵抗ないんだ?」
「そうかな・・、あぁ、そうかも。うん!」
 
あちらでもこちらでも、なにやらふたり組でのインタビューが進んでいます。
ここは埼玉県新座市にある十文字学園女子大学の教室。
前期講義「キャリアサポート」の4月の1コマ。

楽伝理事・柴山純と山本由紀子がお伺いし、自分ごととして体感しながら考える「キャリアデザイン・ワークショップ」の第2回目が進行中です。   

◆前期を通してのキャリアサポート講義のなかで2回にわたり伝版®を集中活用
「キャリアサポート」は2年生以上が自由に選択でき、10人の多様な経験をもつ社会人講師を招く10コマの講義と、その前後をはさむように開催され、社会人講師からの学びを自分ごとに引き寄せてキャリアを考えることを助ける4月と7月の「キャリアデザイン・ワークショップ」(計4コマ)と総括(1コマ)から構成されます。ワークショップでは、自分の気持ちや考えをひきだし、ひもとき、くみたてることを助けるグラフィックシート「伝版®」を5年前から導入しています。

◆自分の好きなモノ・コトから、能力の芽を見つけ出す転換ワーク
冒頭のインタビューは、4月のワークショップで最も盛り上がる『転換力ワーク(転換力を養うワーク)』の前半です。まずは伝版®「川のシート」を使い、「好きなことやモノ」「こだわりをもっていることやモノ」を洗い出します。次に、それらには自分の強み・長所がかくれているという信念のもと、“興味/関心をもつ対象”をシートから選び、用意された“引き出し質問”によるインタビューを通して、そこに隠れている自分が養ってきた能力の“芽”を洗い出します。 

あちらもガヤガヤ、こちらもガヤガヤ
ワークショップはにぎやか!
生活情報・人間発達心理・人間福祉・メディアコミュニケーションなど、日頃は交流する機会の少ない多様な学科の、
異学年(2~3年生)の学生たちが‟はじめまして!よろしくお願いします”のあいさつに始まり伝版®「種のシート」を使ってインタビューに取り組みます。インタビューを終えて手元に戻ってきたシートには「私の強み」につながりそうないくつもの“芽”が見え、自分のことのようでいて、自身が思うよりなんだか魅力的な「私」が表現されています。シートを眺めて恥ずかしそうな、でもうれしそうなみなさんのお顔に、ご一緒する先生も楽伝のファシリテータたちも
思わず笑顔に! 

さて『転換力ワーク』の後半では、いよいよ“芽”を強みに【転じ】て表現していきます。インタビューでひもとかれ、いわば“芽”の出た「種のシート」と、「思い入れのある
好きなこと」として“ネイル”をとりあげた《転換例》を
参考にしながら、一人ひとり、いろいろな角度から【転じる】に頭をひねり、伝版®「花のシート」に自分の強みを
書き込んでいきます。
中には比較的すんなりと、自分の好きなことを強みや長所に【転じ】ていく人もいますが、多くの
学生さんにとって初めは簡単な作業ではありません。楽伝のファシリテータたちは多様な事例を紹介したり、個別に声をかけて【転じ】かけている途中経過を承認し、応援していきます。 

4月のワークショップ終えた学生さんたちの声:
**************************************

‟今までの人生はそんなにたいしたことないと思っていたけれど、「川」を書き始めるとお宝が次々と出てきて、自分にはたくさん宝物(興味・能力・価値観)があったことに気づいた。”

‟最初はありきたりなことを書いていたが、考えているうちに他の人とは違う好きなことが浮かび、最後に書いた言葉は「私の強み」だと思えた。考え続けることは大切!続けていきたい。”

‟懐かしいこと、楽しいことだけでなく、辛かった時や悲しかった時も思い出した。だけど【転じ】てみたら、どれも「何かに立ち向かっていた」時だったと思った。”

‟「上手にできたときがうれしい」を「目的のために努力することができる」と置き換えたら、自分をPRできる気がした。もっと色々なことで考えてみようと思った。”

‟否定的に思っていたことも、見方をかえるとプラスになると思った(手を抜く→タイミングにより臨機応変に対応できる)。自分に自信がでてきた。”

************************************** 

◆キャリア開発に必要なプロセスとは
楽伝では、学生及び社会人を対象とするキャリア開発支援の現場経験から「“興味/関心をもつ
対象”から、自分の能力を一般化する力」こそがキャリア開発過程に必須と考えています。 
 
たとえば大学生のキャリア教育においては、仕事観・職業意識の形成とキャリア選択に至るまでに、自分自身の興味/関心を自らひき出し、ひもとき、くみたてて理解し、その能力を自ら伸ばしていくための実践力を養うことが一つの目標となるでしょう。ところが、学生の多くは社会経験が限られ、キャリア開発の経験をもたないことから「能力=(イコール)学力」という発想に流れやすく、
その場合、学力に対して自己肯定感の低い学生は、自分の能力を見出す段階でつまずきがちです。 
日常生活の“体験”を通じて(実はすでに)培っている能力を“自らの資産(強み)”としてとらえる習慣のない学生に対しては、学生が身近に感じている“興味/関心の対象”に焦点をあて、その
対象との関係から離れ、別対象にもあてはまる一般化可能な「能力」として認識させる『転換力ワーク』をきっかけとし、「学力」に限らず、自分が興味/関心を抱く日常の対象の中に「能力」の
“芽”が潜んでいることに気づかせることがまず重要でしょう。

ヒントを提供する
“ネイル”などの《転換例》
従来のキャリア教育の過程で必ずしも積極的に提供されてこなかった気づきのきっかけとなる体感ワークが必要である― 楽伝の『転換力ワーク』はこうした問題認識から誕生しました。 

さて、キャリアデザインについて学び、『転換力ワーク』に取り組み「自分の内側」にアクセスした学生さんたちは、ただいま10人の社会人講師と次々と出会い「自分の外側」の情報にアクセスしているところです。楽伝ファシリテータたちが再び訪ねる7月、どのように成長されているでしょうか。7月のキャリアデザイン・ワークショップでは再び『転換力ワーク』に取り組む予定です。
本講義に伝版®を取り入れていただいて5年目を迎えますが、例年、7月の『転換力ワーク』ではみなさんの【転じる】スピードがぐっとアップし、内容も豊かになっています。今年度のみなさんがどのような成長を遂げられるか、楽伝も今から楽しみにしているところです。 

2度目の『転換力ワーク』に続いて、キャリアビジョンを描き、卒業までの行動計画を作成する7月のワークショップの模様は、後日こちらであらためてご紹介させていただきます。
 
*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します

2015年5月14日

ヒンディー語では「明日」と「昨日」は同じ言葉?!

“多様な文化で働く。「すでに持つもの」を転換する。”をお話しました

先日5月6日(水)楽伝の理事・山本由紀子が、山口県の放送局・KRY山口放送のラジオ番組  「おはようKRY」の「県人アワーふるさとdeつなごう」に登場しました。

このコーナーは、山口県出身でふるさとを離れて暮らし、活動している人を、番組パーソナリティが電話でインタビューをするもの。東京や大阪などの大都市だけでなく、海外で働いてみたいという若者が地方でも増えていることから、山口県出身でグローバル人材の育成に携わっている山本が、今回お話させていただくことになりました。
 
15分間のインタビューでは、山本自身がインドの多国籍・多文化な環境で働く中で体感した「多様性(ダイバーシティ)」について具体的にご紹介するとともに、多国籍・多文化を標準とするグローバルな時代に「転換力」を自分のものにすることにより、自らがすでにもつスキル・専門性を活かしてチャレンジを乗り越えていくことができるという考えを語りました。
 
インタビューの一部をご紹介しましょう。

*********************************************

-海外勤務のご経験があるのですね?

はい、インドで通算4年働いてきたのですが、2014年まで働いていた会社は、インド現地の会社で、文化も違えば、国籍も違う多様な人々が働いていました。イギリス、トルコ、もちろん、インド人もいますし、コロンビア、ブラジルの人、そして日本人と、本当に多様な人たちと一緒でした。
 


ホーリーを祝う山本と同僚たち(2014.3)
Holi:ヒンディーの春祭り。春を祝い、
誰かれなく色粉を塗りあったり、色水を掛け合う。
-海外で働く上で壁になるのは言葉ですか?

やはり表面に現れることとしては、言葉になるのですが、それも、文化や宗教が違うと同じ言葉でも、イメージするものがまったく違うわけですね。
もっとも典型的な例ですが、インドのヒンディー語では「明日」と「昨日」は同じ言葉です。輪廻転生の思想のあらわれなのか、彼らはそういう時間感覚のDNAをもっている。「明日」といっても、「今日ではない」くらいの感覚だったりするわけです。そのなかで「『明日』って言ったでしょ?」と叱っても彼らには伝わらない。逆に「どうしてそう、シャカリキになるの」となるわけです。
ですから、彼らのコンテクストのなかで、  言い換えたり、質問を変えたりという工夫が難しかったですし、だからこそ、それだけエキサイティングなところでもありましたね。

-インド人と日本人、価値観の違いについて

もちろん、インドの方たちも日本人と同じでいろんな人がいるのですけれど、ほとんどのインド人はまじめですし、外国人には親切にしたいと思っている。ただ、その方向性が「日本人の価値観からすると」ずれている、あるいは楽天的すぎるだけなんです(笑)。渋滞していてとても5分では到着しそうにないところを「5分で着く」と言ってしまう。あるいは、道を尋ねられて「わからない」というと悪いように思うらしく、親切にしたいからこそ、良かれと思って、あたかも知っているように言ってしまう。

-研修ではどういうことをクライアントさんに伝えておられるのでしょうか?

海外にいくと、言葉も違えば、いろんな文化や宗教の違いもあり、確かに大変ですが、でも逆に日本のなかでも、一人ひとりみんな「違う」という状況は同じなんですね。
たとえば、「目の前に青い海が広がっています」といっても、どんな海を想像しているかは一人ひとり違う。砂浜を思い浮かべる人もいれば、岩場を想像する人もいる。
そう考えると、日本での経験をほんの少し応用する、アレンジすることで、海外でも通用することがあるし、同様に、職業上の経験だけでなく、どんな経験も応用することができる。これを私たちは「転換力」と呼んでいますが、この「転換」をすることができれば、グローバルな時代、あるいは変化の激しい時代もそれを乗り越える力がみんな自分のなかに備わっているよ、ということをコアのメッセージとしてお伝えしたいと取り組んでいます。

*このインタビュー放送は、ポッドキャストで聴くことができます。
    http://kry.co.jp/radio/hotzone/podcast.html

   ・ポッドキャスト:音声データファイルをダウンロードしていつ・どこでもラジオ番組が楽しめるサービス。
          iTunesをダウンロードし、「ポッドキャストで聴く」ボタンをクリックして利用できます。

*********************************************

楽伝では、「変化に対応する人材の持つべき態度・行動」として【6C:Curiosity(好奇心)、Concern(関心)、Control(コントロール)、Confidence(自信)という4つの態度とCooperation(協働)、Conversion(転換)という2つの行動】のセットを提唱しており、中でも変化に対応する直接的な行動として「転換(Conversion)」する力をクローズアップしています。

ひとつの会社組織で働き続ける場合においても「変化への対応」はもはや日常になりつつありますが、海外の赴任先で働く場合や、外国籍の社員と働く状況では「今までと著しく違う」ことがいっそう多くなります。自らの想定を大きく超える「違い」に面したとき、これまで培ってきたスキルや専門性が通用しないのではないか、ゼロから始めるのか、といった不安がふと生じることもあるでしょう。もちろん、これまでの「そのまま」では通用しないかもしれませんが、「組み合わせ」たり、「とらえなおして置き換え」たり、さまざまな応用やアレンジをすることで、すべての経験が新しい環境でも通用するキャリアとなります。

また社会人だけでなく、職業経験のない学生が、経験から培ったものを企業組織で通用する力として自己表現できるようになる上でも、「転換」する力が大変有用です。

これらは、私たち楽伝が【6つのC】のなかでも「Conversion(転換)」する力をクローズアップしている所以でもあります。

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

 

2015年4月23日

公開講座スケジュール決定:中堅女性社員のための実践キャリア研修

変化に対応する“転換力”で、自律型人材へのキャリアデザイン力を磨く
 
キャリアを自ら拓こうとする人にとって、「自分自身を知ろうとすること」と「身をおく環境と自分との

関わりを考えようとすること」はともに、従来も欠かせない態度でした。ただ、社会・産業構造の変化が
激しくなった現在、後者の重要度は格段にアップしています。 
キャリアデザイン力を磨く

たとえば会社組織で働く場合 - “組織が個人に予め定めたレールを与える”時代には、個人が自分の行動を大きく転じなければならない環境変化は、昇進や異動などの限られた機会でした。また仮に昇進や異動が生じても、同質性を重視するかつての組織時代には、その変化の多くは想定しうる範囲のものだったでしょう。

それでは、現在はどうでしょう?

  ・“育てられる側”から“育てる側”へ。職位やコース区分は変わ
  らないが従来よりはるかに大きな役割を期待されるようになった

  ・以前なら10数年のキャリアになってもつような人数の部下を、
  入社数年ですでにもっている

  ・雇用形態、年齢、性別、職歴・・・かつてないバリエーションの
  あるチームを束ねることになった

  ・海外にいる上司・部下や、在宅ワークのメンバーなど、リモート
  での協働が日常になった
   等々。

変化が、当初に予期していなかったスケールでやってきて、個人に大きな行動の転換をせまっています。「変化に対応する資質、レディネス」がキャリア形成上の要となる時代です。

それでは「変化に対応する資質、レディネス」を高めるために必要な力とは何でしょうか。
楽伝は、「変化に対応する人材の持つべき態度・行動」として【6C: Curiosity(好奇心)、Concern(関心)、Control(コントロール)、Confidence(自信)という4つの態度と、Cooperation(協働)、Conversion(転換)という2つの行動のセット】を提唱しています。その中でも変化に対応する直接的な

行動として「転換(Conversion)」する力をクローズアップしています。
 
「転換」とは、Aという条件の中で奏功した要素を、未知のBという条件に適応させるための探索行動と、適用を試みる行動の両者を指します。変化が著しく激しい時代にあって、ある時点で前提としていた役割が消失したり変化することは半ば日常的なできごとです。そのような状況に直面した個人が、たとえば「それまでに身につけた能力を、新しい役割に応用して活かせる」とまず考え、「その能力を活かす方法を探索し試しにやってみる」姿勢をもつことができれば、仮に新しい役割が当初の意図とは異なっていたとしても、個人にとってつながりあるキャリア・成長機会としてとらえやすくなるでしょう。
いうまでもなく、そうした個人のとらえ方は、組織において力を発揮する働き方につながります。

「変化に対応する人材の持つべき態度・行動(6C)」を知り、これからこそのキャリア観を考え、自ら

拓く力(キャリアデザインする力)を養うことは、求められている新たな期待役割を担うべく個人が変わるためのきっかけになることでしょう。今回は女性社員の方々を対象としたそのような一日企画のご案内です。

公益財団法人日本生産性本部主催
2015年度ダイバーシティ・マネージメント・カレッジ
『中堅女性社員のための実践キャリア研修』
2015年12月7日(月)10:00~16:00

(東京・渋谷、公益財団法人日本生産性本部にて)
  詳しくはコチラ。


職場を1日離れ「変化に対応する人材の持つべき態度・行動(6C)」を知り、様々なライフイベントの選択とキャリア形成上の選択を自ら束ねて力を発揮し続けていくきっかけとなる機会を提供します。
ファシリテータとして、楽伝理事・柴山純が水先案内人を務めます。
思考・整理・伝達のコミュニケーション力を
むりなく育むグラフィックシート『伝版®』

遠方からの参加や、時間短縮勤務を利用する方にも配慮した10:00~16:00のプログラム。
当事者である中堅社員の方々から、ダイバーシティ推進・女性活躍推進・両立支援等の職責でキャリア開発支援のあり方に関心ある方々まで、多様な組織のさまざまなお立場から参加いただいています。

楽伝の提供する、思考・整理・伝達のコミュニケーション力をむりなく育むグラフィックシート『伝版®』を使ったプログラムを、フルに体感いただける公開講座の機会でもあります。ぜひご活用ください。
詳しくはコチラ。

*************************************************

◆◇ これまでのご参加者の声 ◆◇
 
「ひとりでモヤモヤしていた課題について、話し合う中で見えた答えをもとに、“まずは行動してみよう”と思えました。やってみたら違っているかもしれませんが“そのときはまた考え、相談し、解決していこう”とポジティブに考えるようになりました。」
 
「漠然としていた“ありたい姿”を具体的に表現でき、自分の目標のために【今、何から行動すべきか】明確になりました。今日キャリアビジョン実現に向けて立てた行動計画を必ず実行し、夢を叶えます。自分が今日感じることができたことを職場の女性社員たちにも共有したいです。」
 
「ワークを重ねていくことで、自分をむりなく見つめられました。今まで難しいと感じていたキャリアプランの作成が、今日はとても楽しくでき、自分の課題が明確になりました。」
 
「ポジティブ・アクション施策の担当ですが、今日は自身をみつめる機会にもなりました。これからのキャリア開発にはワークだけでなくライフの視点を組み込んでキャリアビジョンを描く仕組みが必須ですね。」

**************************************************

公開講座の詳細はコチラ。 
 
*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

2015年4月2日

新年度の始まりに寄せて

自らを越えた資源

楽伝、2015年度始動
旧きと新しきをつなぐ一心寺、山門に仁王を仰いで
4月。新しい仲間、新しい職場、新しい学校等々「新しい」環境に身を置かれる方も多い
ことでしょう。

意気揚々と思い描いていたようなスタートを
迎える方も、一方で、こんなはずじゃなかったという苦い思いを噛みしめつつ歩みを進めようとされている方もおられると思います。

実は私、いろいろなプロジェクトを同時に手がけるは常態ながら、最近よく感じます。
かつて「これはもう無理だと思ってやめてしまったもの」を掘り返してやっていることが多くなったな、と。

それは“そう意識しているから”そうなっています。どういうわけなのか、ご説明しましょう。
 
あるプロジェクトをやめてしまった時点では、やりたくて始めたのに「やりきれなかった」という結果に対する悔しさと自分の能力に対する情けなさ等々、嫌な気分でいっぱいになります。そうした「やりきれなかった」モノゴトたちは、私の記憶の中にネガティブな気分と共にしっかりと刻印付けされていきます。この「やりきれなかったリスト」が、新しいことを手がけるときに非常に役立っています。

「やりきれなかったリスト」を新しい取り組みに役立てるための単純で効果的な方法は、
2つの問いへの回答を考えてみること、それだけです。
 
 Q1 その新しいことは「やりきれなかったリスト」にあることと、どこか似ていないか?

 Q2 似ているとすれば、前回バリアになっていた要因が、今回もバリアになりそうか?
 
人間、事由もなくある日突然、大きく変わるものではありません。とすると、新しい取り組みだと
自分が思って始めることのほとんどは「やりきれなかったリスト」にあるものと同一、ではなくとも類似点が多くなります。したがって、Q1への回答は「YES」です。
 
前回バリアになっていた要因は、あきらめた当時にはなかった「人とのつながり」や「テクノロジーの進歩」「身についたスキル」などによって“今の自分”なら解決できる部分が多くなっています。つまり、Q2に対して「NO」と答えやすくなっています。
 
面白いことに、そうした人とのつながりやテクノロジー、スキルは、必ずしも自分が望んで得られたものでなく、「たまたま」ご縁があったり、そのようなトレンドがやってきたり、知らず知らずのうちに得たものがほとんどであることに気づかされます。自分の意志とは関わりなく“自ら”を越えて
蓄えることのできた資源が役に立ってくれるわけです。

もちろん、前回バリアになっていたことがまだバリアになることもありますが、それはそれでいいですよね。何がバリアかがわかっているので、それを回避するなり解消する方略を模索することに、
すぐさまエネルギーを『転換』できます。

この4月、思い通りのスタートができた方は存分に取り組んでください。そして、悔しくも意志に
沿わないスタートとなった方は、こう考えてはいかがでしょう。
今の意志とは無関係に“自らを越えた資源”を蓄えるチャンスが到来した、と。
そしてこのチャンスに対し、貪欲に取り組んでも決して損はありません。蓄えられた資源はいつか、あなたの意志を具現化するときにきっと力になってくれるのですから。

桜だよりとともに

理事長 西道 広美 拝
    

 

2015年3月26日

実況ルポ:『伝版®ダイアリー』お仕立てワークショップ

五感フル稼働で仕立てたものは“ダイアリー以上”でした
 
3月22日(日)春到来、彼岸の昼下がり。

My『伝版®ダイアリー』完成!
大阪・天王寺区にある和紙専門店「和紙のお仕立荘」にて『伝版®ダイアリー』お仕立てワークショップが開催されました。四天王寺や一心寺をはじめ、数々のお寺さんの集う近辺は、彼岸参りの人々で通りがぎっしりうまるほど。 出店も立ち並び、どことなく懐かしい、お祭りのような賑わいぶりでした。

「和紙のお仕立荘」はそんな賑わう通りに木戸をあけ放っていて、通りがかりの皆さんがふらりふらりと入ってくるのでした。
お客さんたちは木の棚に数々並ぶ、使い勝手もデザインもよい、こだわりの和紙製品を眺めるうち、なにやら楽しい和紙の話を耳にします。気づけばご店主がとなりでおしゃべりをしているのでした。

その2階。階下の入口から高い吹き抜けを、春風が木組みの色あい美しい天井まで昇ってきます。さぁ“やりたいと願うことをまず大切に”を応援する『伝版®ダイアリー』お仕立てワークショップのはじまり、はじまり~。

◆お仕立ての工程
 1.紙選び:表紙や中表紙にする和紙を選ぶ
 2.箔押し:『伝版®ダイアリー』のトレードマーク「お花」を表紙に押す
 3.製本:表紙と、ダイアリー部分の中紙一式とを綴じあわせ、裁断して仕上げる

1.紙選び
“梅の花”の透かし紙は縁起もの♪
まずは、1948(昭和23)年創業の和紙卸商「和紙のお仕立荘」ご店主オオウエさんに『伝版®ダイアリー』にと用意してくださった和紙たちを紹介いただきます。淀川のヨシを使って福井県で漉かれた「ヨシ紙」や岐阜県の「美濃和紙」など。どの和紙も、ボールペンなどの筆記具で存分に「書く」を楽しめることはオオウエさんのお墨付き!
中表紙用には“花ぐるま”の透かしや“梅の花”の透かしの入った美しい和紙も。“梅の花”の透かし和紙は、岐阜のメーカーさんがご友人の結婚式のためにデザインしたものがあまりに出来がよく商品化されたとか。なんだか縁起がよさそう。

紙選び、迷うも楽し!
それぞれの和紙は、手触り、色あい、透かしの具合など、参加した皆さんの予想をはるかにこえてさまざま。なでたり、透かしたり、ダイアリーとなる中紙一式に重ねてみたり。五感をフル稼働して選びます。ただ「紙を選ぶ」作業ながら、自分のこだわり、大切にしたいこと、好奇心を刺激されることなど、自分を確認するひとときでもあったような。ちなみに、眺めて触れて一瞬で一番先に決めたのは4歳の参加メンバーでした。

2.箔押し
選んだ和紙の表紙に、専用の機器をつかって『伝版®』の「お花」を箔押しします。ご店主に指南いただきながら重みを載せて
“はい、ぐ、ぐーっ”
“はい、ぐ、ぐーっ”
1つの正解となるやり方があるわけでなく、それぞれの和紙の構造と箔押しする人の力や性格との遊び算で、自分が思う加減を「選び」ます。できあがりは10人10色の味わい!

3.製本
いよいよ、1)箔押しした表紙、2)透かし模様入りの中表紙、3)ダイアリー本体となる和紙たちを綴じます。今回は縫い綴じにプロの手を借り、参加メンバーは裁断工程に専念!ご店主の指南を受け、自分で裁断器のスイッチを。取り出せば、この世に
たった1つのMy『伝版®ダイアリー』の完成です。

いよいよ、仕上げの裁断!
愛おしいような、誇らしいようなきもちでいっぱいになるのは、
自分で選んで創り上げた愛着からでしょうか?

参加メンバーからお便りをいただきました。掲載に賛同いただき
ましたのでご紹介します。

・・・・・・・・・・・・

毎年、お世話になっている伝版ダイアリー。

年ごとに、紙質や綴じ糸など工夫を凝らしていただいていましたが、今年はなんと、自ら「お仕立て」できるというので、喜び勇んで参加させていただきました。

準備いただいた表紙用の和紙は4,5種類あって大変迷いましたが
この迷うプロセスこそが、お仕立ての醍醐味。

和紙は「手」でも味わうものなのですね。
手触りは、洋紙とちがって、裏表で大きく異なります。
色や柄に目を奪われがちですが
私は「手」の味わいを大切にして、表紙にする和紙を選びました。
ちょっと厚みのある滑らかなタイプです。

「和紙のお仕立て荘」
和紙の伝統を22世紀へ!
プロの方にお手伝いいただきながらも、
紙を選んで、箔押し、製本へと、
自分の手で仕上げたダイアリーは愛着ひとしおです。

店主さんやご一緒に参加された皆さんと
“こっちの紙は光に透かすとキレイ”とか
“こっちの紙はキラキラしてるよ”なんて
紙のあれこれを語りつつ和紙を味わい尽くす体験も、
とても貴重なものでした。

さあ、今年度のダイアリー、どこから描きましょうか?

・・・・・・・・・・・

1年が巡ったら再び集って、それぞれの来た道を語り合いたい、そんなきもちになって解散した一同でした。
 
*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

Copyright © 2013 Rakuden. All rights reserved