2017年2月25日

中学生とインドネシアからのみなさんと、らくでん式・英語インプロ!

らくでん式・英語インプロワークショップ@関西国際交流センター

2月中旬のある夜のこと。中学生たちがらくでん社会教育部・辻野とともに訪ねたのは、国際交流基金関西国際センター(大阪府泉南郡・りんくうポート)です。
 
このセンターは各国の外交官や公務員、日本研究を行う研究者の方々が、職務や研究に役立つ専門日本語を学ぶ研修を実施するほか、海外で日本語を学ぶ人々を支援する「日本語学習者訪日研修」を実施しています。

◆「きょうは、じょしかい(女子会)です!」
と、日本語で迎えてくれた5人はインドネシアの大学生のみなさん。すっかりチームに見えるメンバーですが、日本の約5倍の面積、1万3000以上を数える島々からなるインドネシアでは、それぞれちがう島の大学で日本語や日本の文化・歴史を学んでいるとのこと。


今回は日本語と文化への理解を深める目的で、インドネシア政府の推薦で短期留学。1カ月半の間、関西国際交流センターに滞在して同センターで学ぶほか、各地の大学などを訪問。そんな貴重な滞在中のこの夜、らくでん式・英語インプロワークショップをご一緒いただいたのでした。

さて、おじゃましたのは中学生女子チーム、3年生3人と2年生ひとり。いつもなら、これから英語でのコミュニケーションに没頭するわけですが、今回はいつものらくでん式とちょっとちがいます。というのもインドネシア語を母語とする大学生チームは、英語も流暢ながら、むしろ中学生チームの日本語・日本のアニメ・ゲーム・アイドル・若者文化に関する知識や経験に興味津々なんですね。そこで今回はときにあえて日本語をまじえながらの1.5時間!「知りたい」「伝えたい」「わかりたい」「わかってほしい」をぐるぐるまわす「発信力の筋トレタイム」はアっという間に過ぎていきました。

◆ワーク1:『おなまえまわし』で仲間に
インドネシアの大学生チームと日本の中学生チームはもちろん初対面。らくでんのファシリテータ・辻野もいれて10人でまずは『おなまえまわし』のワークで知り合います。
初めに、それぞれに《今日呼んでほしい自分の呼び名》を考えます。ちなみに、らくでん・辻野は「アンジェリーナ」でございます!みなさま、以後どうぞお見知りおきを(笑)

それでは「発表タイム」スタートです!まずは、ファシリテータのアンジェリーナがおひとりおひとりの呼び名を、本人にイントネーションを確認しつつ発表します。続いて、メンバー全員でその呼び名を大合唱し、彼女に呼びかけます!呼ばれた彼女は・・・だいぶ照れくさ~い(笑)でも、彼女も呼びかけたみんなも思わず笑顔に。

10人の紹介が一周したところで、次は2周目。今度は自分の呼び名に「アクション」をつけて名乗ります。そのあとみんなが、彼女の「呼び名+決めポーズ」をリピート!カラダも動かしながら、再び呼び名をコールです。

◆ワーク2:『好きなこと』を知ってもう少し仲良しに
ちょっと温まってきて、もう少し相手を知りたくなってきたところでアンジェリーナが用意した2番目のワークはペアインタビューでした。お題は「あなたの好きなこと」。

大学生と中学生がペアになり、交替でインタビューをします。相手の好きなこと・興味をを想像して英語で直撃-「●●は好きですか?」。相手の「好きなこと」を10個見つけられたら役割交替です。時間の許す限り「どうして好きなの?」と理由もがんばってひきだしました。

◆ワーク3:『チーム』になってもっと知る!
「なるほど、そんな感じの人なんだ!」とお互いが見えてきたところで、3つ目のワークへ。2チームに分かれての、らくでん式恒例のIm a treeです。

このワークは、国が違う、歳が違う、言葉が違うといった「わかっていた」違いだけでなく、たとえ中学生メンバー同士、大学生メンバー同士でも、「ひとりひとりみんなちがってる」ことを実感し、自然と受容できる体験になります。

アンジェリーナから出た最初のお題は「オオサカ(大阪)」。ひとりひとりの想う「オオサカ」を表現し、チームで舞台をつくります。大阪城になるひと、グリコの看板になるひと、たこやきになるひと・・・。2ラウンド目からは、各チームが相手チームに「お題」を提案してのローテーション。アタマをひねってカラダを動かし、楽しみました。
なお、Im a treeについては第2回《らくでん式・英語インプロワークショップ》でもくわしくご紹介しています。

◆ワーク4:仕上げはコミュニケーションの筋トレ
いよいよ最後のワーク『なりきりインタビュー』です。初めに、何かに「なりきってくれる」人のボランティアを募ります。何になるかは、各自の自由!

ワークの進め方はシンプルです。まずは彼女が何になりきっているのか想像し、ほかのメンバーが確認質問を重ねていきます。Are you a dancer?”“Are you living in Japan?” ・・・

ポイントはスピード!とにかく何か質問をひねりだし、どんどんGive a question、するとどんどん「Yes」「No」が返ってきて、はい、次のQuestion

テンポよく廻す中で「恥ずかしい」とか「英語でどういうの?」とか迷うヒマなく、筋トレのように「伝える」を重ねていきます。いよいよ材料がそろい、相手の正体がわかったところで、最後の質問「Are you a・・・?」で終了です。

ちなみに今回登場したのは、明智光秀、「嵐」の桜井翔さん、トランプ大統領、ぐでたま・・・などなど。「明智光秀」に「ぐでたま」ですよ!インドネシアメンバーが想像以上に日本にくわしいことにとても驚き、うれしくもなったひとときでもありました。

1.5hをふりかえって
大学生のみなさんは、卒業後は日本語教師として活動されるとのこと。「あなたのこと、日本のこと、もっと知りたい!」と夢中になってくださったみなさんとの時間。こどもたちはどうだったのでしょうか。辻野は振り返ります。

『今回の中学生4人、ワクワクばっかりで参加したわけではないんです。開始時に「今の気分はどう?」とききましたら「1100でいえば30点やな」とローテンションのメンバーもいました(笑)

たとえばその彼女は、最初のペアインタビューで、相手が必死に想像して投げる「好きなこと」を、なかなかキャッチしようとしません。まじめに、厳密に、「NO(=好きなことじゃない)」と否定を続けるんです。ところが相手の大学生は全然めげなくて、これでもかと次々に笑顔で投げてくる。そんなやりとりを重ねるとだんだん笑顔が増えてきました。次の「Im a tree」のチーム戦に移る頃にはむしろ積極的に話しかける大変身でした。

「あなたのことを知りたい・自分のことをわかってもらいたい」って、こどもたちの普段のコミュニケーションより、たぶん距離が近いやりとりですよね。たった1.5hですけど、安全な場でいつもと違うコミュニケーションを体験してみることで一歩を踏み出したように思います。

どんな集まりにもいろいろなこどもたちがいます。場にすぐ溶けこむ子、中心でリードしようとする子、周りから支える子、自分の空気を守る子、じっと観察する子、笑ってやりとりを楽しむ子・・・。みんないいですよね。らくでん式は「みんなちがうからおもしろい」が前提です。インプロという手法を利用して、お互いのいろいろなカラーをうっかりうまいこと混ぜて「一歩を踏み出す」を応援していきたいです!』

>>次回のらくでん式・こどもインプロ英語ワークショップスケジュールはコチラ

【ご参考】らくでん式・英語インプロワークショップ
こどもたちのための、英語とコミュニケーションが楽しくなる講座です。
楽しいインプロ(即興)ゲームや英語落語を体験し、動いて、笑って、コミュニケーションの基礎力を養います。「だれかになにかを伝えたい!」というきもちを育み、英語をつかうことや言語を問わずコミュニケーションが楽しくなることをめざしています。
小学校1年生以上のこどもたちならだれでも参加可能!英語経験・英語力は不問です。
*このワークショップは体験型学習(アクティブラーニング)の手法を取り入れた英語学習活動のプログラムです。

こんなこどもたち、みんな大歓迎です!
 “英語はまだやったことないけど、いつか話せるようになりたい!”
 “あんまり好きじゃないけど、英語って、いるんだろうなぁ。
 “もっと話せるようになりたい!”
 “単語や文法は得意だけど、人前で声に出すことや英語で話すことはあんまり・・・”
 “ともだちや親に、もうちょっと自分の気持ちを言えるようになりたいな。”

こどものための講座ですがとくべつに、こんなおとなのみなさんも歓迎します。
 “こどもと一緒に、親子で参加したい。”
 小学校での外国語活動や正式教科としての外国語授業に関わっていかれる先生方。

開催済みのワークショップの模様は下記にてご覧いただけます。
>>「まちがったらおもしろくなる!」

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性と変化あふれる社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

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